「家族に迷惑は掛けられない。最期は介護施設で看取ってほしい。」

筆者は介護業界で長年働いていますが、終活の一環として介護施設への入居を考える人が増えています。

そこで切っても切れないのが、「介護施設の費用」と「使えるお金」のバランスです。

コストを抑えた地方の介護施設に入った場合、どのような事が考えられるでしょうか

有料老人ホーム(以下、介護ホーム)を対象に、施設の利用料や地方に住むメリットとデメリットを比較します。

有料老人ホームは地方が安いのか

有料老人ホームは地方が安いのか比較

地域によって介護ホームの価格差はどの程度なのでしょうか。

料金が低い介護ホームのを軸に調査したところ、首都圏とそれ以外では料金に圧倒的な差がありました

しかし首都圏を除けば、料金差はあまり大きくないという印象です。

地域による介護ホーム料金

【首都圏】平均30万前後が多い。安い施設で20万弱もあり。

【栃木県】おおむね15万~20万程度。

【長野県】おおむね15万~20万程度。

【大阪府】おおむね15万~20万程度

【北九州市】安い施設で11万。おおむね15~20万程度。

費用の注意点

一時金0円、施設の基本利用料のみで比較しています。

介護保険料、オムツ代、医療費、水光熱費等は含まれていません

介護ホームの場合、建物や部屋の広さが月額料金に反映されます。

家賃の安い地域では月額料金も下がりますが、設備のコストもあるため15万が限界なのでしょう。

もっと安い介護ホームはないのか

探せばあるかもしれませんが、見つけるのに苦労します。

なぜなら、安い介護ホームはインターネット検索で上位表示されにくいです。

一般的に「有料老人ホーム」とインターネット検索すると、「有料老人ホームの紹介サイト」が上位表示されます。

いろいろな介護ホームを紹介してくれる業者のサイトです。

これは使う側にとっては非常に便利ですが、すべての有料老人ホームが出ているわけではありません。

紹介サイトで表示される介護ホームは、基本的に会社間で契約している施設を表示しています

つまり、契約していない施設は表示されません

そして料金が安く入居率が高い施設は、そもそも紹介サイトを利用する必要がありません

そのため、普通に検索しても見つけるのが困難です。

低価格帯の施設を探すには次のようなコツがあります。

自分で施設を探すコツ

・ 家賃が安いエリアに絞ってインターネット検索する。

住んでみたいエリアの地域包括支援センターに聞いてみる

・ 候補エリアの介護ホームへ、近隣で低価格のホームがあるか聞く。

地域包括支援センターは、その地域の情報を持っている可能性があります

また介護ホームなら、ライバルである同業他社の情報も持っている可能性が高いです。

教えてくれない事もあるかもしれませんが、聞くだけならタダです。

いろいろな情報をもっている人に聞こう

地方に住むメリットとデメリット

首都圏と地方では、家賃に大きな差があります。

しかし首都圏以外の地域では、月額利用料が極端に変わることはありませんでした。

とは言え、看取りまで住むのであれば毎月の費用は少しでも抑えておくべきです。

では費用以外のメリットとデメリットを考えてみましょう。

地方の施設に住むメリット

・ 支払いのできる範囲内の施設が多く安心感がある。

・ コストを抑えた施設が多く、移り住む時の選択肢が増える。

施設が自分に合う・合わないは、入ってみるまで分かりません。

低コストで選択肢が多ければ安心です。

地方の施設に住むデメリット

・ 家族や友人と離れて住むことの孤独感。

・ 何かあった時に支援できる人が周囲にいない。

・ 病気で本当に困った時に、支援してくれる人がいない。

・ 近くに支援者が居ないと入居できない施設もある。

認知症や寝たきり状態になると、治療方針や延命などで誰かに判断を任せる必要があります。

人の協力を得られないという点は非常に大きなデメリットです。

費用は安くなる半面、頼れる人がいないと何かと不便を被るでしょう。

住む場所ではなく、助けてくれる人の近くが1番

筆者の主観ですが、介護ホームに入るなら費用だけでは判断せず、地元または家族の近くに入るのが良いと思います。

地方にある介護ホームに入れば、確かに月々のコストは抑えられます。

しかし看取りを考えると、誰かが支援してくれる人がいないと非常に困った事になるでしょう。

私自身がさまざまな方と関わってきた経験から言えるのは、「近くに関わってくれる人の存在」はお金に代えがたい財産です。

天涯孤独という人でも保証人や後見人である程度はクリアできます

終活や終の棲家を探すのであれば、この点はしっかりと考えておくべきです。

それに支援してくれる人さえいれば、いざ介護が必要になってからでも何とかなります。

一時的な施設や看取りまで住める施設など、探す方法はいくらでもあります。

お金は大切ですが、同時に「助け合える人」も財産と言えます。(執筆者:小原 しろう)