現代日本は少子高齢化が進んでおり、高齢者の方の中には加齢や疾病に伴い身体機能が低下する事で要介護状態に陥る方が少なくありません。

要介護状態になった方を支援する家族は、食事、排泄、身体面など日常生活のさまざまな場面の手助けを行う事となります

その中でも、負担に感じる方が多いのが、排泄の支援です

トイレでの排泄が困難となった方に対してはオムツを着用してもらい、それを交換する形で支援をされている方は多い事でしょう。

しかし、オムツやパットは消耗品であり、また定期的に使用するため長期にわたるほど経済的な負担が大きいものになります。

そのため、その負担を軽減するための制度があります

負担が大きい 「排泄用品」の費用

紙オムツの助成制度は自治体ごとに違う

紙オムツの助成制度は、自宅で生活している方で排泄の機能が衰えたことなどによりトイレでの排泄が困難になった人に対して行われるものです。

この助成制度は国で定められた制度とは異なり、市町村独自で行っている制度になるため、自治体ごとで助成内容に違いがあります。

助成内容は、

指定された紙オムツ等の排泄補助用品を支給する方法と

紙オムツ等を購入するための費用を助成する方法

の2通りが一般的です。

助成を受けられる金額も自治体によって異なりますが、月額数千円~1万円程度の助成をしている自治体が多く見られます。

参照:杉並区(pdf)

紙オムツ助成を受けられる条件

前項でも説明した通り、紙オムツ助成制度は市町村独自で行っている制度のため、対象者の条件もそれぞれの自治体によって異なります

そのため、ここでは多くの自治体で定めている条件をご紹介します。

(1) 要介護度

多くの自治体では要介護認定を申請し、何かしらの介護度がついている事が条件となっています。

比較的身体支援が重度の方を対象としているため、要支援認定の方は対象から外されるケースが多いです。

要介護認定を受けていても、重度の方のみを対象にしている場合もあり「要介護3以上」などの条件を付ける自治体もあります

(2) 世帯の収入状況

自治体によっては「非課税世帯のみ対象」などの条件を定めている所もありますので、条件を確認した上で申請する事をおすすめします。

その他にも「自宅で生活している事」や「入院中でない事」などのこまごまとした条件があり、その条件はさまざまとなります。

紙オムツの助成制度を活用したいと思った時には、お住まいの自治体の担当窓口か担当ケアマネジャーに条件を聞いておくと良いでしょう。

紙オムツの助成制度を利用する際の注意点

利用する際の注意点

紙オムツの助成制度にも注意点があります。

【注意点1】紙オムツの助成制度は申請制

自宅で紙オムツを使用していたとしても、自動的に費用助成を受けられる訳ではなく、利用者からの申請が必要となります。

また、身体状態や世帯の収入状況が変化する可能性もあるため、1度申請が通った後でも1年ごとに再申請が必要な自治体が多く見られます

毎年助成が受けられるとは限りませんので注意が必要です。

紙オムツを必要とするか否か判断するために、担当のケアマネジャーの意見書を義務付ける自治体もあります。

担当のケアマネジャーにまずは制度の概要について確認しておく事をおすすめします。

【注意点2】購入する場所指定の場合あり

紙オムツ購入費用を助成する方法を取っている自治体の中には「オムツ券」というチケットを交付して助成している所もあります

そのチケットは使用場所が決まっているため、なじみの店舗では使用できない可能性もありますので注意しましょう。

また、ドラッグストアなどでは無料で配送を行ってくれる事もありますが、オムツ券を使える店舗等では配送料がかかってしまう事もあるので、オムツ券を使う時には注意しておくと良いです。

積極的に活用しましょう

紙オムツを始めとした排泄支援用品は毎日使うものであり、再利用もできず費用負担が続きます。

既存の制度が活用できるようであれば、積極的に活用していきましょう

紙オムツの助成制度が利用できないという場合でも、紙オムツの使い方を工夫することで紙オムツの使用量を減らせます。

紙オムツの負担を減らしたいという場合には、担当のケアマネージャーや地域の介護窓口に相談してみましょう。

パット、履くタイプ、テープ型、ひら型タイプ等の紙オムツの組み合わせを見直すだけでも毎月の使用枚数減らせます

紙オムツ代が気になったらまずは相談です。

小さな工夫が、介護費用を大きく軽減させてくれることもあります。(執筆者:老人ホーム施設長 佐々木 政子)