介護保険制度は2000年から開始され、定期的に法改正がなされてきました。

介護保険制度開始当初は存在しなかったさまざまなサービスも創設され、介護が必要な人やその人を支える人の生活を支えてきています。

その中でも、

・ 泊まり
・ 通い
・ 訪問

を1つの事業所から行える「小規模多機能型居宅介護」というサービスは、他の介護保険サービスと異なる性質を持っているため、柔軟に利用できるサービスの1つです。

あまり知られていませんが、1度は検討する価値ありの小規模多機能型居宅介護について紹介します。

小規模多機能型居宅介護の詳しい説明
≪画像元:厚生労働省

介護保険を活用したサービスは、作成された利用計画に基いて提供することが原則です。

デイサービスやショートステイなどの介護サービスは、利用の曜日や日にちがあらかじめ決められていて、その計画書に予定された通りのサービスが提供されています。

そのため、ほとんどの介護サービス事業所は急遽の利用には対応できないことが多く、利用予定にない日程の利用は断られてしまいます

注目ポイント1:急なプラン変更にも対応可能!

「小規模多機能型居宅介護」サービスは、性質上柔軟な対応で、当日急遽利用ができる場合が多い介護サービスです。

また、デイサービスのサービス提供時間などは事業所によって決められているため、基本的にはその時間に利用することになるのですが、その利用時間が長いと感じる方もいます。

デイサービスの利用は、その利用時間の長さがネックになってサービス利用を断念する方もいます。

「小規模多機能型居宅介護」では、施設に慣れるまで半日の利用にするなど時間の調整も可能です。

介護サービスの利用に対して抵抗のある人でも負担を感じにくいサービスであると言えます。

注目ポイント2:通院の支援を行ってくれる

介護サービスを利用している方の多くは持病があり、定期的な通院が欠かせません。

しかし、通院の際に1人で病院に行けず、多くの場合には誰かが付き添う必要があります。

家族など仕事や用事を調整して付添できる方はよいのですが、それが難しい場合には他の人に付添いを頼む必要が出てきます。

訪問介護の利用をしたらよいと思いますが、介護保険を利用した訪問介護では、通院の付添いは認められていません

訪問介護事業所にお願いする場合には、1時間当たり2,000円~3,000円程度請求されてしまいます。

しかし、「小規模多機能型居宅介護」サービスでは、通院の付添いがあると認められる方に関しては、受診付き添いが訪問サービスに含まれます

そのため、自費の支払いをする必要がありません

訪問介護事業所に付添いのヘルパーを依頼して自費を支払っている方や、遠方の介護者が付き添いのために予定を調整しているような場合には、小規模多機能型介護を利用することで時間やお金の節約につながる可能性があります。

通院の付添いに負担を感じている人は、利用を検討してみることをおすすめします。

通院の付き添いをしてくれる

注目ポイント3:介護料金が定額で設定

「小規模多機能型居宅介護」の特にお得なポイントは、介護料金が1か月の定額で設定されていることです。

介護保険サービスのほとんどに1回ごとの利用料金が設定されており、利用した回数が多くなるほど料金が上がります。

また、介護保険が利用できる範囲は介護度によって異なり、それを超えた場合には保険が適用されず、全額自己負担になってしまいます。

介護保険が適用されている場合には、本人の所得によってサービス利用料金の1~3割の負担のみで済みますが、全額自己負担となった場合には10割の負担となってしまうため料金は高額です。

それに対して「小規模多機能型居宅介護」は、

「泊まり」、「通い」、「訪問」サービスを受けた回数にかかわらず、介護サービス利用料金は介護度によって決められているため、介護サービス部分の料金は全て保険が適用

されます。

介護保険サービスの利用頻度が高く、全額自己負担となることが多い方は、「小規模多機能型居宅介護」の利用が利用料金の節約になる可能性がありますので、利用を検討することをおすすめします。

注意点

通いや泊まりにかかる食費や居住費は、介護保険の適用範囲外になるため自己負担です。

そのため、介護費用については事前に確認をしましょう。

慣れた環境で安心価格のサービス

自宅で生活している人の生活リズムはさまざまで、必要なサービスもそれぞれ異なります。

自分の生活に合わせたサービスを受けられることは、自宅で生活し続けたいと考える人にとっての大きな助けとなります。

住み慣れた環境で生活し続けたいと考える人は、「小規模多機能型居宅介護」の利用を検討してみるとよいと言えます。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)