加齢や疾病に伴い日常生活に介護が必要な方は増加しています。

介護が必要な方は、時間が経過するにつれて身体状況や精神状況が変化し、介護が必要な場面が増加することも少なくありません

最初は家族などが協力して介護をしていても、介護場面が増えたり介護者が高齢化することなどによって家族だけで担うことができず、介護サービスの利用を検討する方もいることでしょう。

しかし、一方で、介護サービスを利用するにはお金がかかり、それが家計を圧迫してしまうことから利用を控えるという方もいます

そのような方達の助けになるかもしれない「特別障害者手当」を紹介していきたいと思います。

勘違いしやすい「特別障害者手当」

特別障害者手当とは

特別障害者手当は、精神または身体に重度の障害を持つ方に対してかかる特別な負担を軽減するための手当で、年に4回金銭が支給されます。

介護にかかる金銭的な負担の軽減を図ることを目的としています。

受給金額

物価スライド制が用いられているため受給金額の見直しが行われ、令和2年4月現在の金額は月額2万7,350円と規定されています。

対象者

在宅で生活している20歳以上の特別障害者に対して支給されます。

そのため、施設入所されている方に対しては支給されません

また、支給を受ける前年度に、特別障害者自身やその配偶者・特別障害者の扶養義務者に一定以上の所得がある場合には、特別障害者手当の支給を受けられなくなるため、注意が必要です。

加えて、病院や介護老人保健施設に3か月以上の入院または入所している場合は、その間の手当は支給されません。

参照:厚生労働省

特別障害者手当の受給条件のポイント

次は、特別障害者手当の受給条件で覚えておきたいポイントを紹介しましょう。

ポイント(1) 障害者手帳を持っていなくても受給は可能

障害者手帳を持っていなくても

「特別障害者手当」と聞いて、障害者手帳を所有している人でなければ受給できないと誤解されている方が少なくありません。

しかし、特別障害者手当の受給要件には障害者手帳所有の有無はうたわれておらず、障害者手帳がなくても特別障害者手当の受給を受けられる可能性があります

受給の可否は医師による診断書の内容を確認したうえで判断されます。

そのため、障害者手帳を所持していてもその障害が「著しく重度」であると認定されなければ、特別障害者手当は受給できません

反対に、

障害者手帳を所持していなくても認知症が重度であったり、介護度が要介護4、5の重度と認定されている場合には特別障害者手当を受給できる可能性がある

ということを覚えておきましょう。

ポイント(2) 施設に居住していても受給が可能な場合がある

特別障害者手当を受給する要件には「在宅で生活していること」と定められています。

そのため、入所型施設である「特別養護老人ホーム」等に入所している方は特別障害者手当を受給できません。

しかし、居住場所が自宅ではなかったとしても、

「住宅型有料老人ホーム」など種別が「在宅」として扱われているいくつかのの施設で生活している場合には特別障害者手当を受給できる

のです。

居住場所が施設であったとしても、法律上は入所型の施設とみなされていない場合には特別障害者手当を受給できるということを覚えておきましょう。

そして、少しでも受給できる可能性があると思われる際には、施設の種別をその施設の相談員などに確認したうえで市町村の担当者に申請の相談をしてみましょう。

市町村役場等の担当者に確認してみる

特別障害者手当は、その名称から障害者認定をされている方のみの制度と誤解されてしまう傾向にある、高齢者の介護をしている方にあまり認知されていない制度の1つです。

加えて、日本の福祉制度は自己申告が基本であり、申請をしなければ制度に該当していてもその恩恵を受けられません

今回、条件に当てはまるかもしれないと感じた方は、市町村役場等の担当者に問い合わせ、申請をしてみることをおすすめします。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)