高齢者の方が要介護状態になる原因はさまざまですが、2019年度国民生活基礎調査によると、介護が必要となった原因の3~4割は、脳卒中や骨折・転倒が原因である事が明らかになっています。

脳卒中や骨折などを発症すると多くの人は病院に入院して治療や手術を受け、通常はその後、退院となります。

しかし、入院が原因で筋力が落ちたり、発症した疾病が原因で元の状態にまで改善せず、自宅での生活が困難になる高齢者の方は少なくありません。

病院の入院期間は昔よりも短くなっているため、継続して入院をしてリハビリを受けたいと希望してもその要望はかなえられない事が増えています。

そんな時に検討してほしいのが

「リハビリを継続して、自宅で安心して生活できるようにしたい」

という希望を叶えられる介護老人保健施設です。

今回は、介護老人保健施設を利用する3つのメリットについて紹介していきます。

介護老人保健施設のメリット3つ

1. 専門家によるリハビリを受けられる

まず1つ目のメリットは、専門家によるリハビリを受けられるという事です。

介護老人保健施設には

・ 作業療法士(OT)

・ 理学療法士(PT)

・ 言語聴覚士(ST)

などが配置されているため、その方の心身の状況に合わせたリハビリを行う事が可能です。

専門家によるリハビリを受け、安心して自宅に戻れます。

介護老人保健施設でリハビリを受ける利用者

2. 医療的ケアが必要な人も利用できる

2つ目のメリットは、高齢者施設でありながら、医療的ケアが必要な人も利用できるという事です。

現代日本は高齢化が進行していることに伴い、高齢者の方が入居できるタイプの施設も増加しています。

しかし、インシュリン注射や褥瘡(床ずれ、寝だこ)の処置などをはじめとした「医療的ケア」が必要な方が入居できる施設は、まだまだ少ないのが現状です。

介護老人保健施設は昼夜とも看護師が勤務しているため、医療的ケアが必要な方も入居する事が可能な施設です。

また、医師が1人以上常勤である事も、介護老人保健施設は医療体制が整っている施設であると言えるでしょう。

医療的ケアが必要な人も利用ができるという事は、介護老人保健施設を利用する大きなメリットといえるのです。

3. 基本的に受診が必要なく、医療費や薬剤費も施設が負担

3つ目のメリットは、基本的に受診が必要なく、医療費や薬剤費を施設が負担してくれるという事です。

介護老人保健施設に入居している方は、その施設の常勤医師が主治医となり、定期的に診察や内服薬の処方をしてくれるため、基本的に施設外の医療機関に受診する必要はありません。

また、施設の常勤医師の診察のもとに処方される薬や、その薬を処方するために必要な診察費用については、介護老人保健施設の利用料に包括されており、別途で支払う必要もないため、医療費の節約につながります。

日常生活に介護が必要な方は1人で医療機関を受診する事が困難な方も多く、家族などの介護者は、自分の時間を調整して受診の付き添いをする必要があります。

介護と仕事を両立している人は受診の付き添いのために仕事を休まなければならず、大きな負担となってしまいます。

介護老人保健施設に入居している時は、基本的に施設にそれらを任せられるため、介護者の身体的負担、金銭的負担軽減にもつながっています。

介護老人保健施設では医師の診察も受けられる

覚えておきたい注意点

施設利用中に注意しておく点があります。

介護老人保健施設に入居中は、それ以外の医療機関にかかっても、その方の健康保険を使用できません

他院を受診した場合は、1度医療費を全額その医療機関に支払い、後日介護老人保健施設から還付を受けます。

他院を受診したい場合には、必ず施設にいる支援相談員などに相談してから受診する必要があるという点を覚えておくと良いでしょう。

充実したリハビリで、帰宅後の生活に備える

介護老人保健施設は、介護保険を活用できる施設の中でも比較的医療体制が充実している施設です。

リハビリも充実しているため、心身機能の維持向上を目的とした施設を探している人にとっては理想の施設と言えるでしょう。

リハビリを集中して行い、安心して自宅での生活に戻りたいと考えている方は、ぜひ利用を検討をおすすめします。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)