日常生活に介護が必要となった時、それを専門家に任せたいと希望する場合、施設に入居して介護を受けるという選択をする方も多くいます。

施設に入居する事を選択した時に気になるポイントは、第一に利用料金の支払いについて、なるべくその支出を抑えたいという点です。

今回は、施設の利用料金の支払いが負担になっている、または入居したい施設は決まっていても施設利用料が高いと考えている方に、介護費用削減につながるポイントについてご紹介します。

介護「施設利用料」は抑えられる

【削減ポイント1】公的な減額制度が利用できるか確認

まず最初に行ってほしい事は、公的な減額制度が利用できるか確認する事です。

「介護保険負担限度額認定制度」「高額介護サービス費」などです。

一例として挙げられる減額制度としては、一定の基準を満たした方は食費や居住費が減額となる「介護保険負担限度額認定制度」という制度や、申請によって一定の基準を超えて支払った介護費用の還付が受けられる「高額介護サービス費」などの制度があります。

公的な減額制度は、利用者自身がその制度の利用を申請する事で初めて利用ができるようになるため、対象である事を知らない方も多いです。

申請期限を過ぎてしまった場合には、期間をさかのぼっての申請は受け付けられず、減額や還付の対象であったとしてもそれらの恩恵を受ける事ができなくなってしまうので注意が必要です。

介護を受けている方が家族の中にいる場合は、自分が対象となるかどうかを必ず確認するようにしましょう。

申請自体は市役所等に行う必要があります。

しかし、制度の概要や対象となるか否かなどについては、担当のケアマネージャーや施設に配置されている相談員などに尋ねる事で分かる場合もあります。

市役所等に出向く前に1度相談をしてみる事をおすすめします。

参照:厚生労働省(pdf)

【削減ポイント2】オプションサービスや実費負担の内容を見直す

高齢者の方が入居して生活できる施設は数多くありますが、施設の種別によってサービス内容は異なります。

「有料老人ホーム」などの施設は、比較的利用者の希望する頻度に合わせて支援を行う事が可能ですが、規定の回数以上の支援を受けた場合には「オプション」として別料金が発生している事もあります

1回当たりのオプション料金は少なくても、その回数が重なれば費用はかさんでしまい、負担は大きくなってしまいます。

同じように実費での負担となっている介護用品の内容を見直す事で介護施設の利用料を減らす事につながる場合もあります。

オプションサービスと同じく、施設の種別によって実費負担の介護用品は異なります。

その一例として挙げられる介護用品の1つが「排泄関連用品」です。

排泄が自力で困難となった時に使用される排泄用品としては「紙おむつ」や「パット」などがあります。

これらは有料老人ホームや認知症対応型共同生活介護(グループホーム)などでは利用者が料金を負担する必要があります

依頼をすれば準備してもらえる施設もありますが、一般的にその費用は市販の商品より割高になってしまう事がほとんどであるため

「基本料金に含んでもらえる介護用品は何なのか」

「施設で用意してもらった場合はいくらかかるのか」

といった事項は必ず確認しておく事が大切です。

実費がかかってしまう介護用品について、自分たちが購入して持参できる場合には自分たちで用意する事で利用料金を抑えられる場合もあります

【削減ポイント3】施設の住み替えを考える

施設の住み替えを考える

入居した当初はその施設が提供している基本サービスで日常生活を送れていたとしても、加齢や疾病などが原因でオプションサービスを使わざるを得ない状況が発生する事も少なくありません。

そのような事態が生じた時には利用料を抑えるために、思い切って施設の住み替えを考える事も1つの手段です。

高齢者の方が生活する施設は、その種別によって重視するポイントが異なります。

そのため、現在生活している施設ではオプションサービスとして提供されていたサービスであったとしても、その他の種別の施設では基本サービスとして包括されている場合もあります。

住み慣れた施設であればあるほど、住み替える事に不安や抵抗を感じる方は多いものです。

施設の住み替えを検討するのであれば、住み替え先の候補として考えている施設の情報をできるだけ集め、ミスマッチを防ぐようにする事が大切です。

現在入居している施設に相談する事をはじめ、インターネットによる情報収集や実際の施設内の見学などを行う事で不安の解消に努めると良いでしょう。

参照:厚生労働省

双方の生活を守るために先手の介護を検討しよう

利用料金の支払いはその施設を利用する限り続いていきます。

その支払いは、本人の収入や預貯金を使用しても行う事ができなければ、家族をはじめとした他の方が負担する事になります

いかにその施設が良い施設であったとしても、その支払いで他の家族などの生活が圧迫されてしまう事は問題と言えます。

双方の生活を守るために、常に新しい情報などを集め先手先手の介護を検討していきましょう。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)