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【老後の資産形成】マネープラン(長期的な支出スケジュール表)の立て方、対応策を考える

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【老後の資産形成】マネープラン(長期的な支出スケジュール表)の立て方、対応策を考える

「老後のために資金形成が必要」といわれても、いくら必要なのかわからず、漠然とした不安や焦りを抱えている人も多いのではないでしょうか。

そんなときは、マネープランをたてて、老後生活をシミュレーションしてみることをおすすめします。

マネープランとは、長期的な支出スケジュール表

マネープランを作るためには、まず目指す将来像を書き出してみましょう

今が、20~30代なら、「結婚・出産・住宅購入」などを、いつくらいまでにしたいかといった内容になるでしょう。

今が、40~50代の場合は、「教育費・養育費が終わる年」や「住宅ローンが終わる年月」が重要項目です。

老後の資産形成

(1) 老後の生活費は、いくら必要なのか

老後の定義は人によってさまざまです。

マネープランをたてる場合は「公的年金の受給が始まる65歳」をボーダーラインにするとわかりやすくなります。

いつまで続くかは誰にもわかりませんが、ここでは平均寿命よりやや長生きすると仮定して「25年間」で計算します。

健康に自信があるのなら、さらに長くしてもいいでしょう。

今の生活費をベースに計算する

老後生活費の目安は、一般的に現役時代の7割程度といわれています。

しかし、

・ 外食費が減ったぶん家での食材費用が増える

・ 通勤費用が減ったぶん趣味の交通費が増える

・ 子どもの食費が減ったぶん孫への出費が増える

など、何かが減っても何かが増え、結局大差ないという人もいます

ただし、退職目前まで単身赴任だった人や社宅住まいだった人、Uターン・Iターンをする予定などで住環境が変わる人は、一時的な出費があると同時に生活費も大きく変化します。

特に、海外への移住を検討している人は、現地での生活費用などを調べておく必要があります

支払いが終わるものを確認しておく

子どもの学費や習い事費用などは、子どもの成長とともに終わります。

また、住宅ローンにも終わりが来ます

負担額はいくらなのか、いつ終わるのか、その時に自分は何歳なのか、あらためて確認しておきましょう

子育てを卒業し、住宅ローンも終了した後は、大きな生命保険も不要です。

死亡保障から介護保障を重視した保険に見直して、保険料減額を図りましょう

退職後に始まる出費もある

退職後に変化するもので忘れがちなものは、健康保険料です。

会社勤めの人は、一般的に給与天引きで健康保険料を納めています。

退職後は、国民健康保険に加入します

任意ですが、年齢を重ねるにつれ病院にかかる可能性が高まることを考えると、加入しておくほうが安心です。

健康保険料の計算方法や料率は、市区町村によって異なります。

扶養配偶者がいる場合は、配偶者も別途国民健康保険に加入し、健康保険料・介護保険料を負担しなければなりません

国民健康保険には扶養の概念がないため、注意が必要です。

老後の収入は、いくらもらえるのか

老後の主な収入源は、公的年金です。

自営業・フリーランスの人は国民年金から「老齢基礎年金」、会社員や公務員は「老齢基礎年金」に加え、厚生年金から「老齢厚生年金」を受け取れます。

年金手帳

(2) 公的年金額を確認する

老齢基礎年金額は、次の計算式で求めることができます。

受給額=年金額(満額)78万1,700円 × 保険料納付月 ÷ 480か月(40年)

※年金額は毎年変動します。2021年2月時点の年金額です。

※免除期間は、免除割合に応じて加算されます。

40年間、欠かさずに年金保険料を納めると満額で受給でき、未納があるぶん減額される仕組みです。

老齢厚生年金は、収入と加入期間によって異なります。

老齢基礎・厚生年金ともに、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で受給額(見込額)を確認できます。

平均額ではなく、自分が受け取る金額を知ることが重要です。

参照:日本年金ネット日本年金機構

(3) 公的年金以外の収入を確認する

退職金を老後資金として考えている人は多いでしょう。

中には退職金制度のない会社もありますので、制度の有無や計算方法などを就業規則で確認しておきましょう。

また、企業年金や財形貯蓄制度を利用している場合も、退職時のおおよその金額を確認しておきましょう

生命保険の養老保険や個人年金保険、銀行の定期預金など、老後資金として準備しているものがあれば、受け取るタイミングと金額を書き出しておきます

老後のための準備金はいくら必要なのか

ここからは、書き出した金額をもとに計算をしていきます。

公的年金で、老後生活費は賄えるかどうかを計算する

まずは、月あたりの過不足金額を把握しておきましょう。

【B】老後収入(公的年金額 ÷ 12か月)-【A】老後生活費(現在の生活費から老後不要分を抜いた月額)=月あたりの過不足金額

月あたりの過不足金額 × 12か月 × 25年=「【D】公的年金では足りない分」

確保できている資金で、足りない分をカバーできるか計算する

公的年金以外に確保できている資金を合計しましょう

企業年金や個人年金などは、年金額 × 回数でおおよその金額を出します。

【C】公的年金以外の収入-【D】公的年金では足りない分=【E】最終的な過不足金額

最終的な過不足金額がマイナスになった人は、「今の備えでは老後生活費が足りない」ということです。

【E】最終的な過不足金額 ÷ 300(25年 × 12か月)=毎月の赤字額

毎月の赤字額が、節約や生活の見直しで補える範囲を超えている場合は、老後資金形成が必要です。

どのように老後資金を形成するか

老後資金形成に「もう遅い」はありません。

今すぐにでもはじめられる方法を、いくつか紹介します。

今からでも老後資金は増やせる

先取り貯蓄

教育費負担が重く、大きな額を貯蓄することが難しい世代は、無理のない金額を先取り貯蓄する方法がおすすめです。

金融機関の自動積立や自動入金サービスを利用して、毎月定額貯蓄をおこなう方法が簡単です。

生活口座にあると使ってしまうという人も、自動で見えない場所に積み立てられることで、自然と貯蓄ができるというわけです。

いつでも金額設定を変更できるため、教育費用の負担が減ったら、そのぶん貯蓄額を増やせます

企業の財形貯蓄も、給与天引きで先取り貯蓄ができる有効な手段です。

投資する場合は、節税を意識する

資金形成には、株式取引などの投資も有効な手段です。

しかし、元本保証がなく、必ずしも増えるとは限らない点に注意が必要です。

リスクを十分に理解したうえで投資をおこなう場合は、NISA・つみたてNISA口座を利用すると節税効果が高く、低コストで効率のよい資産形成が期待できます。

公的年金を増やすこともできる

公的年金の受取額を増やす方法を考えるのもいいでしょう。

iDeCoでは、掛金全額所得税控除・運用利益非課税・受取時税制優遇など大きな節税効果を得ながら、将来の年金額を増やすことができます。

ただし、投資を利用するもので、必ずしも期待通りに増えるとは限らない点に注意が必要です。

また、年金受給タイミングを遅らせることで年金額を増やすことも可能です。

通常65歳から受給が始まりますが、66~70歳の任意のタイミングまで受給を繰り下げることができます

この場合、年金額は繰下げ月1か月につき0.7%ずつ増額されます。

70歳0か月で受給した場合、65歳時の受給額より42%も増やすことができ、その額が一生涯続きます。


労働を続ける

年金を繰り下げ受給する場合は、その間労働を続けることでさらに増資が見込めます

健康状態がゆるすのなら、給与と刺激を受け取れる有効な手段といえるでしょう。

マネープランをたてることで、日々の生活も見直せる

今から、老後まで、何年残っていますか。

マネープランをたてることによって、

・ いくら足りないのか

・ どのくらいの期間で準備するのか

・ そのためにはどのような方法が合っているのか

見えてきたのではないでしょうか。

また、あらゆる金額を書き出したことで、日々の生活を見直すこともできたことと思います。

ゆとりある老後のために、今からすこしずつ「余裕」のつみたてをはじめましょう。(執筆者:仲村 希)

《仲村 希》
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仲村 希

仲村 希

国内大手保険会社にて生命保険募集人と損害保険代理店を兼務、外資大手生命保険会社では顧客相談室クレーム対応係に着任。たくさんのお客様のお話をうかがって、保険に対する誤解が根深いことを痛感しました。退職後は「保険ってわからない。めんどうくさい」を少しでも解消できればと、保険記事の執筆を開始。ファイナンシャルプランニング2級技能士。 寄稿者にメッセージを送る

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