加齢や疾病に伴い日常生活に支援が必要となった場合には、家族で介護を担う方もいますがさまざまな事情からまずは介護保険サービスを利用したいと考えます。

しかし要介護度や家庭環境等により、同じサービスでも保険が適用されない場合もある事があります。

今回は介護保険が適用されない「自費サービス」の種類や保険適用の条件についてご紹介します。

地域が行っている 「自費サービス」に注目

介護ベッドレンタル(特殊寝台貸与)

加齢や疾病によりベッドや布団から寝起きをする事が難しくなった方で、まず考えるのは介護用ベッドの導入です。

介護用ベッドは頭や足の部分の角度を変えたり、ベッドの高さを変える事ができるため、身体機能が落ちた方には非常に便利な品物となっています。

介護ベッドは機能にもよりますが、価格は数万円から数十万円と高価な物のため購入するのは経済的に負担が大きいものです。

そのため、介護ベッドは介護保険サービスの「福祉用具貸与」の品目として設定されており、月額数千円程度でレンタルする事が可能となっています。

しかし、福祉用具貸与サービスで介護ベッドをレンタルできるのは、原則要介護2から要介護5の方に限定され、それより軽い介護度の方は介護保険を適用してのレンタルはできません。

でも安心してください。

そこで利用したいのが、自費でのレンタルです。

軽度の介護度の方に対して自費でのレンタル

福祉用具事業者によっては、要介護2より軽度の介護度の方に対して自費でのレンタルを行っている会社もあるのです。

ただし、軽度者向けの介護ベッドは高さを変える機能がついていなかったり、ベッドのサイドレールとして借りられる種類が少ないなど、介護保険を適用させたベッドよりも制約が多くなります

介護保険を適用せず自費でベッドを借りる際の条件として「要介護認定を申請している事」などを設定している事業所もあります。

また、自費でベッドを借りる場合、値段は福祉用具事業者ごとに異なり、月額数千円~1万円程と幅広く設定されているため事前に確認する事が大切です。

担当のケアマネージャーがいる場合は、相談をしてから借りると良いでしょう。

フランスベッド 介護レンタル
≪画像元:介護レンタル.com

自宅内の清掃(訪問介護)

高齢になってくると、身体状況によっては自宅内の清掃が自分で行う事ができなくなる方は少なくありません。

その際にご本人以外にそれを担える方がいない場合は、介護保険サービスの訪問介護による清掃の支援を受ける事が可能です。

料金は20分から45分は1回およそ190円、45分以上は1回およそ230円程度です。

介護保険が適用できればさほど大きな金額とはならず、自宅で生活する人の強い味方と言えます。

しかし、訪問介護サービスで行う事ができる自宅内の清掃は、介護を必要としている方が生活している範囲に限定されているため注意が必要です。

介護が必要な方が使用するトイレや自室などは清掃が可能ですが、普段調理をする事がなく、家族のみしか使用しない台所などの清掃は介護保険を適用して行う事はできません

また、健康状態に問題なく清掃を担える家族の方がいる場合にも同様に、介護保険を適用した訪問介護サービスを受ける事はできません。

清掃を担える方がいても清掃の支援を行ってもらいたいと希望する場合には、訪問介護サービスによる清掃を依頼するのではなく、自費サービスを利用する事となります。

訪問介護事業所に自費で依頼をする場合には、先に述べた金額のおよそ10倍の値段を設定している事業所が多いですが、再度その事業所に確認すると良いでしょう。

「シルバー人材センター」の利用も視野に

それよりも安い金額で清掃等を担ってくれる可能性があるサービスとしては「シルバー人材センター」などが挙げられます。

シルバー人材センターでは、仕事をリタイヤした高齢者の方がそれぞれの特技を生かして仕事を請け負っています。

1時間当たり1,000円程度で自宅内の清掃も請け負っている事が多いため、訪問介護事業所に自費でサービスを依頼するよりも料金の節約になります。

自宅内の清掃でお困りの方は、利用を検討してみると良いでしょう。

地域が行っているサービスにも目を向けよう

介護保険制度は万能ではなく、介護を必要としている人のニーズすべてに応えられるものではありません。

しかし、介護保険外の自費サービスを利用する事でそのニーズを充足できる場合もあります。

介護保険サービスと自費サービスを上手に組み合わせ、活用していく事で生活を豊かにする事が可能です。

介護=介護保険という考えを少し崩して、地域が行っている小さなサービスにも目を向けてみましょう。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)