現代日本は高齢化により、介護が必要な方が急増しています。その中には介護だけではなく医療行為が必要な方も多くいるのですが「入院等をせずに住み慣れた地域で住み続けたい」と自宅で生活することを選択する方も少なくありません。

このようなニーズに応えてくれる「看護小規模多機能型居宅介護」というサービスがあります。

今回は、医療行為が必要で柔軟な介護サービスを希望されている方におすすめの「看護小規模多機能型居宅介護サービス」の内容と活用するメリットについて紹介していきましょう。

「看護小規模多機能型居宅介護」とは

看護小規模多機能型居宅介護」とは、施設に通ってスタッフからの支援を受ける「通い」を中心に自宅にスタッフが訪問して支援を行う「訪問」、施設に宿泊してスタッフから支援を受ける「泊まり」を1つの事業所のスタッフで完結する「小規模多機能型居宅介護」のサービスに加えて「訪問看護」を提供できるサービスのことを指します。

訪問看護サービスとは、医療行為の必要な方のお宅に訪問し、医師の指示書に基づいた医療行為を看護師が行うことを言います。

これらすべてのサービスを同一事業所から受けられるサービスが、看護小規模多機能型居宅介護です。

看護小規模多機能型居宅介護

「看護小規模多機能型居宅介護サービス」利用のメリット

次に、「看護小規模多機能型居宅介護サービス」を利用する2つのメリットを挙げます。

1. なじみのスタッフから必要なサービスを受けられる

「看護小規模多機能型居宅介護」では、通い・泊まり・訪問看護が同じ事業所から提供され、同じスタッフからサービスを受けられます

同じ事業所でサービスを提供する場合であったとしても、通常の施設の場合には泊まり・訪問・通いの担当スタッフはそれぞれがバラバラであり、なじみの関係を築くには時間がかかってしまいます。

特に、認知症の方の場合には慣れない環境や人に抵抗感を示すことは少なくなく、利用するサービスによってスタッフが変化することは利用する本人にとってデメリットです。

「看護小規模多機能型居宅介護」の場合には、提供するサービスすべてに対して同じスタッフが関わることになるため、そのデメリットを解消できるのです。

「小規模多機能型居宅介護」においてもその面では同じですが、「小規模多機能型居宅介護」の場合には訪問看護サービスは付帯していません

自宅において医療行為が必要な場合には別に訪問看護サービスとの契約が必要となり、新たな人間関係を構築する必要が出てきます。

「看護小規模多機能型居宅介護サービス」はその点も補うことができ、より一層密な人間関係が築きやすいと言えるサービスです。

なじみのスタッフから必要なサービスを受けられることは、「看護小規模多機能型居宅介護サービス」を利用する大きなメリットだと言えることでしょう。

2. 介護料金が定額制

介護保険サービスの多くは、利用した回数が多ければ多いほど利用料金が高くなるという性質を持っています。

また、介護保険サービスにおいて保険適用となる金額は要介護度によって上限が決められているので、それを超えてサービスを利用した場合にはすべて実費として請求されてしまいます。

さまざまなサービスを組み合わせて利用する必要があったとしても、利用回数を削らざるを得ない状況に置かれている人も少なくありません。

「看護小規模多機能型居宅介護サービス」は、介護料金は要介護度によって決定されていて、その事業所から提供されるサービスについては回数に関わらず定額制です。

要介護度によって設定されている料金は、おおむね1万5,000円~3万5,000円(負担割合が1割の場合)であり、要介護度が高くなればなるほど料金は上がっていきます。

要介護度が軽度であり、居宅サービスを組み合わせるだけでは実費が出てしまう方などにとっては特に、定額制で利用できる「看護小規模多機能型居宅介護サービス」はメリットが大きいサービスだと言えるでしょう。

ただし、通いや泊まりなどを利用する場合には「食費」や「居住費(家賃)」が利用した回数に応じて請求されます。

食費は1回あたり500円~800円程度、居住費は1日あたり2,000円程度かかるので注意が必要です。

利用料金が定額制であることは、「看護小規模多機能型居宅介護」を利用するメリットだと言えます。

利用料金の一例

利用料金の一例

柔軟なサービス提供が可能

近年では、医療が必要であったとしても即入院という選択にはならずに、住み慣れた地域で最期まで住み続けることを希望される方も増えてきました。

このような要望に応えるために生み出された「看護小規模多機能型居宅介護サービス」は柔軟なサービス提供が可能なサービスだと言えます。

住み慣れた自宅で生活し続けたいと希望されている方やその希望を応援したいと考えているご家族の方には、利用を検討してみることをおすすめします。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)