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「薬剤費」を減らしたい 見直すべき行動3選

シニア 介護
「薬剤費」を減らしたい 見直すべき行動3選

高齢になり介護が必要になる方は、そうでない方と比較して何かしらの病気を発症していたり、過去に発症していたことがある可能性が高いです。

また、その疾病を治療または悪化防止のために薬剤を使用しているという場合もあります。

毎日使用する物である薬剤費は、1回の負担は小さくても長い期間負担しなければならないため、上手に節約していきたいお金の1つと言えます。

今回は薬剤費を減らすために見直すべき行動をご紹介します。

薬剤費を減らす方法

その1:薬剤の一包化処方

まず初めに見直すべき行動は、薬剤の一包化を依頼する事です。

加齢や疾病に伴い、高齢者は若い頃よりも薬を飲む機会が増えます。

疾病の内容によっては多くの薬を食事に併せて飲む必要があり、管理する事に負担を感じたり、飲み忘れという心配もあります。

そんな方の強い味方であるサービスの1つに「薬剤の一包化」というサービスがあります。

薬剤の一包化サービスは、薬を飲む日付や患者の名前、飲むタイミングなどを印字した袋の中に、飲まなければいけない薬を全てまとめてくれるサービスの事です。

このサービスを受ける事によって薬の飲み忘れや飲み間違いなどを防ぐ事につながります。

しかし薬局で依頼する場合は、薬の代金とは別に「一包化加算」が算定される事となります。

一包化加算の料金は、処方される薬の日数によって異なります。

例えば、月1回受診して、28日分の薬をもらう場合には、薬の代金とは別に一包化加算が約150円(医療費負担割合1割の場合)別途加算されます。

薬の仕分けは手間がかかる作業ですが、余分なお金を支払いたくないと感じる場合は、家族の方等がその役割を担う事で、薬剤費の節約につながると言えます。

その2:塗り薬の混合処方

次に見直すべき行動は、塗り薬の混合処方です。

年齢を重ねる事によって発症する病気の対象となる診療科は、内科や外科だけではありません。

加齢に伴いかかる事が多くなる診療科の1つとして「皮膚科」が挙げられます。

皮膚科の対象となる疾病は数多くあり、治療方法として塗り薬が処方される場合もあります。

その際、疾病の内容によっては複数の塗り薬が処方される事があります。

しかし認知症の方などで記憶を保持する事が困難な場合はどの薬剤を塗布したか分からなくなってしまう事もあります

薬の混乱を防ぐために、薬剤師が複数の塗り薬をあらかじめ混ぜあわせて処方する「混合処方」という方法があります。

しかし、混合処方を受ける場合は「調剤加算」が算定されるため、費用負担が増加する事となります。

軟膏を混ぜるための調剤加算は、1つの調剤ごとに約80円(医療費負担割合1割の場合)別途加算される事となります。

塗り薬の混合処方を依頼せず順番に塗布する事を意識する事で、調剤加算は節約する事が可能なお金です。

塗布薬を処方された際は、塗布する順番を確認し、適切に使用できるように意識しましょう。

ただし、病状によっては医師が薬剤を混合して処方するよう処方箋に記載してある場合もあります。

その場合については患者さんの意思にかかわらず薬剤は混合されての処方となる事も覚えておきましょう。

その3:複数の薬局で薬の処方を受ける

お薬手帳など

最後に挙げる見直すべき行動は、複数の薬局で薬の処方を受けるという事です。

病院に受診し、内服薬や軟膏等が必要と判断された場合、処方してもらう事が必要です。

受診した病院の院内で薬を処方できる場合もありますが、院内処方が行われていない場合は医師から処方箋を出してもらい、薬局に薬を受け取りに行く必要があります。

その際に注意しておきたいのが薬の処方を受ける薬局です。

同じ薬剤を処方してもらう場合でも、薬局が立っている場所やその薬局が月ごとに受け付ける処方箋の受付回数、特定の医療機関からの処方箋が集中する割合などによって「調剤基本料」が異なります。

処方箋の受付回数が多く、かつ特定の医療機関からの処方箋の集中率が一定の基準以上となった場合には、調剤基本料は下がっていくため、患者の負担金額も下がります

また、特定の医療機関と薬局が土地貸借関係にある場合などは、さらに調剤基本料が下がるのです。

調剤基本料は処方を受けるごとに16円から42円(医療費負担割合1割の場合)の自己負担が発生します。

1度につき数十円という少ない自己負担と思われますが、異なる診療科から月に複数回処方を受ける人などにとっては無視できない金額と言えるでしょう。

ただし、調剤基本料が低くなったとしてもジェネリック医薬品を一定割合以上調剤しており、ジェネリック医薬品の調剤を積極的に行っている事を明示している事で算定できる「後発医薬品調剤体制加算」を算定していたり、休日や夜間、時間外などの調剤を行っている薬局で時間外に処方を受けたりした場合には、割増の料金がかかるので注意が必要です。

また、「おくすり手帳」を持参して3か月以内に同じ薬局で薬の処方を受けた場合は「薬剤服用歴管理指導料」と呼ばれる加算も少し減らす事ができるため節約につなげることができます。

さまざまな薬局で薬を処方してもらう事は楽に感じるかもしれませんが、節約の面から言えば無駄な出費が増えてしまいかねない行為であると言えます。

複数の薬局で薬の処方を受ける行為は控える事をおすすめします。

処方してもらう方法を見直す

薬の値段は、ジェネリック薬品か否かによって価格の差はあるものの、薬価という形で費用が決められています。

薬自体の値段を下げる事ができないのであれば、それを処方してもらう方法を見直す事で、節約につなげる事ができるのです。

薬は1度使用し始めると生涯使用しなければならない種類のものもあります。

薬剤費を上手に節約するためのコツともいえます。

毎回薬代が高いなと感じたら、自分にあった処方を見直してみましょう。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)

《佐々木 政子》
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執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子 佐々木 政子

ケアマネージャーを7年経験して、現在は現役で老人ホームの施設長を務める介護のプロです。女性ならではの目線も入れながら、介護に悩み困り不安を持つ皆さまにお役立ち情報を提供していきたいと思います。我が家の親も要介護者です。同じ目線で不安と戦っていきましょう! 寄稿者にメッセージを送る

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