2025年には65歳以上の高齢者の認知症は約2割、2060年には約3割になると予測されています。

今後の認知症高齢者の増加への対策として、無資格の介護従事者には認知症の講習を義務付けるという国の動きが始まっています。それほど認知症については注視されているのです。

「家族が認知症になっても住み慣れた故郷で暮らしたい」

「認知症の高齢者を介護してるけど、どこの施設が良いかわからない」

という時に検討すべきなのが、今回紹介する「グループホーム(認知症対応型共同生活介護)」です。

「グループホーム(認知症対応型共同生活介護)」とは

まず、グループホームを利用できるのは、原則として65歳以上の高齢者で要支援2~要介護5の認知症と診断された方です。合わせて、施設と同一地域に住民票のある方が利用できます。

その他、施設によって設定されている基準があるので施設に確認しましょう。
 
実際の介護は、1ユニット最大9名の利用者で生活するという小規模な介護施設で、認知症の専門知識のある職員が在籍する認知症専門の介護施設です。

生活保護の方でも法律に準ずる施設であれば利用が可能ですので、住んでいる自治体に確認しておきましょう。

初期費用を払えば定額で利用が可能

入居する際にかかる初期費用は、賃貸住宅の敷金をイメージするとよいことでしょう。退居時に必要費用が差し引かれて残りは返金されます

毎月の介護サービス費やその他に日常生活費、雑費がかかります

介護サービス費は毎月定額ですが、本人の介護度によって決められます。

利用者の負担は所得に応じて1~3割負担になるので、担当ケアマネジャーや住んでいる自治体に確認しましょう。

グループホームの利用者負担
≪画像元:厚生労働省

認知症の進行の予防が期待できる

何よりも認知症の症状が進行しないか心配な家族は多いものです。

グループホームでは人員体制が整っているため、より細やかなケアを受けられます。利用者が3人につき職員が1人いなければならないという人員基準があるのです。

たとえば、利用者が9人いたら職員が3人です。

職員がサポートをしながら料理や洗濯をするなどといった家事全般の生活リハビリテーションやさまざまなレクリエーション、身体面での機能訓練が充実しています。

参照:厚生労働省「認知症グループホームの強みを活かして!(pdf)

認知症だから何もさせないのではなく、入居者の持っている能力をスタッフがしっかりと専門的に見極め個々に応じて活かしていきます。

このような日常生活が入居者の生きがい、やりがいになり認知症の進行を遅らせることにつながります。

また、認知機能が改善され、介護度が軽くなるというケースもあります。介護度が軽くなると月額費用が安くなります

グループホームで使える助成制度

低所得の入居者に対して施設サービスの食費や住居費の一部が支給される「特定入所者介護サービス費」は、介護保険法が根拠法の特別養護老人ホームや介護老人保健施設で適用されますが、老人福祉法が根拠法のグループホームには適用されません

しかし、「高額介護サービス費制度」は適用可能です。

介護保険サービス費を対象に、

高額な介護費を支払った際、あらかじめ定められた上限額を超えた場合に入居者の所得に応じて負担額が軽減

されます。

「高額介護サービス費制度」の負担限度額が令和3年8月から変更になっていますので、既にご存じの方にも再度確認されることをおすすめします。

高額介護サービス費の負担限度額が見直し

在宅介護よりも負担が軽減される

グループホームでは入居者の認知症が進行しないよう、その人らしくどう生きるかをスタッフは大事にしています。

認知症の家族を介護している方、家族が認知症なったらどうしようと心配な方は、グループホームへの入所を検討してみましょう。

1日中目が離せないという場合には、在宅介護を続けるよりも費用面、介護者の心身面で軽減されることもあります。

小規模でアットホームであるグループホームの雰囲気も安心につながることでしょう。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)