家族の介護をしていると、介護にかかるお金に敏感になる方が多いのではないでしょうか。
または自分に介護が必要になった時の資金をどうするか不安になってくるのではないでしょうか。
そんな不安を少しでも軽くしていくために、介護資金を確保していく方法を見ていきましょう。
目次
受け取れる年金額を増やそう
フリーランスや自営業の方は、国民年金に入っています。
将来受けとる年金を増やそうとすると、公的制度では、国民年金基金があります。
これは、会社員の厚生年金にあたる制度で、任意の金額を毎月掛金として積み立て、将来国民年金とともに受け取ることができます。
選択した給付の型や加入口数などによって掛金の月額が決まりますが、掛金の上限は月額6万8,000円と決まっています。口数を増減することもできます。
国民年金基金は、専業主婦の方も入れます。
夫が自営業、妻が専業主婦であれば、夫婦で国民年金に加入していると思います。
その場合、夫婦2人で安心した老後を過ごす為にも、妻の受け取れる年金を増やしておくのも1つの手段です。
国民年金基金の拠出金は、社会保険料控除になります。
公的制度という安心感もありますので、ぜひ検討してみてください。
≪画像元:国民年金基金≫
介護状態になった時の為の保険に入る
民間の保険では、要介護2以上になりその状態が続いている限り、生涯にわたり年金を支払う保険や要介護1以上認定されると一時金が支払われるなどの介護に対応した保険があります。
介護状態になった時に支払いがあるだけではなく、年金として受け取れる物や解約時に払戻金がある物があります。
月々の負担額が少額で済む保険商品もあります。
受け取れる金額が少額であっても、貯金が心もとない、年金額が少ない人には、介護に必要なお金の不安を軽減する材料になります。
「もしも」の時に備えて、介護に対応した保険に加入するのも1つの方法です。
iDeCo(個人型確定拠出年金)という投資もアリ
iDeCoとは、個人型確定拠出年金のことで、私的年金の制度です。
公的年金制度と違い、自分で運用商品を決め運用していきます。
掛金と運用益との合計額を給付として受け取ることができます。
税制上の優遇措置が、掛金、運用益、給付を受け取る時、それぞれに受けられます。
65歳まで掛けることができますが、60歳になるまで引き出すことができません。
また、給付金を受けると、掛金を拠出することができなくなるので、気をつけてください。
元本確保型もありますが、より運用益の高い投資信託型等の商品を選び運用していくと元本割れの可能性があるので注意が必要です。
基本的には、20歳以上65歳未満のすべての方が加入できます。
掛金も月々5,000円から始められ、1,000円単位で掛金額を自分で設定できます。
掛金を止めることもいつでもできます。
ただし、自営業者や会社員など、加入区分によって掛金の上限が異なるので、確認が必要です。
受け取り方法も、一時金として一括で受け取る方法や5年以上20年以下の有期年金として受け取ったり、金融機関によっては終身年金として受け取ることができる場合もあります。
リスクがありながらも、よりリターンが欲しい方におすすめです。
また、自分で運用方法や掛金の金額を決めたり、受け取れる時期を決めることができるなど自由度が高い為、自分の思い描かれている「介護が必要になった生活」に寄り添った、介護費用の計画が立てやすくなるというメリットもあります。
≪画像元:厚生労働省≫
できるだけ資金を準備しておこう
介護のお金は、ご自分だけでなく、家族全体の問題となります。
金銭的な困難があると介護サービスの利用回数や施設選びなどが制限されます。
老後を元気で過ごせることが理想ですが、それが難しくなった状態になる可能性を考えておくことも必要です。
自分が理想とする介護の形を実現する為にも、安心できる手段を利用してできるだけ資金を準備しておくことをおすすめします。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)