「住んでみたい街」として人気の東京都目黒区。
おしゃれなエリアであると同時に文教施設も充実している地域ですが、保育園の敷地面積が狭く十分な広さの園庭がないため、子供たちが外遊びを十分に楽しめないことが問題になっています。
そこで目黒区では、ふるさと納税の仕組みを活用して子供たちを広い公園へ連れて行く事業に対する寄付金の募集を開始しました。
寄付金の使途が明確で、子育て支援に使って欲しいと考えている方に最適です。
今回は、クラウドファンディング型ふるさと納税の概要と、目黒区が具体的に行っている子育て支援プロジェクトについてご紹介します。
目黒区が活用するクラウドファンディング型ふるさと納税とは
≪画像元:目黒区≫
最近よく耳にする「クラウドファンディング」とは、インターネット上で不特定多数の人から資金を集め、他人や組織に財源の提供、支援を行うことです。
「ふるさと納税 = 魅力的な返礼品が貰えるお得な制度」という事ばかりクローズアップされていますが、本来の目的は応援したい自治体に寄付を行い、地域活性化をサポートすること。
クラウドファンディング型ふるさと納税は趣旨に合った有意義な寄付金の使い道であり、総務省はこのような取り組みを推奨しています。
通常のふるさと納税とクラウドファンディング型ふるさと納税の大きな違いは、寄付金の使途が明確である事。
「せっかくの寄付金が何に使われているかわからない…」という不満がある方はクラウドファンディング型ふるさと納税がおすすめです。
自治体によって異なりますが、通常のふるさと納税のように返礼品を用意している場合もあります。
目黒区のプロジェクトは2018年12月31日迄で目標金額は1,000万円です。
返礼品はありませんが、寄附金税額控除の対象になるので控除限度内であれば実質負担金2,000円で支援できます。
また、返礼品の代わりとして寄付者には後日保育園児からお礼のメッセージカードが送られる予定です。
寄付はふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の「ガバメントクラウドファンディング」のページから、もしくは目黒区総合庁舎に直接現金を持参して申し込みます。
≪画像元:ふるさとチョイス≫
園庭がない保育園が28園! 目黒区の現状
目黒区内には35か所の私立認可保育園がありますが、そのうち28園には十分な広さの園庭がありません。
そのような園は近所の公園に子供達を遊ばせに行くのですが、待機児童問題に伴い保育園と園児の数が増え、1つの公園を複数の保育園で譲り合いながら利用している状況。
「周りに気を遣う」「他の保育園児が既に利用していてのびのびと遊べない」と言った不満の声が上がっています。
外で思いっきり走り回り、自然に触れ合いながら遊ぶ体験を増やすことは、子ども達の健全な成長に大変重要です。
目黒区では都市部でありながら「太陽や草木や土を感じて育つ」ということを目標に掲げ、心身共に健康な子ども達の成長を願っています。
また、プロジェクトのPRを積極的に行うことにより、社会全体での子育て支援を活性化させたいという願いも込められているようです。
「子どもたちの『ヒーローバス』運行プロジェクト」概要
≪画像元:ふるさとチョイス≫
上記の問題を解決するために目黒区が具体的に立ち上げたのが「子どもたちの『ヒーローバス』運行プロジェクト」です。
都会で育つ子供たちがのびのびと遊べる環境を確保するため、徒歩では行くことができない広い公園へ専用バスで定期的に送迎するサービスです。
公園は老若男女が利用する運動公園「駒沢オリンピック公園」や、昔ながらの自然が魅力の「駒場野公園」等を予定しています。
「ヒーローバス」という名称は、子供たちの健全な成長を手助けするヒーローのような存在になって欲しいという願いを込めて、「広い遊び場」と「バス」の言葉を組み合わせてできました。
このバスの運行開始は2018年11月からを予定しています。
運行を午前と午後の時間帯に分けると、1日で保育園3園の子ども達を公園に送迎することができます。
バスの大きさは園児18人、大人4人が乗れることを想定。
2018年度は試行実施機関としてバス1台のみ運行し、利用制度や課題を考察しながら来年度以降の本格運用を目指します。
まとめ
クラウドファンディング型ふるさと納税は支援したい地域の具体的なプロジェクトに対し寄付を行えるので、「自分の寄付金が何に利用されているのかわからない」という不満を解消できる有益な試みです。
まだまだ馴染みのない制度ですが、今後より広まっていることが予想されます。
ふるさと納税の大きな魅力である返礼品選びももちろん良いですが、寄付金税額控除額に余裕がある場合など、一部このようなクラウドファンディング型ふるさと納税に寄付をするのも良いのではないでしょうか。
自己負担2,000円で社会貢献が可能です!
目黒区だけでなく、他の自治体でもクラウドファンディング型ふるさと納税のプロジェクトが増えていますので、興味のある方は是非調べてみてくださいね。