空室・維持管理の負担が大きい築30年以上の古いアパートは売却するべき理由

空室・維持管理の負担が増えてきた築30年以上のアパートは売却するべき理由

「アパート経営は絶対やめた方が良い!!」最近はそんなオーナーさんの苦しい声が増えてきました。

相続税法の強化によって、アパート建築で相続対策をする人が増えたため、昨今はアパートの建築ラッシュが続いています。

その一方で、古くなったアパートは競争に敗れ、入居者がなかなか埋まらず空室で困っているオーナーさんも増えています。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • アパートの空室が埋まらなくてどうしよう
  • 借入金が残っているがどうしたらいいのだろうか
  • 賃料も下がり、維持費も増えるばかりでもうやめたい

そこで今回の記事では、「空室・維持管理の負担が増えてきた築30年以上のアパート」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは現代のアパートの経営環境を理解し、打つ手を知ることができます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士

1.アパート建築の是非

今、アパート建築を検討されている方「やめた方が良い」です。

相続対策でアパートを建築するなら、尚更やめるべきです。

借金を作って財産を減らし、収入も増えるため、アパート建築に相続税対策のメリットがあるのは分かります。 

しかしながら、相続人である子供たちは、その借金を本当に望んでいるでしょうか? 

多くの親は子供たちに資産を残せるように借金を作り相続税対策を行っていますが、それを望まない子供たちは多いです。

なぜなら築30年後のボロアパートを引き継いで苦労するのは子供たち本人だからです。 

アパート経営のパラドックス

アパート建築は、築浅の前半は良いですが、築古の後半が苦戦します。 

新築当初は賃料も高く空室も低いため、収入が大きいです。

また建物の減価償却費が多いため、確定申告時の利益が小さいのも特徴です。

そのため新築当初のアパートは、収入は多いのに利益が少なく、支払う所得税も少ないというメリットがあります。

借入金の返済も減価償却費の中で可能なため、手残りも多いです。

一方で、築古となると、家賃も下がり空室も増えるため、収入が下がります。

また建物の減価償却費が小さいため、確定申告時の利益が大きくなります。

そのため築古のアパートは、収入は少ないのに利益が多く、支払う所得税が大きくなるというデメリットがあります。

さらに借入金の返済も行うため、キャッシュフローが悪くなります。場合によっては、毎月マイナスになります。

この減価償却の影響によるパラドックスは、新築時はあまり気にしないオーナーさんが多くいます。

ハウスメーカーもこのようなデメリットは伝えないので気付かない方が大半です。

一括借り上げの落とし穴

またハウスメーカーの一括借り上げも注意が必要です。

一括借り上げといっても、家賃は下がります。「空室保証」をしているだけであって、「家賃保証」をしているわけではありません。

一括借り上げを行う管理会社が家賃を下げたいという主張を行うことは、法律的にも認められています。

一括借り上げの賃下げ要求を認めた最高裁の事例も多く、将来、オーナーさんの方から「話が違う!!」と争っても勝ち目がないので注意が必要です。 

一括借り上げについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

「安心して下さい」に要注意!本当は安心できない一括借上げ(サブリース)
アパート経営の一括借上げ(サブリース)は要注意!メリットやリスクを徹底解説

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以上、ここまでアパート建築の是非について見てきました。

それでは次に築30年の売却方法について見ていきましょう。 

2.アパート売却する前に検討すべき2つのこと

築30年以上のアパートは、これ以上持ち続けても修繕費やリフォーム代がかかるだけなので、「売却」するか「再建築」するかが現実的です。

最初に売却について見ていきます。

収益アパートの価格目安

築古木造アパートの売却目安としては、「表面利回り10%」です。

家賃4万円で、6戸埋まっているアパートであれば、土地建物価格は以下のように計算されます。

4万円 × 12ヶ月 × 6戸 ÷ 0.1(利回り10%) = 2,880万円

これは土地と建物を合わせた代金の目安です。場合によっては土地だけの更地価格よりも安い可能性があります。 

更地売却の価格目安

更地としての値段を知りたい場合は、「相続税路線価」を利用します。

相続税路線価は周辺更地相場の80%を目安につけられています。

路線価は国税庁が公表していますので、自分の敷地がいくらで値段がついているのか確認してみましょう。

路線価の数字は千円単位で㎡あたりの単価が書かれています。

例えば48Cと書かれていたら、1㎡あたりの更地価格が48千円ということを意味します。

この48千円は相場の80%ですので、相場の単価は60千円(=48÷0.8)となります。

48Cの「C」は借地権割合と言われるものですが、とりあえず無視してください。

先ほどのアパートの土地の面積が500㎡だとすると、48千円のアパートの更地価格は以下のようになります。

48千円 ÷ 0.8 × 500㎡ = 3,000万円

売却は2つの比較検討をしてから行う

2つの価格を比較すると以下のようになります。

収益アパートとして売却した場合2,880万円
更地にして売却した場合3,000万円

このように、築古アパートはアパートとして売るよりも更地価格で売却した方が高くなるケースがあります。 

築古アパートを売却する場合は、そのまま売った方が良いのか、更地にして売った方が良いのかを比較してから売却を行うようにしましょう。

また取壊し費用を捻出できない場合には、いつでも取り壊れる状態にして売却するだけでも価格が高くなる場合があります。

「いつでも取壊せる状態」とは入居者を全員退去させた状態です。

全て退去させておけば、購入者が立退きをせずに壊せますので、購入希望者が増えることになります。

この場合、更地から取壊し費用を控除した金額が売却の目安となります。

以上、ここまでが売却についてでした。それでは次に建替えについて見ていきます。

3.建替えよりも売却→買換えをオススメ

ハウスメーカーの営業努力もあり、今では相続対策にアパート投資がかなり一般化してきました。

今の時代にアパート投資を検討すると、かなりリスクが高く感じます。

では昔の大家さんは今ほどリスクを感じながらアパート投資をしていたのでしょうか?

答えとしては「NO」です。そもそもバブル以前はアパートの供給量そのものが少なかったため、オーナーが今ほど空室リスクを抱える心配がありませんでした。

また礼金も2~3ヶ月取れることが当たり前だったため、入居者がコロコロ入れ替わった方が儲かる時代でもありました。

借金の価値

また何よりも時代はインフレでしたので、モノの値段は上がり現金の価値が下がり続ける時代でした。

現金の価値が下がるということは、借金の価値も下がっていくことを意味します。

バブル時代などは借金をしても、時間とともに借金の価値が軽くなっていったため、借金してアパートを建てることが怖くなかったのです。

ところが現在日本は長期的に見ればデフレです。

つまりモノの値段は下がり現金の価値が上がる時代です。

現金の価値が上がるということは、借金の価値も上がっていくことを意味します。

つまり親の時代に作った借金は、子供の時代にはもっと重くのしかかることを意味します。

そのため子供たちが相続対策でアパート投資を反対するのは、極めて合理的な意見と言えます。

建替えよりも買換え

今の時代は相続対策と言っても借金を作ってアパートを建築するという行為そのものを見直さなければならない時代に入っています。

そのため無理にその土地でアパートを建築する必要はありません。

建替えを検討するのであれば、売却して都内のワンルームマンションなどに買換えることを検討する方が良いでしょう。

今の場所で無理にアパート経営のリスクを取らずに、立地の良い場所の物件に買換えて安定収益を得ることをオススメします。

4.アパートを高く売るなら「まずはいくらで売れるか」チェック

まず、投資用アパートの売却は、不動産会社に査定してもらうところからスタートします。

投資用アパートの主な買主は投資家です。投資家は、通常、収益物件をメインで扱うような投資物件に強い不動産会社で物件を探しています。

逆に言うと、売却の際も、そのような多くの投資家を抱えている不動産会社に頼むのが効率的です。

不動産会社には、物件の種別やエリアによって得意・不得意がある

投資用アパート売却に強い不動産会社に頼むことが重要なポイント

気をつけなければいけないのは、査定額はあくまで、不動産会社がいくらで売れそうなのかを判断した価格です。

不動産会社ごとに、実績や算出方法が異なるので、不動産会社によって査定額がバラバラになってしまうことが一般的です。

投資物件に関しては、賃料収入など収益性も加味しながら査定をするため、なおさら不動産会社の力量で査定額にバラつきが出てきます。

なので、査定は複数の不動産会社に依頼して、比較検討することがとても大切です。

しかし、複数の不動産会社を自分で調べて、1社ずつ何度も査定依頼を進めるのはとても大変です。

そんな時に不動産一括査定サイトの活用を強くオススメします。

不動産一括査定とは、売却を検討している不動産の情報を入力するだけで、複数の不動産会社から不動産の売却価格の査定を出してもらうことができるサービスのこと

売却することは決まっておらず、現在の市場価格を確認してみたいという方でも活用出来るので、定期的にチェックしてみるのも良いでしょう。

便利な不動産一括査定サイトですが、筆者が知っているだけでも30はあります。

多くのサイトが乱立し、どのサイトを使えば良いか素人には分かりづらくなってしまっています。

実績や信頼性、提携不動産会社の質など、総合的に判断すると筆者は下記の3つをオススメします。

都市部での売却なら

超大手の不動産会社6社に唯一依頼が一括査定サイト「 すまいValue

東京・神奈川・千葉・埼玉・名古屋・大阪・兵庫・福岡といった都市部での売却なら活用マストです!

都市部以外での売却なら

NTTグループで安心、一括査定サイトのなかで最も歴史があり、実績も抜群の「 HOME4U

すまいValue 」で対象外のエリア(都市部以外)での売却なら活用マストです!

上記サイトとセットで活用

投資用アパートの売却に特化した不動産一括査定サイト「 RE-Guide

上記2サイトと合わせて活用すると効果的です!

上記オススメサイトの査定依頼フォームでは、「物件の状態」と「賃料」を問う項目があるので、人に貸している投資用アパートの場合は「賃貸中」にチェックの上、現在の賃料を入力しておきましょう。

投資用アパートの査定は賃料が大きく関わってきますので、入力しておいた方が正確な査定結果を得ることができます。

「すまいvalue」入力画面

「すまいvalue」入力画面

まとめ

空室・維持管理の負担が増えてきた築30年以上のアパートについて見てきました。

結論としては、築古アパートは売却か買換えを行うことが賢明です。

まずは今の売却価値を知ることから始めるのが良いでしょう。

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