アパート経営はするな?アパート経営オーナーが失敗する6つの理由

アパート経営はするな!アパート経営が上手くいかない6つの理由

この記事のタイトルに興味を持った方は、

  • 「アパート経営に迷っている人」
  • 「家族がアパート経営をしたいと言い出し、それを止めたい人」

などだと思われます。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • アパート経営をすべきかどうか迷っている
  • 親や家族、知人がアパート経営をするのを止めたい
  • 人から『アパート経営はするな』と言われて迷っている

そこで今回の記事では、ズバリ「アパート経営はするな!」というテーマでお伝えいたします。

筆者が実際に相談を受けた実話をします。

その後、アパート経営にはどのようなリスクが潜むのか具体的にお伝えしていきます。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士

1.実際にあった「アパート経営はするな」という言葉

筆者は土地オーナーさんから土地活用の相談を受けたことがあります。

土地オーナーの相談内容

300坪くらいの敷地で飲食店を経営していたのですが、店舗の老朽化に伴い、店舗の建て替えと同時に、余剰部分で賃貸アパートを経営したいというご相談でした。

ご相談の土地は、面積は十分に広かったのですが、間口が狭くて奥行の長い土地でした。

飲食店用に駐車場は確保したいという要望であったため、駐車場を全面道路側に配置し、奥に店舗兼アパートを建築するという計画にしました。

ウナギの寝床のような敷地であったため、建物配置がとても悩ましかったです。何度もプランを書き直して、ようやく納得のいく建物計画が出来上がりました。

元々、ご本人がアパート経営を始めたいということで相談があったため、オーナーさんもとても協力的。

ところが、ある日突然、オーナーさんから、「やっぱりアパート経営は止めます。」と連絡が入りました。理由を尋ねてみると、「友人から『アパート経営だけは絶対にするな!』と言われました。」という話でした。

その友人の方は、実際にアパート経営をしており、とても苦労されており、止めた方が良いということを伝えたようです。

オーナーさんも、最後に筆者に「アパート経営について、どう思いますか?」と聞いてきたため、改めてアパート経営のリスクをご説明しました。

筆者は、ハウスメーカーの人間ではないため、ご本人の「止めたい」という意向を尊重し、無理に引き留めませんでした。

今ではそのオーナーさんも、「あの時、無理せず投資をしなくて良かった」とスッキリ納得して頂いています。

他人の「アパート経営はするな!」というメッセージは強い

この経験から、筆者は「アパート経営はするな」という他人の言葉はとても強力なメッセージだということを知りました。

アパート経営を経験している方は、非常に苦労している方も多いのは事実。

経験者たちが発する「アパート経営はするな」という言葉は、土地オーナーにとっては、とても突き刺さるメッセージなのです。

では何故、アパート経営者たちは「アパート経営はするな」と言うのでしょうか。

そこで次にアパート経営が上手くいかない5つの理由についてご紹介します。

2.アパート経営が上手くいかない6つの理由

では、世の中でマンション経営がうまくいかない理由は何でしょうか?

筆者の過去の経験上から大きく下記6つに絞られます。

アパート経営がうまくいかない5つの理由

  1. 借入金が多すぎる
  2. 家賃は保証されない
  3. 修繕費が掛かる
  4. 空室対策費用が掛かる
  5. 税金が増える
  6. アパート経営プランを吟味していない

それぞれ詳しくお伝えしていきます。

上手くいかない理由1.借入金が多すぎる

アパート経営は、相続対策として行う人も多いため、借入金を利用する人がほとんどです。

借入金は相続財産を減額してくれるため、借りるだけでも相続対策になります。

アパート経営において、人によって苦労の度合いが異なる部分は、この借入金が大きいです。

借入金が多い人は最後まで苦労し、借入金が少ない人はそれほど苦労をしません。

どのアパートでも、築年数が古くなれば家賃も下がり、修繕費も増えるというリスクが顕在化。

この際、既に借入金の返済が終わっている人であれば、このリスクにも耐えることができます。

自己資金を多く投入している人は、家賃の下落や修繕費の増加に直面しても、それほど脅威ではありません。

ところが、まだ借入金の返済が続いているような人であれば、持ちこたえられずに借金を残したまま売却するという事態も発生してしまいます。

また借入金を残したまま相続が発生すると、相続人は古いアパートで借金を返していかなければなりません。

築古アパートという不利な条件で借入金を返済することになるため、子供たちが反対するのは当然です。

借入金は相続財産を減らすという以外にメリットはありません。

相続財産は自己資金を投入することでも減らすことはできます。

アパート経営では、後々、借入金の返済に困るようなことが無いように、しっかりと自己資金も準備してから行う必要があります。

上手くいかない理由2.家賃は保証されない

アパート経営では、管理会社に「家賃保証」とか「空室保証」等の名目でサブリース契約を行います。

サブリース契約は満室時の賃料の80~85%の賃料でサブリース会社と賃貸借契約を行います。

これを「一括借上げ」と呼びます。

例えば、満室時の85%の賃料で一括借上げをした場合、空室が発生したとしても85%の賃料は変わらずに支払われます。

そのため、オーナーは空室を気にすることなく安心してアパートを所有できるというのが一括借上げの前提。

ところが、空室があまりにも増加し、また入居者の賃料も下落したような場合は、サブリース会社に逆ザヤが発生する可能性があります。

つまり、サブリース会社が入居者から受け取る賃料よりも、オーナーへ支払う賃料の方が高くなるということもあり得ます。

サブリース会社が逆ザヤになった場合、サブリース会社が泣き寝入りをするかというとそうではありません。

空室が増えると賃下げ要求される

オーナーに対してしっかりと賃下げ要求をしてきます。

「家賃保証」とか「空室保証」という名目だと、家賃はずっと変わらないという誤解をしがちですがそんなことはありません。

家賃下落や空室が発生すると、サブリース会社が賃料を下げることで、リスクがオーナーに転嫁されます。

ちなみにサブリース会社が賃下げ要求できるかについては、かつて裁判で争われたこともあります。

裁判においても、サブリース会社が賃下げ要求をできるということは判例で認められた結果になりました。

そのため、サブリース会社は堂々と賃下げの要求をしてきます。

つまり、将来的に賃料は保証されません。

賃料が下落すれば、借入金の返済リスクも発生します。

アパート経営においては、家賃はいつまでも保証されるわけではないということを十分に認識する必要があります。

上手くいかない理由3.修繕費が掛かる

アパート経営を始めると、入居者には賃料の支払い義務が発生。

対して、オーナーには建物の修繕義務が発生します。

修繕費というのは、必ずしも「壊れたから直す」というものだけではありません。

修繕費には壊れたものを修繕する「事後保全」と、故障を未然に防ぐための「予防保全」の2種類があります。

例えば、アパートでは各部屋に給湯器が設置されていますが、給湯器も築15年くらいになると老朽化するため、総入れ替えをするような工事を行います。

また、外壁の塗り替えも行います。これらは、壊れる前に行う修繕のため予防保全。

予防保全に関しては、築年数が古くなれば古くなるほど、多く発生してきます。

また築年数が相当に経過すると、壊れたから修繕するという事後保全の修繕費用も増えていきます。

予防保全は計画できても、事後保全は突発的に生じるため、修繕費用はある程度、常に貯金をしておく必要があります。

築年数が古いアパートは修繕費が発生することが多くなる

築年数の古いアパートであれば、修繕費がしょっちゅう発生していきます。

この際、借入金が返済できていれば負担は少ないですが、借入金の返済も残っていると、大きな痛手になります。

築古アパートのために、年中、お金が出ていくことになり、「アパート経営なんかするんじゃなかった」と後悔するようになります。

アパート経営は、築10年くらいまでは良いのですが、その後はお金が出ていくばかりになり、なんのためにアパート経営をしているのか分からなくなってきます。

将来的には修繕費が発生し、なかなかお金が貯まっていかないという状態になる可能性もあります。

将来的に修繕費が発生していくことを十分に認識するようにしてください。

上手くいかない理由4.空室対策費用が掛かる

アパート経営を始めると、建物に投下するお金は修繕費だけではありません。

修繕費はどちらかと言うと、「しなければならない」ためのお金ですが、「した方が良い」というお金も発生してきます。

それはアパートの空室対策費用です。

一括借上げの賃料下落を引き起こす原因は「空室」。

空室が発生すると、それを埋めるために入居者の家賃を下げます。

入居者の家賃を下げると、サブリース会社に逆ザヤが発生するため、一括借上げの賃料も下がります。

築年数が古くなると、アパート経営の悪化の原因である空室対策を行う必要が出てきます。

空室対策としてリフォームする必要が出てくる

空室対策として代表的のものにはリフォームがあります。

空室が発生した場合、リフォームは「した方が良い」修繕。

最低限の「しなければならない」修繕費とは別に発生します。

アパート経営は30年近くに渡る長期に行われます。

その間、建物の住宅設備も進化していきます。また人の生活様式も変わっていきます。

アパートは新築当初こそ最新のスペックを備えた物件となりますが、築年数の経過とともに「時代遅れ」の仕様になっていきます。

例えば、築20年を超えるようなアパートには、畳の部屋があるアパートがたくさん存在。

ところが、ここ20年の間に、人々の生活様式が変わり、和室よりも洋室を好む人が増えました。

そのため、畳の部屋がある物件は不人気の物件になっています。

また洗濯機と乾燥機が一体となっているドラム式の洗濯機も増えたことにより、アパートにおいてもドラム式の洗濯機を置きたいという需要も増えています。

ところが、ドラム式の洗濯機パンは従来の洗濯機パンよりも大きいため、築古アパートではドラム式の洗濯機を設置できないということも発生しています。

このように、30年も経過すると、生活様式や家電なども変化していくため、それに対応できていないアパートは市場からはじかれていくようになっていきます。

そこで、アパートオーナーはどこかのタイミングで大規模なリフォームを迫られます。

アパートは古くなるとトリプル費用が掛かる

アパートは築古になると、

  1. 事後保全の修繕費
  2. 予防保全の修繕費
  3. リフォームのための修繕費

がトリプルで生じます。

仮に、借入金の返済が終わっていたとしても、アパート経営の後半戦は修繕費用が多く発生するため、結局のところなかなかお金が貯まっていきません。

築30年を超えるとお金が出ていくばかりです。

さらに借入金の返済も残っていると、場合によってはキャッシュフローがマイナスになります。

アパートを持てば持つほど赤字になる場合もあり、最悪の場合は売却してアパートを手放すことにもなります。

アパート経営においては、築古になると空室対策のためのリフォーム代も発生するということを知っておきましょう。

上手くいかない理由5.税金が増える

アパート経営は、築古になると賃料下落や修繕費の増加が発生し、後半戦ほど苦しくなっていくというのは、なんとなく想像できると思われます。

ただ、後半戦になって増えるのは空室や修繕費だけではありません。

実はアパートは後半戦になると税金が増えるという困った現象が発生します。

個人がアパート経営を始めると、不動産所得が発生。

不動産所得は給与所得等と合算され、所得税が増えることになります。

アパート経営においては、

  • 土地建物の固定資産税
  • 建物保険料
  • 入居者募集費用
  • 修繕費

等の費用が発生します。

これらの費用は、アパート経営の不動産所得を計算する上で経費計上されます。

アパート経営では、収入から費用を引いた利益(不動産所得)に対して課税。

建物は減価償却費として計上する

不動産所得を計算する上での費用の中に、減価償却費というものが存在します。

減価償却費とは建物の取得費用を決められた会計期間の中で計画的・規則的に費用配分する会計上の費用

例えば、100万円の資産を5年間で均等に償却する場合、毎年20万円ずつ減価償却費として計上します。

100万円を実際に支出したのは、100万円の資産を購入した初年度ですが、会計上は、その後5年間にわたり20万円ずつ振り分けて費用計上するというのが減価償却費です。

アパート経営においては、建物が減価償却費の対象。

減価償却費は、耐用年数と呼ばれる決められた会計期間の間、分散されて費用計上されます。

木造アパートであれば22年が法定耐用年数です。

また設備はものによりますが、概ね15年程度の耐用年数のものが多いです。

アパートのような住居系の建物の場合、建築費の中で木造等の躯体に関する部分が全体の80%程度、設備に関する部分が20%程度を占めます。

そのため、建築費のうち、躯体部分である80%程度が22年間かけて焼却され、設備部分である20%程度が15年間かけて焼却されていきます。

躯体も設備も償却が終わると、減価償却費は発生しません。

すると、建物を新築後、築15年程度までは躯体と設備の両方の減価償却費が発生します。

築15年を過ぎると躯体の減価償却費だけが発生します。

さらに築22年を過ぎると減価償却費が全く発生しなくなります。

減価償却費は実際に支出しない費用。

会計上は費用として認められるため、減価償却費によって不動産所得が減り節税効果が発生します。

築浅のアパートは減価償却費による節税効果が高いため、支払う税金が少ないです。

古いアパートだと償却費がなくなり節税効果が少なくなる

ところが、築古アパートになると減価償却費による節税効果が無くなるため、支払う税金が増えていきます

築古アパートでは、空室によって賃料収入が減るのですが、さらに減価償却費も減ってしまうことによって、会計上の利益が増えてしまい、税金が増えてしまうというパラドックスが発生。

実は、築古アパートでは、

  • 空室による収入減
  • 修繕費の増加
  • 税金の増加

というトリプルパンチが発生します。

築古アパートでは、利益が増えるということまで意識できる人はほとんどいません。

実際、アパート経営をしている人は、この築古アパートになると儲かっていないのに税金だけが増えるという現象に戸惑う方は多いです。

さらに、借入金の元本返済は費用にはなりません。

元本返済は税金を支払った税引き後の利益の中から支払います。

築古アパートになると、収入が減り、修繕費が増え、利益も増えます。

さらにこの中から借入金の元本返済を行うとなると、キャッシュフローがとても悪くなります。

場合によってはキャッシュフローがマイナスにもなります。

アパート経営は後半になるほど苦しくなる

このようにアパート経営は後半戦がとても苦しくなるため、経験者が「アパート経営はするな」というのも無理もない話とも言えます。

築古のアパートでもなんとかやっていけている物件は、ほとんどが借入金を返済しきっている無借金経営のアパートばかりです。

無借金かどうかは、外見上は分かりません。

安易に見た目だけで「築古でもやっていけそうだ」とは判断すべきではないのです。

築古になると、税金も増えるという点は見落としがち

アパート経営は後半戦がとても苦しくなるということを理解しておきましょう。

アパート経営の経費については、下記記事でさらに詳しく解説しています。

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上手くいかない理由6.アパート経営プランを吟味していない

これまでの話を見ると、アパート経営だと絶対に失敗するように思えます。

ただし、事実アパート経営で成功している人もいます。

これまで説明してきた失敗の本質は「アパート経営の勉強不足」「会社の良い情報を鵜呑みにする」ということ。

アパート経営は、一種のビジネスです。

すべて会社任せではうまくいきません。

あなた自身でしっかり吟味する必要があるのです。

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3.まとめ

アパート経営はするな!アパート経営が上手くいかない6つの理由について見てきました。

これらのアパート経営のリスクを回避する確実な方法としては、自己資金を十分に準備すること。

そしてあなた自身でアパート経営をしっかり勉強して、吟味することです。

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