中古住宅を購入したときの不動産取得税の計算方法・軽減措置を徹底解説

中古住宅 不動産取得税

新築住宅を購入した際、不動産取得税を払った記憶のない方もいらっしゃると思います。

新築住宅は、不動産取得税の軽減措置が大きく、場合によっては税額がゼロとなる場合も少なくありません。

ところが、中古住宅の場合は、軽減措置が少ないため、不動産取得税が発生する場合が多いです。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 不動産取得税っていくらかかるのだろう?
  • 中古住宅の不動産取得税の軽減措置とはどのようなものだろうか?
  • 不動産取得税の軽減の具体的な計算例を知りたい

そこで今回の記事では不動産購入時のおける「不動産取得税」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは不動産取得税について理解し、軽減措置等の特例も知ることができます。

本記事のポイントまとめ

  • 不動産取得税とは、土地や家屋などの不動産を取得した際、その不動産が所在する都道府県が課する都道府県税
  • 中古住宅の不動産取得税軽減の方法は2つある
    1. 評価額から控除額を引いて税率を掛け税金を求める方法
    2. 求めた税金から控除額を引く方法
  • 住み替えの場合、資金計画を立てることが大きなポイント
    ※詳細は「5.住み替え検討なら、まずは「いくらで売れるのか」をチェック」に解説しています。
株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士

1.不動産取得税は都道府県に支払う税金

不動産取得税とは、土地や家屋などの不動産を取得した際、その不動産が所在する都道府県が課する都道府県税になります。

東京の人が大阪の不動産を取得した場合、大阪府から納税通知書が届きます。

不動産の取得とは、売買や交換、贈与、建築のいずれも該当します。

ただし、相続による取得では不動産取得税は課されません

不動産取得税の支払うタイミングは、購入後、半年後くらいが一般的です。

忘れたころに納税通知書が届きます。

不動産取得税も登録免許税と同様に、不動産売買の流通時に発生する税金のため、流通税と呼ばれています。

それでは不動産取得税とは、どの程度かかるものなのか、まずは原則から見ていきます。

2.不動産取得税の計算方法

不動産取得税の計算式は以下のようになります。

不動産取得税 = 不動産の価額 × 税率

ここで、不動産の価額とは、実際の売買額ではなく、固定資産税納税通知書に記載された固定資産税評価額になります。

固定資産税通知書のサンプル

固定資産税通知書のサンプル

これは登録免許税も同じです。

不動産会社が仲介に入っている場合には、事前に不動産会社に売り主へ固定資産税評価額をヒアリングしてもらうことになります。

不動産取得税の税率は、平成30年3月31までは以下のようになっています。

大分類土地建物の別税率
住宅関係土地3%
建物3%
住宅以外 (店舗、事務所等)土地3%
建物4%

尚、宅地評価土地の場合は、土地の課税標準額は固定資産税評価額に1/2を乗じたものになります。

宅地評価土地の不動産取得税は、以下のようになります。

宅地評価土地の不動産取得税 = 固定資産税評価額 × 1/2 × 3%

以上、ここまで不動産取得税の原則について見てきました。

それでは中古住宅を購入した場合、不動産取得税の軽減を受ける場合、どのような要件が必要なのでしょうか。

3.中古住宅の軽減要件

中古住宅については、土地と建物に以下のような基本要件が必要です。

住宅の基本要件

土地

  1. 土地を取得した日から1年以内に、その土地の上にある自己の居住用の中古住宅を取得した場合
  2. 自己の居住用の中古住宅の取得後1年以内にその中古住宅の敷地となっている土地を取得していた場合

建物

  1. 自己の居住用に供するものであること

中古の軽減要件

上記の住宅の基本要件に加え、土地と建物には以下の要件があります。

要件中古住宅住宅用土地
床面積50㎡以上240㎡以下中古住宅の敷地については、
左記の要件を満たす中古住宅の敷地であること
築後経過年数等次のイ・ロのいずれかに該当すること
イ.   昭和57年1月1日以降に新築された中宅であること
ロ.   築後年数にかかわらず新耐震基準に適合することが証明されたものであること
又は、既存住宅瑕疵担保保険に加入しているもの(加入後2年以内のものに限る。)

不動産取得税の場合、面積要件が50㎡以上240㎡以下というように、下限と上限が定められています。

登録免許税の50㎡以上という下限だけを設定している要件とは異なりますので注意が必要です。

また建物の軽減要件として、「新耐震基準に適合していることの証明」もしくは、「既存住宅瑕疵担保保険への加入」については、登録免許税も同じです。

登録免許税の軽減については、下記に詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

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「既存住宅瑕疵担保保険への加入」している物件については、まだ数は少ないです。

ただし、宅建業法の改正により、平成30年4月以降は既存住宅瑕疵担保保険の加入要件であるインスペクションのあっせんが義務付けられています。

そのため、平成30年4月以降は、既存住宅瑕疵担保保険に加入している物件が増える見込みです。

購入時に、既存住宅瑕疵担保保険の加入の有無を注意深く見るようにしてください。

既存住宅瑕疵担保保険による税制優遇については下記記事でさらに詳しく解説しています。

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中古住宅の軽減額

中古住宅の建物の軽減額については、以下のように定められています。

軽減額は中古建物が新築された年月日によって異なる点がポイントです。

建築年月日控除額
昭和50年12月31日以前新築当時の軽減額
昭和51年1月1日~昭和56年6月30日350万円
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日420万円
昭和60年7月1日~平成元年3月31日450万円
平成元年4月1日~平成9年3月31日1,000万円
平成9年4月1日以後1,200万円

控除額は、都道府県によって異なる場合があります。

新築住宅の場合の不動産取得税の控除額は「1,200万円」となります。

新築住宅の要件としては、面積が50㎡以上240㎡以下という面積要件だけになります。

住宅土地の軽減額

土地に関しては、以下のいずれか多い方の額を控除することができます。

  1. 45,000円
  2. 土地1㎡の評価額 × 1/2 × 住宅の床面積の2倍 × 03
    ※住宅の床面積の2倍については、200㎡が限度となる。

土地の場合、物件ごとに上記2を計算し、1の45,000円と比較して、大きい方の額を控除することになります。

以上、ここまで中古住宅の軽減要件について見てきました。

不動産取得税の軽減は、少し難しいです。

4.中古住宅軽減の具体的計算例

最初に建物の不動産取得税の計算方法について解説します。

まず控除額によって税金を減額する方法には、

  1. 評価額から控除額を引いて税率を掛け税金を求める方法
  2. 求めた税金から控除額を引く方法

の2通りがあります。

建物については、1.評価額から控除額を引いて税率を掛け税金を求める方法になります。

建物の不動産取得税の求め方は以下の通りになります。

建物の不動産取得税 = (建物評価額-控除額) × 3%

次に土地の不動産取得税の計算方法について解説します。

土地については、2.求めた税金から控除額を引く方法で税額を計算します。

まず、土地の不動産取得税は以下の計算式で求められます。

土地の不動産取得税 = 土地評価額 × 1/2 × 3%

この求めた土地の不動産取得税額から、以下のいずれかの大きい方の金額を控除します。

控除額

  1. 45,000円
  2. 土地1㎡の評価額 × 1/2 × 住宅の床面積の2倍 × 0.03
    ※住宅の床面積の2倍については、200㎡が限度となる。

よって、最終的に土地の不動産取得税は以下のようになります。

土地の不動産取得税 = 土地評価額 × 1/2 × 3% - 控除額

具体的な計算事例

Aさんは、平成29年9月に以下の条件の中古不動産を購入した事例をもとに具体的に計算をしていきましょう。

項目数値等
土地の固定資産税評価額1,800万円
建物の固定資産税評価額1,200万円
土地の面積120㎡
建物の面積180㎡
建物の新築年月日平成5年1月1日

建物の不動産取得税は以下のようになります。

ここで、平成5年1月1日築の中住宅の控除額は1,000万円(平成元年4月1日~平成9年3月31日)となります。

建物の不動産取得税 = (建物評価額 - 控除額) × 3% = (1,200万円 - 1,000万円)  × 3% = 60,000円

よって、建物の不動産取得税は60,000円となります。

土地の不動産取得税については、まず控除額2から求めます。

控除額2は以下の式で求められるものになります。

控除額2

  • 土地1㎡の評価額×1/2×住宅の床面積の2倍×0.03
  • 住宅の床面積の2倍については、200㎡が限度となる。

したがって具体的に数字を入れていくと

控除額2 = 土地1㎡の評価額 × 1/2 × 住宅の床面積の2倍 × 0.03 =1,800万円 ÷ 120㎡ × 1/2 × 200㎡※ × 0.0.3 = 450,000円

※住宅の床面積の2倍は360㎡(=180㎡×2)となるが、200㎡が限度のため200㎡となる。

上で求められた控除額2(450,000円)は、控除額1(45,000円)よりも大きいため、この場合、控除額は控除額2の450,000円となる。

よって、土地の不動産取得税は以下のようになります。

土地の不動産取得税 = 土地評価額 × 1/2 × 3% - 控除額 = 1,800万円 × 1/2 × 3% - 450,000円 = 270,000円 - 450,000円 < 0円

よって求められた数値はマイナスとなるため、この場合は土地の不動産取得税はゼロになります。

5.住み替え検討なら、まずは「いくらで売れるのか」をチェック

住み替えの場合、資金計画を立てることが大きなポイントになりますが、そのための第一歩が「今の家がいくらで売れるのか」を確認することから始まります。

不動産の売却金額によっては、売却益を購入物件の初期費用に回して、ローンの借入額を減らすことも可能です。

まず、自分の不動産がいくらで売れるのかを把握する為には、不動産会社に査定してもらう必要があります。

しかし、あくまで査定額は不動産会社がいくらで売れそうなのか判断した価格です。

不動産会社ごとに、実績や算出方法が異なるので、不動産会社によって査定額がバラバラになってしまうことが一般的です。

その為、不動産査定は複数の不動産会社に依頼して、比較検討することがとても大切です。

査定額が高すぎる不動産会社は危険

査定額が高すぎる不動産会社は危険

ただ、複数の不動産会社を自分で調べて、1社ずつ何度も査定依頼を進めるのは大変です。

そんな時に不動産一括査定サイトの活用を強くオススメします。

不動産一括査定とは、売却を検討している不動産の情報を入力するだけで、複数の不動産会社から不動産の売却価格の査定を出してもらうことができるサービスのこと

便利な不動産一括査定サイトですが、筆者が知っているだけでも30はあります。

多くのサイトが乱立し、どのサイトを使えば良いか素人には分かりづらくなってしまっています。

実績や信頼性、提携不動産会社の質など、総合的に判断すると筆者は下記の3つをオススメします。

一括査定サイトのオススメ3選

  • 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「 すまいValue
  • NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「 HOME4U
  • 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「 イエウール

実績や信頼性はもちろんですが、上記3サイトは、机上査定に対応してくれる点もポイントになります。

机上査定とは、依頼時に入力した物件の基本情報を基に算出する査定方法で、不動産会社の担当者に物件を見てもらう必要もなく、家に居ながら気軽に査定額を知ることが可能です。

依頼時にメールで査定額を提示して欲しい旨を備考欄で伝えておけば、査定結果や担当者とのやり取りはメールで進むので、営業電話にも悩まずにやり取りすることも可能です。

オススメサイトの併用が鉄則

一括査定サイトごとに提携会社の性質は異なる為、売却を成功するためには、複数の一括査定サイトの併用がオススメです。

サイト選びのポイントとしては、売却物件のエリアに応じて、下記のような使い分けがいいでしょう。

所在地別地域毎のおすすめ

対象物件種別

おすすめポイント

物件所在地に応じたおすすめの使い方

不動産一括査定は、各社の特徴を活かして、複数社への査定依頼がおすすめです。

都心(東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・奈良)の場合

一括査定サイトの他にも、売主専門の不動産仲介会社SRE不動産への相談がおすすめ

県庁所在地など比較的人口が多い都市の場合

すまいValueで大手へ、HOME4Uで地元密着から大手へ査定依頼することで漏れなくチェック

田舎など人口が少ない都市の場合

地方の提携企業も多いHOME4Uとイエウールの併用使いがおすすめ

査定対象の物件種別を比較

  • ◎特化してる
  • ○対応している
  • △要相談
  • ×対応していない
サイト名戸建マンション土地投資物件農地
○○○△△
○○○△△
○○○△○
○○○○×
○○○××
×◎×××
○○○△○
○○○△△
サイト名戸建マンション土地投資物件農地

提携会社数・特徴

サイト名提携会社数特徴公式サイト
大手不動産6社
※小田急不動産、住友不動産販売、野村の仲介、三菱地所ハウスネット、東急リバブル、三井のリハウス
・大手不動産6社にまとめて査定依頼できる
※この6社に依頼できるのはすまいValueのみ
公式サイト
1,300社以上・NTTグループで安心、実績も抜群
・フリーダイヤルの相談窓口あり
・大手、中堅、地域密着の会社にバランスよく依頼できる
公式サイト
1,600社以上・地方や田舎に強い公式サイト
1,800社以上・匿名査定対応
・地方含めて対応エリアが広い
公式サイト
2,000店舗以上・不動産メディア認知度No.1
・最大10社から一括査定可能
・不動産会社の特徴で選べる
公式サイト
2,500店舗以上・マンションに特化
・賃貸も同時査定可能
公式サイト
1,700社以上・サポート体制が充実
・様々な物件種別に対応
公式サイト
約700社以上・収益物件に特化
・最大10社から一括査定可能
公式サイト

まとめ

中古住宅を購入したときの不動産取得税の軽減措置を徹底解説について見てきました。

中古住宅の場合、要件をきちんと満たしていないと控除額がありません。

中古建物の要件は一応、気に留めるようにしておきましょう。

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