相続登記の義務化はいつから?しないとどうなる?必要書類等を解説!

相続義務化いつから?

2021年4月に、相続登記を義務化するために民法と不動産登記法の関連法案が成立しました。今後、2024年を目途に相続登記は義務化される予定です。

では、相続登記の義務化や、しない場合の罰則、必要書類といったものはどのようなものなのでしょうか。

この記事では「相続登記」について解説します。相続登記の義務化はいつから、相続登記の期限や、相続登記をしないとどうなるか、相続登記の登録免許税および必要書類について紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

1.相続登記とは

相続登記とは、不動産の所有者が死亡したときに行う所有者の名義変更の登記のことです。2021年8月の現時点において、相続登記は今のところ義務ではありません。

相続登記が義務ではないことが原因で増加した、所有者不明土地が、現在社会問題となっています。

所有者不明土地とは、「不動産登記簿等の所有者台帳により、所有者が直ちに判明しない、または判明しても所有者に連絡が付かない土地」のことです。

これらの所有者不明土地がどれくらい存在するかというと、2016年の調査時点で九州の面積を超える広さとされています。

所有者不明土地は増加傾向にあり、このまま放っておくと北海道の面積にも匹敵する広さまで膨れ上がることが危惧されています。

所有者不明土地が発生する主な原因は、「相続登記がなされていない」と「住所変更登記がなされていない」の2点です。

最大の原因は「相続登記がなされていない」ことであり、発生原因の6割強を占めます。例えば不動産を売却するときも、隣地が所有者不明土地の場合境界確定できず、支障が生じます。

自分には関係のない問題と思っていても、実は隣地が所有者不明土地だと、不動産を売却できなくなるといったトラブルに巻き込まれてしまうこともあるのです。

このような所有者不明土地の増加を背景に、相続登記は義務化されることが決定されました。

2.相続登記の義務化はいつから

相続登記の義務化は、2024年を目途に開始されると予想されています。相続登記の義務化については、民法と不動産登記法が関連法案となります。これらの関連法案は、「2021年4月28日」に公布されています。

関連法案は、「公布から3年以内の政令で定める日」に施行されることになっています。公布から3年以内なので、遅くとも2024年4月27日までには施行される予定です。

現状では3年以内とされているため、早まる可能性もあり、はっきりしたことはいえません。

そのため、2024年を目途に開始されるのは、おおかたの「予想」であるということになります。

3.相続登記の期限

相続登記の期限は、「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、所有権の取得をしたことを知った日から3年以内」です。

相続後の期限には相続放棄や納税等で、様々な期限の定め方があります。

【相続後の主な期限】

内容期限の定義
相続放棄・限定承認・単純承認相続人となったことを知ったときから3ヶ月以内
相続税の納税と申告相続の開始の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内
売却時の取得費加算の特例相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日
相続登記自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、所有権の取得をしたことを知った日から3年以内

相続では、相続人同士で遺産分割に揉めてしまい3年の期限までに間に合わないケースも考えられます。

そのような状況に備え、義務化以降では「相続人申告登記制度」が設けられます。相続人申告登記とは、相続登記の義務を負うものが、法務局の登記官に対し相続が開始した旨と自らが相続人である旨を申し出る制度のことです。

申し出があると、登記官が職権でその旨と申出をした人の氏名・住所を登記します。この相続人申告登記をすることで、とりあえず相続登記の義務を果たしたものとみなされる予定です。

相続人申告登記は、あくまでも登記簿上の所有者が死亡したという内容を公示する簡易な登記の位置づけとなります。

したがって、相続人申告登記は、新たな所有者を明確にする相続登記とは異なる点がポイントです。

相続人申告登記は、相続人の1人が単独で申請することができます。相続人同士で揉めている状況でも、相続人の1人が相続人申告登記を申し出れば、相続登記義務を果たしたことになります。

なお、相続人申告登記が終了しても、遺産を受け継ぐ所有者が正式に決まったら、「3年以内」に相続登記することが必要です。

4.義務化の前の相続も対象となる

相続登記の義務化で最も重要なのは、義務化前の相続も対象となる点です。義務化の対象には、既に発生している義務化前の相続も含まれているため、今まで未登記で放置していたものも全て相続登記をしなければならなくなります。

義務化前の相続については、以下のいずれか遅い日の期限までに相続登記を申請する必要があります。

・自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内
・民法および不動産登記法の改正法の施行日から3年以内

改正法の施行日は、2024年4月頃と予想されています。したがって、原則として既に発生している相続に関しては、2027年3月頃までには相続登記を完了させることが必要です。

2027年というと少し先のような気がしますが、それまでに再び相続が発生してしまうと、相続人がさらに増えることになります。

また、現在の所有者が高齢の場合、認知症を発生してしまうこともリスクの一つです。
認知症によって本人の意思能力がなくなると、遺産を分割するための協議ができなくなります。

そのため、既に発生している相続に関しては、今から早めに相続登記を終わらせてしまうことをおススメします。

5.相続登記をしないとどうなる?

この章では、相続登記をしないとどうなるかについて解説します。

5-1.義務化前で困ること

義務化前で困ることは、相続登記をしないと不動産が売れない点になります。
2021年8月時点では、相続登記は義務化も罰則もありません。

ただし、相続した物件を売却するためには、実質的に相続登記が必要となります。その理由としては、相続登記されていないと所有者がはっきりせず、購入希望者が物件検討しにくくなるからです。

相続では、原則として財産が相続人同士の共有で引き継がれます。共有物件の売却には、共有者全員の同意が必要です。

例えば、Aさんが被相続人(亡くなった人)で、BさんとCさんが相続人だったとします。仮に名義がAさんのままの状態でBさんとCさんの同意を得た状態で売却活動を進めたとしても、相続では後から隠し子のDさんが相続人として現れる可能性があります。

Dさんも共有者の一人ですので、Dさんが売却に反対すれば物件を売れなくなります。

このように相続登記が未了の物件は購入できないリスクがあり、買主にとっては検討しにくい物件となるのです。

そのため、相続した不動産を売却するには、売却前に相続登記を終わらせた状態で売却活動をスタートすることが一般的となっています。

相続登記が未了の物件は、実質的に売却できないため、売るのであれば義務化されていない時点でも相続登記をする必要があるのです。

5-2.義務化後で困ること

義務化後で困ることは、罰則があるということです。相続登記が義務化された後は、罰則規定が設けられています。正当な理由がないのにその申請を怠ったときは、「10万円以下」の過料があります。

相続登記の期限である自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、所有権の取得をしたことを知った日から3年以内に相続登記をすれば過料は免れます。

ただし、相続登記義務化後であっても、売却するのであれば相続登記が必要となることは同じです。

相続登記の義務は「3年以内」となっていますが、例えば相続の6ヵ月後に不動産を売る場合、「3年以内」の期限に関わらず売却前には相続登記が必要となります。

一方で、売却しないのであれば、3年以内に相続登記をしないと10万円以下の過料を命ぜられるということです。

6.相続登記の登録免許税

相続登記では、登録免許税が生じます。相続に起因する名義変更の登録免許税の求め方は以下の通りです。

登録免許税 = 固定資産税評価額 × 0.4%

その他、司法書士に相続登記を依頼する場合は、司法書士手数料も発生します。相続登記の司法書士手数料の相場は6 ~7万円程度です。

7.相続登記の必要書類

相続登記には、「法定相続」と「遺産分割協議」、「遺言」による3つの名義変更の方法があります。

法定相続とは法定相続割合で遺産を相続する方法です。

遺産分割協議による相続とは、遺産分割協議を行って遺産を分割する方法のことを指します。遺産分割協議とは、相続後に相続人同士の話し合いによって遺産の分割方法を決めることです。

遺言による相続とは、遺言書に従って遺産を分ける方法のことを指します。

それぞれの名義変更方法と相続登記の必要書類は下表の通りです。

名義変更方法必要書類
法定相続・被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本
・被相続人の除住民票
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の住民票
・固定資産税評価証明書
・相続関係説明図(任意)
遺産分割協議・遺産分割協議書(相続人全員自著・実印押印・印鑑証明書添付)
・被相続人の10歳前後から死亡に至るまでの継続した全ての戸籍謄本
・被相続人の除住民票
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の住民票
・固定資産税評価証明書
・相続関係説明図(任意)
遺言・遺言証書
・遺言者の死亡事項の記載のある除籍謄本
・遺言により相続する相続人の住民票
・固定資産税評価証明書
・受遺者の戸籍謄本
・相続関係説明図(任意)

必要書類は、名義変更の方法によって若干異なる点がポイントとなります。

8.まとめ

以上、相続登記について解説してきました。相続登記とは、不動産の所有者が亡くなったときに行う所有者の名義変更の登記のことを指します。相続登記が行われず所有者不明土地が増加していることから、2024年より義務化されるものと予想されています。

相続登記の期限は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、所有権の取得をしたことを知った日から3年以内です。相続登記義務化より前の相続も義務化の対象となります。

相続登記義務化以降では、相続登記をしないと10万円以下の過料に処せられます。相続登記には、登録免許税が必要です。

既に相続が終了している案件に対しても、義務化以前に早めに相続登記を終えておきましょう。

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