田舎の土地売却は苦戦する!打開するオススメの売却・活用・処分方法と注意点

田舎の土地売却は苦戦する!打開するオススメの売却方法と注意点

不動産業というのは都市部の産業です。

基本的には都会の方が土地代も高く、賃料も高いため、不動産業は都会の方が儲かります。

一方で、田舎は土地代も安く、賃料も安いため、不動産業としては儲かりません。

そのため田舎の土地を売るときには、不動産会社の数もグッと少なくなります。

不動産会社が少ないということは、売却を手伝ってくれる不動産会社も少なくなり、売却活動はかなり苦戦します。

そのため、田舎の土地を売却しようとすると、相談相手がおらず、悩む方も少なくありません。

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 土地が田舎にあるが、売れるのだろうか
  • 市街化調整区域の土地をどう処分して良いのかわからない
  • 農地はやたらと売れないと聞いたが、本当だろうか

そこで今回の記事では「田舎の不動産売却」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは田舎の土地の特性を理解し、田舎の土地も安心して売却できるようになります。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士

1.田舎の土地は本当に売れないのか

人口の少ない田舎の土地は、売却が難しいことは誰でも想像つくところだと思います。

では、本当に田舎の土地は売れないのでしょうか。

事例を見ると分かる!田舎の土地でも売れている

2019年の地価調査においては、秋田県が全国の中で最も地価が低い都道府県でした。

秋田県の人には申し訳ありませんが、秋田県の事例を元に「実際に売却できている田舎の土地」について状況を分析してみます。

秋田県に限らず、一般的に土地の坪単価が1万円を下回るようなケースでは、土地の市場性が著しく低く、売却が極めて困難な状況にあると考えられます。

そこで、秋田県の中で坪1万円を下回る成約事例を筆者の方で調査してみました。

昨年1年間の中で、秋田県で坪1万円を下回る取引は10件存在します。

販売期間の長いものから並べると以下の通り。

取引態様坪単価所在販売期間
専属専任0.7万円秋田県能代市40ヶ月
専属専任0.4万円秋田県能代市13ヶ月
売主0.8万円秋田県仙北郡10ヶ月
一般0.6万円秋田県横手市9ヶ月
一般0.7万円秋田県山本郡7ヶ月
専任1.0万円秋田県秋田市6ヶ月
一般1.0万円秋田県南秋田郡4ヶ月
専任0.4万円秋田県秋田市2ヶ月
専任0.7万円秋田県能代市2ヶ月
一般0.8万円秋田県秋田市1ヶ月

上表を見ると、販売期間は最も長いもので40カ月、短いものでは1ヶ月となっています。

40ヶ月という物件だけが例外的に長いですが、その他は概ね1年以内で売却できており何年も売れない状況というわけではありません。

値段設定が適切であれば、絶対に売却できないという話ではなく、田舎でも土地はきちんと売れるということです。

また、市街化調整区域や農地などでも売却することは可能。

市街化調整区域とは、都市計画法上で定められている「市街化を抑制すべき区域」

市街化調整区域や農地の売却については下記記事で詳しく解説しています。

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大事なのは適切な価格設定

また、媒介契約の種類についても注目すべき点があります。

媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。

媒介契約の種類

媒介契約の種類

媒介契約の種類の主な特徴をまとめると以下の通り。

特徴一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
他業者への依頼重ねて依頼ができる重ねての依頼ができない重ねての依頼ができない
自己発見取引
(自分で買主を見つけること)
認められる認められる認められない
制約に向けての不動産会社の義務努力義務積極的努力義務積極的努力義務
不動産会社の業務処理状況の報告義務特になし2週間に1回以上の報告1週間に1回以上の報告
レインズへの登録特になし契約締結日の翌日から7日以内に登録契約締結日の翌日から5日以内に登録
有効期間法的な規定なし3ヶ月3ヶ月

  • 一般媒介契約とは、複数の不動産会社に重ねて媒介を依頼することができる媒介契約
  • 専任媒介契約と専属専任媒介契約は、1社の不動産会社にしか仲介を依頼できない契約

専任媒介契約と専属専任媒介契約の違いは、自己発見取引をできるかどうか。

自己発見取引とは、売主が自分で買主を探してくること

秋田県の例を見ると、専属専任媒介契約の物件は販売期間が長期化しており、売却が困難になっていることが分かります。

1年以上も売れない物件は、2件とも専属専任媒介契約。

一方で、9カ月以内で売れている7件のうち、4件は一般媒介契約でした。

通常、田舎の安い土地は、不動産会社のやる気を上げるために専任媒介で売却することがセオリー。

でも事実を見ると、一般媒介契約も非常に有効な売却手段であることが分かります。

田舎の土地の売却は難しいですが、適切な値段設定や媒介契約の選択を行えば、きちんと売れているというのが実態です。

田舎の土地が売れるか確かめる方法

田舎の土地が売れるかどうかは、査定を取ることで確かめることが可能。

査定を取り、価格がつくということは基本的に売れることを意味します。

仮に売れなければ査定価格はゼロということになるため、その場合には本当に売却できないということ。

査定を取った際、注目すべきポイントは土地単価にあります。

  • 不動産会社に査定を依頼し土地単価が坪1万円以上であれば、売却できる可能性はかなり高い
  • 土地単価が坪1万円未満の場合には、相当に売却に苦戦する

ただし、秋田県の例を見ても分かるように、坪1万円未満であっても売却が絶対に不可能というわけではありません。

坪1万円未満のケースでは、総額を例えば「100万円未満」または「50万円未満」「10万円未満」で設定し、安い総額でインパクトを与えると売れる可能性が出てきます。

土地は、持っているだけで固定資産税や除草費用等の費用がかかるというデメリットがあります。

持っているだけでマイナスとなるような土地は、思い切って値下げして売却するようにしましょう。

以上、田舎の土地でも売れている事実を見てきました。

では、実際にどのように売却活動していけばいいのでしょうか?

2個目のh2の前

2.田舎の土地を売却・活用・処分する6つの方法と注意点

この章では田舎の土地を活かす6つの方法を見ていきます。

  1. 地元の不動産会社に相談する
  2. 土地を活用する
  3. 空き家バンクを利用する
  4. 自治体に売却する
  5. 自治体に寄付する
  6. 相続放棄をする

方法①地元の不動産会社に相談する

田舎の土地の売却では、地元の不動産会社に相談するのが鉄則。

他の都道府県の田舎の事例を見ても、田舎の土地は「三井のリハウス」や「住友不動産販売」のような大手不動産会社が仲介しているようなケースはほぼありません。

不動産会社が得られる仲介手数料は、取引される不動産の価格に連動。

大手の不動産会社は、田舎の土地を売却しても、仲介手数料が安いため、本気になって売却活動を行ってくれません。

取引金額が小さい田舎の土地は、地元の中小の不動産会社でないとまともの扱ってくれませんので、まずは地元の不動産会社に相談するようにしてください。

地元の不動産会社を探すオススメ方法

地元の中小の不動産会社を探すのは苦労すると思います。

そこでオススメなのが一括査定サイトを使うこと。

一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

一括査定サービスの仕組み

一括査定サービスの仕組み

複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

一括査定の流れ

一括査定の流れ

一括査定サイトを使うと、売却予定の土地に合わせた複数の不動産会社を自動的に見つけてくれます。

中でもオススメなのが、「 HOME4U 」「 HOME’S売却査定 」の2つ。

  • HOME4U :NTTグループが運営、運営実績19年目で多くの不動産会社が見つかります。
  • HOME’S売却査定 :賃貸で有名なホームズは、地域密着の不動産会社がたくさん見つかります。

ただし、田舎の土地だと一括査定サイトを使っても1社しか出てこな可能性があります。

HOME4U 」「 HOME’S売却査定 」で栃木県で実施したところ、それぞれ1社しか出てきませんでした。

HOME4Uで1社見つかる

HOME4Uで1社見つかる

HOME'Sで1社見つかる

HOME'Sで1社見つかる

1社だけのアドバイスだと売却が長引く可能性が増してしまいます。

HOME4U 」「 HOME’S売却査定 」や「 イエウール 」を併用して、複数の不動産会社に相談できるようにしましょう。

一括査定サイトについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

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仲介手数料を上限にする

田舎の土地を売却する場合、仲介手数料について新しいルールがあります。

仲介手数料は取引額に応じて、その上限額が以下のように決まります。

取引額 (売買金額)速算式(上限額)
200万円以下5%
200万円超から400万円以下4%+2万円
400万円超3%+6万円

ただし、2018年1月1日以降より、400万円以下の低廉な空き家等の取引については、不動産会社は媒介報酬に加え、現地調査等の費用を受領することができるようになりました。

不動産会社は仲介手数料に現地調査等の費用を加えることができ、最大18万円まで受領することが可能です。

低廉な空き家等と書かれていますが、この新ルールは空き家だけではなく、更地(土地)の売却でも適用されます。

従来の手数料だと、不動産会社が得られる仲介手数料があまりにも低いため、不動産会社の協力が得られないという問題がありました。

そこで、不動産会社が最大18万円まで手数料を受領できるようにしたことで、不動産会社の協力が得やすくなるように変更されています。

よって、不動産会社の方も以前よりは田舎の土地を積極的に売却するようになりました。

売主にとっては負担が増えますが、不動産会社のやる気をアップさせるためにも、要求されたら気持ちよく18万円を払うことをオススメします。

仲介手数料については下記記事でさらに詳しく解説しています。

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専属専任媒介は避ける

田舎の土地を売るときは、専属専任媒介は避けるようにしてください。

秋田県の事例を見ても分かるように、専属専任媒介は売却期間が長期化しますので、売りにくさが助長されます。

専任媒介であれば、売主が自ら買主を探すことができる自己発見取引ができますので、1社に依頼する場合は専任媒介の方が適切です。

田舎の土地は、売主自身も隣地所有者や知人等に声をかけて売却活動をすることが必要となります。

また、売却のチャンスを広げるのであれば、一般媒介も捨てがたい契約形態。

秋田県の事例でも、9カ月以内で売れている7件のうち、4件は一般媒介契約でした。

田舎の土地は、購入者を見つけるのが大変であるため、一般媒介にした方が少しでも情報を集めやすくなります。

そのため、田舎の土地の売却では、不動産会社が専任媒介を望まない状況であれば一般媒介をベースに複数社に依頼することをオススメします。

不動産会社も、得られる仲介手数料は高々18万円なので、専任媒介に強くこだわらないケースも多いです。

専任媒介にしたからといって、不動産会社のやる気が著しくアップするとは言い難く、少しでもチャンスを広げられる一般媒介を選択した方が売れる確率は上がります。

方法②土地を活用する

田舎の土地でも意外と活用に使えたりします。

筆者が知っているだけでも下記のような土地活用をしてうまくいっている方がいます。

  • 青空駐車場
  • 資材置場
  • 貸農園
  • 野立看板用地
  • 産廃処理場
  • 太陽光ソーラーパネル
  • トランクルーム
  • コインランドリー
  • 介護施設
  • コンビニ

HOME4U土地活用 を使うと、複数社から土地活用の計画プランがもらえます。

NTTグループ運営で提案会社も厳選されていることから非常にオススメです。

田舎の土地活用については下記記事でさらに詳しく解説しています。

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方法③空き家バンクを利用する

田舎の土地を売るには、空き家バンクの利用するのも一つです。

空き家バンクとは、居住者のいない空き家を活用し、地域振興などにつなげるために市町村等の自治体が空き家を紹介する制度

空き家バンクは全ての自治体であるわけではありません。

空き家バンクは、簡単に言うとSUUMOやアットホーム等のような不動産ポータルサイトの自治体版です。

ただし、SUUMOやアットホーム等のような不動産ポータルサイトは「すぐ貸せる・すぐ売れる」という物件しか載せることができませんが、空き家バンクは「将来、売却したい」という未来の物件も載せることができるのが特徴です。

売却のチャンスを広げることができるので、自治体に空き家バンクがある場合には、ぜひ活用するようにしてください。

空き家バンクは、ホームズから探すことができます。

方法④自治体に売却する

土地は行政側のニーズに合致すれば、「公有地の拡大の推進に関する法律(以下、「公有地拡大推進法」と略)」によって自治体への売却も可能です。

公有地拡大推進法とは、公共用地にする土地を買い取る機会を市区町村などの自治体に与える法律

街をより良く発展させ、計画的に整備していくためには、道路・公園などの公共用地の確保が必要となりますが、公有地拡大推進法は、これらの公共用地の確保をスムーズに進めるためにできた法律となります。

公有地拡大推進法による土地売却のフローは以下のようになっています。

公有地拡大推進法による土地売却の流れ

公有地拡大推進法による土地売却の流れ

市区町村には、公園課や緑地課、道路課、土木課、下水道課、教育委員会等、土地を必要としている部署があります。

これらの関連部署が必要とする土地が、買取を申し出た土地と合致する場合には、売却が成立することになります。

ニーズが合致しない限り買わないというのは、通常の土地売買と同じです。

土地購入ニーズは、基本的に国よりも地方自治体の方があります。

国に売る自治体に売る方が可能性は高いので、まずは自治体への売却を中心に考えましょう。

方法⑤自治体に寄付する

売れない土地は、自治体に寄付する方法もあります。

ただし、寄付であっても自治体は必要な土地以外は受け付けないので、自治体に売却できないような土地は、基本的に寄付もできません。

しかしながら、寄付の場合は行政の支出が不要となるため、売却よりは土地を手放せる可能性は高まります。

自治体に寄付す場合、特にルールはありませんが、一般的な寄付の流れとしては以下のようなものがあります。

  1. 担当の窓口への相談
  2. 自治体による調査の実施
  3. 必要と判断された土地であれば手続きを進める
  4. 寄付の完了

例えば、秋田県(秋田県の方、本当に申し訳ございません)では財産の寄附を申し込むための書類も用意してあります。

寄付は各自治体によってスタンスが異なりますが、県または市区町村に直接問い合わせて寄付の可能性を確認するようにしてください。

国や自治体に売る・寄付については下記記事でさらに詳しく解説しています。

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方法⑥相続放棄をする

相続放棄とはプラスの財産もマイナスの財産も相続しないで、相続の権利を全て放棄すること

相続放棄をすると、その人は最初から相続人でなかったものとみなされます。

残念ながら「不要な土地だけ」を放棄することはできませんが、相続放棄をすれば土地を手放すことは可能。

相続放棄には、「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」という期限があります。

相続放棄は、資産のうち大半が不要な土地である場合や、資産よりも借金の方が多い場合に有効です。

3.まとめ

田舎の土地は全く売れないわけではありません。

田舎の土地は一般媒介または専任媒介で売ることが効果的です。

HOME4U 」「 HOME’S売却査定 」や「 イエウール 」を併用して、複数の地元の不動産会社に相談することから始めましょう。

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