既存住宅売買瑕疵担保保険とは何か?保証内容・保険料と買主と売主の加入条件

既存住宅売買瑕疵担保保険とは何か?保証内容・保険料と加入条件

中古住宅の売買では、思わぬ不具合に見舞われるリスクがつきものです。

とくに、普段は目に見えない住宅の基礎部分については、買主はもちろんのこと、見えないゆえに居住していた売主すら気が付いていなかった不具合が出てくるかもしれません。

そうしたリスクに対応するのが「既存住宅売買瑕疵(かし)担保保険」です。

「瑕疵(かし)」とは、「通常有すべき品質を欠くこと」

こんな悩みをスッキリ解消!

  • 既存住宅売買瑕疵担保保険とは?加入するべき?
  • 保険料は誰が負担するのだろう?
  • 加入すると、売主・買主にどのようなメリットがあるの?

そこでこの記事では、「既存住宅売買瑕疵担保保険」についてフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことであなたは、既存住宅売買瑕疵担保保険の内容について知ることができます。

本記事のポイントまとめ

  • 瑕疵担保責任とは、売却後に売主が負う損害賠償や契約解除等の責任のこと
  • 既存住宅売買瑕疵担保保険とは、瑕疵が発見されたとき、その修繕費用を保険金でカバーできる保険のこと
  • 瑕疵担保保険の補償対象となる部分は、住宅の構造耐力上主要部分および雨水の侵入を防止する部分(建物の物理的瑕疵のみ)
  • 不動産売却で大事なことは、「信頼できる不動産会社を探せるか」
    ※詳細は「5.信頼できる不動産会社探しが家売却の成功のコツ」に解説しています。

株式会社グロープロフィット 代表取締役 竹内英二

【執筆・監修】不動産鑑定士・宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター

株式会社グロープロフィット 代表取締役

竹内英二

大手ディベロッパーにて主に開発用地の仕入れ業務を長年経験してきたことから、土地活用や不動産投資、賃貸の分野に精通している。大阪大学卒業。不動産鑑定事務所および宅地建物取引業者である「株式会社グロープロフィット」を2015年に設立。

資格不動産鑑定士・宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・中小企業診断士

1.既存住宅売買瑕疵担保保険とは

まずは、この保険について理解するために重要な「瑕疵担保責任」を確認。

次に本題である「既存住宅売買瑕疵担保保険」の内容を見ていきます。

瑕疵担保責任とは

中古住宅の売却においては、買主が物理的瑕疵をとても気にする傾向にあります。

物理的瑕疵とは、建物の雨漏りや家の傾き、シロアリによる床の腐食などを指します。

特に木造の戸建住宅では、躯体が老朽化しやすく、何らかの問題を抱えていると思われがちです。

鉄筋コンクリート造のマンションでも、横浜の傾きマンションの事件があったときから建物の瑕疵に関心が高い人が増えています。

民法では、売却後に瑕疵が発見されたとき、買主は「発見後1年間」は売主に対し損害賠償を、契約目的の達成できない場合は契約解除を請求できると定めています。

売却後に売主が負う損害賠償や契約解除等の責任を瑕疵担保責任と呼んでいます。

※2020年4月に民法が改正された後は、瑕疵担保責任は契約不適合責任と呼ばれることが多くなりました。

ただし、この民法の規定は、任意規定とされています。

任意規定とは買主の了解を得れば変更することができる規定のこと

民法の原則だと売主の責任があまりにも重すぎるため、不動産の売買契約では、任意規定を利用し瑕疵担保責任の免責条項を定めることが一般的です。

瑕疵担保責任の免責条項では、売主の瑕疵担保責任期間を3ヶ月とすることが一般的

また買主が了解すれば、瑕疵担保責任の責任期間を全部免責することも可能です。

不動産売買時の瑕疵担保責任については、下記記事でさらに詳しく解説しています。

不動産を売却するなら知っておきたい瑕疵担保責任の内容と注意点
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売主なら知っておきたい知識の一つに瑕疵担保責任というものがあります。 まず、瑕疵とは「カシ」と読みます。「カ」は「ヒマ」 ...

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売主が負うべきこれらの瑕疵担保責任を保険によってカバーする方法があります。

「既存住宅売買瑕疵担保保険」がそれに当たりますので、次でご紹介します。

既存住宅売買瑕疵担保保険とは

既存住宅売買瑕疵担保保険とは瑕疵が発見されたとき、その修繕費用を保険金でカバーできる保険

売主としては、瑕疵担保責任は無い方が良いですが、買主からすると、売主が瑕疵担保責任を負ってくれないほど不安になります。

例えば瑕疵担保責任の期間を3ヶ月としたとしても、もし4ヶ月目の初日に瑕疵を発見した場合、買主は誰にも瑕疵を訴えることができません。

売主としてはできるだけ瑕疵担責任を負いたくない、それに対して買主は売主に瑕疵担保責任を負って欲しいと相反する思いがあります。

よくあるパターンとしては、売主が瑕疵担保責任を全部免責すると、買主は値引きを要求してくるということ。

このように、売主が瑕疵担保責任は、値段にも影響してしまうため、責任の重さと価格のバランスを取るのは難しい課題でした。

そのような中、近年、既存住宅売買瑕疵保険(以下、「瑕疵担保保険」と略)が登場し、注目を集めています。

瑕疵担保保険は、買主が瑕疵を発見した場合、その修繕費用を500万円または1,000万円まで保証金でカバーできる保険。

瑕疵担保保険が付保されていれば、たとえ売主が瑕疵担保責任を全部免責していたとしても、保証付き物件として買主が安心して住宅を購入することができます。

では、瑕疵担保保険はどの部分までが対象となるのでしょうか。

2.瑕疵担保保険の補償対象となる部分と保証額

保険の対象となるのは以下の通り、住宅の構造耐力上主要部分および雨水の侵入を防止する部分です。

戸建住宅(木造・在来軸組工法)の場合

  • 小屋組、屋根版、斜材、壁、横架材、柱、床版、土台、基礎(構造耐力上主要部分)
  • 屋根、開口部、外壁(雨水の侵入を防止する部分)

共同住宅(鉄筋コンクリート造・壁式工法)の場合

  • 屋根版、床版、外壁、壁、床版、基礎、基礎杭(構造耐力上主要部分)
  • 屋根、排水管、開口部、外壁(雨水の侵入を防止する部分)

これらに瑕疵が発見された場合、保険が適用されます。

瑕疵担保保険の対象は建物の瑕疵のみ

瑕疵には下記5つがあります。

瑕疵の種類具体例瑕疵担保保険の対象
物理的瑕疵(建物)建物:雨漏り、シロアリ、耐震強度不足
物理的瑕疵(土地)土地:土壌汚染、地中埋蔵物×
法律的瑕疵法令等の制限により取引物件の自由な使用収益が阻害されているもの×
心理的瑕疵取引物件で過去に自殺や殺人事件、火災、忌まわしい事件、事故など
心理的な面において住み心地の良さを欠く場合
×
環境的瑕疵近隣からの騒音、振動、異臭、日照障害、近くに反社会的組織事務所など
安全で快適な生活が害されるおそれが高いような場合
×

瑕疵担保保険の対象となるのは、建物の物理的瑕疵のみ

物理的瑕疵の中には、例えば土地に関しては土壌汚染や地下埋設物等も存在します。

これらの土地に関する物理的瑕疵は対象外です。

また、瑕疵には他に過去の自殺や忌まわしい事件等の心理的瑕疵も存在します。

心理的瑕疵についても、対象外となります。

瑕疵担保保険というのは、対象となるのが物理的瑕疵のみであるため、全ての瑕疵が対象となる訳ではありません。

保険対称は「建物の物理的瑕疵」のみであるため、やはり売主としては従来通り、瑕疵担保責任期間を3ヶ月などと限定する必要があります。

瑕疵担保保険の保証金額

瑕疵担保保険は、保証期間が1年間と5年間のタイプがあり、保証金額は1年間タイプで500万円と1,000万円、5年間タイプで1,000万円です。

表にまとめると以下の通り。

保証期間1年5年
保証金額500万円1,000万円1,000万円

以上、瑕疵担保保険の内容について見てきました。

では瑕疵担保保険に加入するにはいくら保険料がかかるのでしょうか?

3.瑕疵担保保険の加入料金と加入条件

保険料は保険会社や建物規模、保険内容によって異なります。

保険料は、おおよそ以下のような水準です。

【戸建住宅の場合】瑕疵担保保険料金

保証期間1年5年
保証金額500万円1,000万円1,000万円
100㎡~125㎡未満4.0万円前後4.2万円前後6.5万円前後
125㎡~150㎡未満4.5万円前後4.7万円前後7.7万円前後

【マンションの場合】瑕疵担保保険料金

保証期間1年5年
保証金額500万円1,000万円1,000万円
55㎡~70㎡未満3.3万円前後3.4万円前後4.3万円前後
70㎡~85㎡未満3.4万円前後3.5万円前後4.7万円前後

保険料は、マンションよりも戸建の方が若干高めとなっている傾向があります。

瑕疵担保保険の加入条件

瑕疵担保保険に加入するには、まずインスペクションに合格しなければなりません。

インスペクションとは「視察・検査」の意味で、目視や計測等によって、住宅の基礎部分の劣化や性能低下の有無について調査すること

いわば、住宅版の健康診断といったところです。

インスペクションによって、瑕疵などがないか確認されたら合格となります。

私たちが医師のガンの診断を受け、ガンではないと判断されたらガン保険に加入できるのと同じです。

インスペクションは、売主・買主のどちらが行ってもかまいません。

売主にとっては、第三者機関の「お墨付き」を得た住宅で安心という付加価値で、希望する価格で早く成約に至る可能性があります。

買主にとっては、「お墨付き」により安心して購入することができます。

また、瑕疵担保保険に加入できることは大きなメリットになります。

もし、保険加入のためのインスペクションが実施されていない住宅であれば、買主は売主にインスペクションを求めることができます。

インスペクションを求められた売主は、進んで応じるようにしましょう。

拒否してしまうと、購入希望者に不安な点がある住宅なのではないかと疑念を抱かせてしまいかねません。

もしインスペクションの結果、不合格となった場合でも、売主は保険加入に必要な修繕のアドバイスを受けることができます。

また、買主がインスペクションを行った際、インスペクションに不合格となってしまう場合があります。

その場合、買主がインスペクションの結果を口外して風評被害が発生するリスクがあります。

買主がインスペクションを行う場合には、風評被害防止のため、売主・買主の双方で、調査結果に対する守秘義務を締結するなどの合意書を結んでおくことが重要です。

なお、インスペクションを行なう際は、5万円程度の検査費用が発生します。

ただし、この金額は住宅の広さによって変わってきますので参考程度にしてください。

インスペクションについては下記記事でさらに詳しく解説しています。

インスペクションとは何か?検査箇所や費用・流れと実施するメリット
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以上、瑕疵担保保険の加入金と条件について見てきました。

では、保険料は一体だれが負担するのでしょうか。

4.瑕疵担保保険の費用負担は売主?買主?

保険の費用負担も、売主・買主のどちらがしてもかまいません。

売主が保険の費用を負担した場合は、売却後に万が一保険対象となる瑕疵が発見されても、経済的負担が確実に軽減されるというメリットがあります。

また、「お墨付き」があり、なおかつ保険に加入している住宅ということが付加価値になります。

買主が保険の費用を負担した場合は、購入後に瑕疵が発見されても、保険で保障されるので安心して購入できます。

5.信頼できる不動産会社探しが家売却の成功のコツ

信頼できる不動産会社を見つける

不動産売却で大事なことは、「信頼できる不動産会社を探せるか」。

不動産会社によって、得意としている不動産も異なりますし、この地域は得意・不得意などあります。

中には売却金額に数百万、数千万の差が出ることも。

ただ、あなただけの力でそのような不動産会社に出会えることは難しいと思います。

不動産会社を1社1社回って話を聞いていても、逆に迷うことになり時間ばかりが過ぎてしまいます。

そこで筆者がオススメしているのが「不動産一括査定サービス(サイト)」です。

一括査定とはインターネット上であなたが売りたいと思っている不動産情報・個人情報を入力すると、複数の不動産会社が自動的に見つかり一度に査定依頼できるサービス

一括査定サービスの仕組み

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複数の不動産会社から査定額を提示してもらうことができ、だいたいの相場観を掴むことができます。一括査定の流れとしては下記の通り。

一括査定の流れ

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えぇぇ!!!こんな便利なサービスがあるんですね!
ひよこ生徒 解決
ひよこ生徒

不動産一括査定のオススメは 「すまいValue」「HOME4U」

不動産一括査定は筆者が知っているだけでも30はあります。

その中でも

  • 超大手の不動産会社6社に唯一依頼ができる「 すまいValue
  • 【1都3県・大阪・兵庫・京都・奈良】売主専門の数少ない不動産会社「 SRE不動産(※旧ソニー不動産)
  • NTTグループで安心、一番歴史があり実績抜群の「 HOME4U
  • 地域密着の不動産会社にも数多く依頼ができる「 イエウール

の4つを特にオススメしています。

筆者も不動産一括査定(「 すまいValue 」「 HOME4U 」「 イエウール 」)を利用しました。

下記は「 すまいValue 」を利用して「三井のリハウス」「東急リバブル」「三菱地所ハウスネット」より、査定結果をもらった写真。

とても分厚い査定書を見ながら、3社ともに丁寧に説明をしていただきました。

不動産査定書を3社より入手

不動産査定書を3社より入手

下記表が「不動産売買の仲介件数が多い不動産会社」が「どこの不動産一括査定に参加しているのか」を調査した結果です。

少し細かいので、流し読みする程度でOKじゃぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
不動産一括査定×不動産会社のマッチング表

不動産一括査定×不動産会社のマッチング表

ひよこ生徒 解決
ひよこ生徒
こう見ると、上4つがずば抜けているんですね!
正確にはセンチュリー21はフランチャイズ経営なので、「三井不動産」「住友不動産」「東急リバブル」の3強じゃよ!
フクロウ先生
フクロウ先生

不動産売買は超大手に偏っている

「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」が超大手と言われる不動産会社です。

超大手不動産会社3社で不動産仲介の約30%のシェアを持っています。つまり、不動産売買した人の中で3人に1人は、「三井不動産リアリティネットワーク」「住友不動産販売」「東急リバブル」のどこかに仲介を依頼していることになります。

それだけ日本の不動産売買は、超大手不動産会社に偏っているということ。

超大手不動産会社は販売活動に強く、豊富な買主を持っており、売りやすいとも言えます。

そしてこの3社に唯一依頼できるのが「 すまいValue 」です。なので「すまいValue」は外せません。

超大手不動産会社だけではなく大手・中堅・地域密着の会社とも比較する

ただ、超大手だけで満足してはダメ。不動産業界は特殊な縄張りなどもあり、A地域はX不動産が強い、B地域はY不動産が強いということが存在します。

また、超大手になるほど両手仲介の比率が高まります。

両手仲介とは、1社の不動産会社が売主と買主の両方の仲介を行うこと。買主と売主から手数料をもらえるため、利益相反の関係になる。アメリカは両手仲介は禁止されています。

売却を成功するためにも超大手不動産会社と併せて大手・中堅や地域密着の不動産会社も比較することをオススメします。

その場合は下記のような使い分けがいいでしょう。

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

不動産一括査定の賢い使い方

売らなくてもOK!簡易的な机上査定&メール連絡も可能

紹介したサイトは、簡易的な机上査定も可能です。

また、イエウール以外は備考欄を設けており「メールでの査定額提示を希望」の旨を記載することで、不動産会社に伝わります。

ご要望・ご質問の欄にメールでの査定額を希望

ひよこ生徒 困り
ひよこ生徒
どの一括査定なら「机上査定」「メール要望」が使えるんですか?
下記に比較してまとめてみたぞ!
フクロウ先生
フクロウ先生
一括査定机上査定備考欄
すまいValue
HOME4U
イエウール  
SRE不動産(※旧ソニー不動産)

6.瑕疵担保保険は買主に税金メリットあり

瑕疵担保保険に加入している住宅を購入することで、買主側には税金等のメリットがあります。

特に、築年数により税制優遇の適用外であった中古住宅も、瑕疵担保保険への加入によって優遇対象になるのです。

具体的には、次のような税金や給付金が対象となります。

  • 登録免許税の軽減
  • 不動産取得税の軽減
  • 住宅ローン控除
  • すまい給付金
  • 贈与税の住宅取得等資金の非課税制度

瑕疵担保保険と税制優遇に関しては、下記に詳しく記載しています。

売主・買主必見!瑕疵担保保険を付保したときの税制優遇の完全ガイド
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近年、注目を浴びつつある「住宅瑕疵担保責任保険」は、その効果は瑕疵発見時の保険だけに留まりません。 瑕疵担保保険を付保し ...

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まとめ

既存住宅売買瑕疵担保保険について見てきました。

今後、中古不動産売買においては「既存住宅売買瑕疵担保保険」を目にする機会がますます増えていきます。

この記事で紹介したような情報を知っておくと、売主・買主双方ともにより良い条件で成約が可能となります。

中古住宅の売買は不安がつきものであるからこそ、保険を上手に利用して安心して取引しましょう。

瑕疵担保保険に加入するためのインスペクションの実施相談や売却計画の相談は、 「 すまいValue 」「 HOME4U などの不動産一括査定を利用して、複数の不動産会社に相談しましょう。

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