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引越しのねらい目時期、ご存知ですか?

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  賃貸仲介を中心業務としている不動産会社の繁忙期は1月から3月です。この頃は10年、20年前と比べ学生数も減り、交通の技術革新及びITの発達で転勤により引越しをする件数も減っている関係で薄れつつありますが、まだこの時期が間違いなく物件案内件数も、契約成約件数も一番多いのです。

  一般的に物件が賃貸市場に豊富に流れる時期はこの繁忙期で、新築物件を供給するオーナー側も借り手が見つけやすく、契約率も比較的高いこの時期に物件を完成させようとすることが多いのです。また、この時期に賃貸を開始した方も多いため、更新時期が重なり物件の入れ替えが必然的に多くなり、賃貸市場に希望に沿う多種多様な物件が出回る時期であることも確かです。

  しかし、不動産会社側はこの繁忙期の顧客数にあわせ、社員を雇用するわけにいきませんので、会社によっては定休を返上し、社員は長く残業させ、何とか対応している会社も少なくありません。よって、物理的に一番顧客案内に時間をかけられない、1件あたりの平均接客時間が最も短い時期なのです。仲介手数料は基本的には賃料の1ヶ月相当分であるため、顧客側の接客面から見ればコストパフォーマンスが一番悪い時期ともいえます。

  極端な実話ですが、筆者が顧客として某不動産会社に車で物件案内してもらった際、交差点での信号待ちの数分間で居眠りをしてしまうほど、疲れている担当者と遭遇してしまいました。危ないですよね(笑)

  でもよく考えてください。この時期に絶対引越しを行わなければならない、地方から上京する新入生、転勤者は別としても、この時期に引っ越す必然性のない方は、何もこの時期に引越しする必要はないのです。繁忙期を過ぎれば比較的混雑していませんので、不動産会社の担当者にゆっくりと時間をかけて数物件案内してもらうこともできますし、色々な相談にものってもらえます。

  気に入った物件のみ自分達で昼夜時間をかえて見学する機会を確保でき、周囲を散歩して周辺環境を調査しながら、自分たちのペースで物件を決めることもできるのです。もちろん、「今契約しなければ次の方に契約されてしまう」などと焦らされることも少ないのです。

  また、繁忙期は借り手が見つけやすく、人気物件は契約率も高いため家賃交渉などは難しいですが、繁忙期を過ぎれば、来店客の件数も減り、オーナー側も早期に入居者を決めたいがために、家賃を減額したり他の条件(礼金、敷金)を緩和したり、人気のない物件は家賃交渉に応じることもあるかもしれません。引越しについても同じことが言えます。引越し会社もこの時期は稼ぎ時であるため、引越し代金も高く、値引き交渉もまず難しいでしょう。

  それでは、引越しの一番の「ねらい目時期」はいつなのでしょうか?

  ズバリ5月のゴールデンウィーク明けから7、8月にかけての時期が、ベストであると考えます。

  ゴールデンウィークを過ぎるとオーナー側もだんだん焦りの気持ちが強くなってきますので、「お得な」物件に出会えることもあります。3月後半に前入居者が退去し、現状復旧、室内クリーニングを完了した人気物件が、まだ運よく残っている可能性もあります。引越し代金も繁忙期を過ぎているため、値引き交渉も比較的容易で、住居移転に伴う諸経費を大幅に削減することもできるでしょう。

《森 朝洋》
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森 朝洋

森 朝洋

株式会社アルセン 営業企画部 部長 東京都出身、昭和46年生まれ、宅地建物取引士。 米国州立モンタナ大学卒業後、信託銀行系不動産会社に入社。分譲マンション、投資用収益マンションの企画、事業推進など不動産開発事業に従事。その後、家業を継ぐ形で現職である株式会社アルセンに入社。同社では不動産賃貸業、不動産仲介業をはじめ、オーナーとの信頼関係を第一に、長期的視野に基づき所有資産の最適化及び維持向上を日々心がけ、不動産賃貸管理業に精力的に取り組む。 寄稿者にメッセージを送る

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