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消費と貯蓄の法律学と経済学 多重債務に陥るのはこんな人

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  「生活費が足りなかった」という理由で多重債務に陥る方はよくおられます。では,なぜ生活費が足りなかったのか。失業や収入減などで,一時的に借入でしのいだつもりが,なかなか抜け出せず・・・突発的な支出を借入で補って・・・などなど。

  いったん借入をしてしまうと,利息をつけて払っていくのは大変です。借金を借金で返していくようになると,雪だるま式に借金がふくらんでいきます。

  1つのパターンとして,収入,支出が一定でない方が,うまくやりくりできなかった,というケースがあります。「手元にお金があると,ついつい使ってしまう」という方です。お金が足りなくなると,「収入が多い月に返そう」などと考えて借入やカード払いで補い,借金がふくらんでいきます。

  住宅ローンのボーナス払いがあるのに,ボーナスが減った,なくなった,という方もよくおられます。よくよく家計を見ると,月々の収入をきちんと貯蓄していれば,ボーナスがなくてもボーナス払いに対応できるはずだったと思われる方がおられます。

  「収入が減っても,生活レベルを下げることが難しかった」という方もおられます。なんて身勝手な,と思われるかもしれません。しかし,経済学を勉強すると,このような消費態度を指摘する経済学の学説に行き当たります。

〈デューゼンベリーの相対所得仮説〉
 時間的相対所得仮説
  : 個人消費は,過去の最高所得に依存する。
    一時的に所得が下がっても過去の最高所得に消費が影響を受けるため
    消費の減少に歯止めがかかる(=ラチェット効果)。

  ラチェット効果による借入。これから収入が減少していくであろう弁護士業界の方々(私も含め)も,心しておく必要があるかもしれません。

  弁護士が債務整理を受任した後も,貯蓄を依頼者任せにすると,貯蓄が難しいことが多いものです。債権者に返済を始めるまでの間,弁護士の口座に毎月お金を積み立ていただき,強制的に貯金をしていただいたりします。

  札幌のマネーバランスFPの方が,お金の貯め方について書いておられるので,ご紹介しましょう。

 貯めているつもりが減っているお金
 お金を貯めたかったら どうすればいいの?
 特別なことをしなくても、お金が増やせる人って?

  一方,そんなに高収入でもないのに,結構な額の貯蓄を作る方もおられます。そんな堅実な方が,なぜ弁護士のお世話になるのか。その方が亡くなった後,こつこつ貯めたお金をめぐって,子供達が争ったりするからです。

  FPと弁護士を上手に使って,トラブルを防ぎましょう。

《楾 大樹》
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楾 大樹

楾 大樹

「ひろしま市民法律事務所」 所長 弁護士・税理士・ファイナンシャルプランナー 平成16年弁護士登録。相続,離婚,債務整理,不動産問題,損害賠償,企業法務など,法律問題全般を扱う。特に相続案件では,弁護士・税理士両面からのアドバイスを行う。FP資格を持つ,数少ない弁護士。 寄稿者にメッセージを送る

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