先週24日に与党が来年度の税制改正大綱をまとめました。これで政府・与党案が固まったことになります。これから、国会に提出され議決されますので、正式にはまだ決まっていないのですが、増税項目などは、事前に民主党と協議されてますので、ほぼ、この線で決定されると思われます。
さて、まずはここでも頻繁に取り上げた「住宅ローン減税」。一部未定の部分がありますが、以下のように決定しました。まず、消費税率が5%の物件と、8%・10%の物件とでは、扱いが異なることを押さえることが大切。消費税率アップの影響を受けない(5%のまま)ように行動する場合は優遇の幅が小さい。
消費税率アップの影響を受けないようにするには、
・来年3月末までに物件の引渡しを受ける、あるいは、
・今年の9月末までに建築工事請負契約を締結して来年4月以降に引渡しを受けることが必要ですね。
いっぽう、消費税率8%・10%になると、税額負担がアップするので優遇幅が大きくなっています。
目次
消費税率5%のとき
○一般住宅
・2013年1月~2017年12月までの入居について、住宅ローンの年末残高(限度額は2,000万円)×1%の所得税が10年間にわたって減税されます。
なお、所得税から差し引けない額は、住民税から97,500円を限度に差し引かれます。減税の規模は、10年間で最大200万円になります。
○認定長期優良住宅・認定低炭素住宅
・2013年1月~2017年12月までの入居について、住宅ローンの年末残高(限度額は3,000万円)×1%の所得税が10年間にわたって減税されます。
なお、所得税から差し引けない額は、住民税から97,500円を限度に差し引かれます。減税規模は、10年間で最大300万円。
※上記を平たく言うと、今年いっぱいで終了する予定の仕組みが、あと4年間、ただ延長されるということ。優遇幅は拡大しません。
消費税率が8%・10%のとき
時期は、2014年(来年)4月以降入居ですね。
○一般住宅
・2013年4月~2017年12月までの入居について、住宅ローンの年末残高(限度額は4,000万円)×1%の所得税が10年間にわたって減税されます。
なお、所得税から差し引けない額は、住民税から136,500円を限度に差し引かれます。減税の規模は、10年間で最大400万円になります。
○認定長期優良住宅・認定低炭素住宅
・2013年4月~2017年12月までの入居について、住宅ローンの年末残高(限度額は5,000万円)×1%の所得税が10年間にわたって減税されます。
なお、所得税から差し引けない額は、住民税から136,500円を限度に差し引かれます。減税規模は、10年間で最大500万円。
さて、「消費税率5%」と「8%・10%」の違いは2つ。
・年末の住宅ローン残高の限度額
・住民税から差し引ける限度額
なお、消費税率8%・10%のときに、所得税・住民税の両方からも差し引けない金額を現金給付することになっていますが、その場合の制約(年収制限など)はこれから決まる予定のようです。
このことからわかること
1、消費税率10%のときに住宅を購入するよりも、8%のときが有利
なぜなら、どちらにしても、減税の規模に変化がないからです。
2、消費税率5%(現在)のときと、8%のときとでは、どちらが有利かはよくわからない。
購入する人の所得や、借りる住宅ローン金額によりますし、今後決まる「現金給付」の水準によっても異なってくるからです。
ただ、最大の減税規模からみると、次のことが言えるかと思います。一般住宅の場合でいうと、消費税5%のときのは10年間で最大200万円、8%以上のときは最大400万円。差額は200万円です。しかし、実際には4,000万円以上のローンを組める人が稀なことを考えるとこの差額は縮みます。
ちなみに、3,000万円の住宅ローンを組む場合、消費税5%のときの10年間の減税枠は約200万円。8%以上のときはざっくり250万円程度でしょう。税率アップの前と後とでは、あとのほうが50万円程度有利です。
いっぽう価格3,000万円の物件の消費税率の差3%は、額として約90万円。税率アップの前と後とでは、前のほうが40万円程度有利です。単純にこれだけみると、消費税率5%のとき、つまり、来年3月末までに入居するスケジュールで取得を考えるのが有利。
さらに、家電や家具、調度類も、来年4月以降の購入は消費税率が8%になります。とすれば、やはり来年3月末までに購入????