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今後も株高は続くのか?アナリスト経験に基づく投資のヒント(前編)

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ここからの日本株投資

  昨年11月半ば以降、大胆な金融緩和策をはじめとするアベノミクスへの期待から、この4カ月余りで日経平均株価、TOPIX共に約43%上昇しました。需給面からは、ヘッジファンド主導による海外の短期マネーが株価を押し上げたとみられています。

  投資環境が大幅に改善する一方で、これまでの株高が期待先行の感は否めないとの指摘も多く、投資家の関心は「今後も株高の流れは続くのか」という1点に集中していると言えます。

  こうした現状を踏まえ、ここからの日本株投資について、私のアナリスト経験に基づく見解を本日(全体観)と次回(実践編)との2回に分けて申し上げることで、皆様方の投資のヒントとなれば幸いです。

今後も株高の流れは続くのか

  「今後も株高の流れは続くのか」について結論から申し上げれば、私は続くとみています。

  アベノミクスの最終的な成否は事の成り行きを見守る必要がありますが、今回のような大きな構造改革が見込まれる時には循環的な株価の変化率から、より長期的な視点での株価の水準訂正に意識が向くと思われます。このため、直近の40%超の株価上昇に伴う短期的な調整幅もさほど大きくはないと予想しています。

  詳細を述べるに当たり、最初に株式の原理原則である下記の2点を押さえておいてください。

(1)「株価は、将来の収益合計の現在価値」であり、企業収益が増えれば株価も上昇する

(2)「株価は短期的には売りと買いの力関係である需給、長期的には企業業績や財務内容などのファンダメンタルズで動く」と判断され、これを式で示すと【株価 = EPS(企業業績)× PER(市場での人気)】

  上記2点を現在の投資環境に当てはめると、今後も株高の流れが続くかどうかはアベノミクス効果が2013年度以降の企業業績にどれだけ反映されるかということと同時に、アベノミクスそのものに対する投資家の評価で決まると言えます。

  足元のPERは日経平均21倍、TOPIX22倍と、NYダウの13倍やユーロ圏諸国の11倍台と比較してかなり高く、期待先行の株高との指摘は必ずしも的外れではありません。しかし、少なくともこれまでの円安、株高の進行は2013年度業績に貢献するため、業績見通しが出そろう5月までにはPERによる割高感は解消すると予想されます。

  2013年度は金融相場から業績相場への転換点となる可能性が高く、個別の銘柄選択では企業業績の優劣の見極めが一段と重要となるでしょう。

  需給面からは、欧米の金融緩和で膨張した海外の短期マネーが流入していることは事実ですが、海外投資家は日本経済への危機感に裏付けられたアベノミクスという政策転換に、その本気度を感じている面も大きく、簡単に海外マネーが逃げる状況ではないと思います。

  次回は、4月下旬から始まる3月期決算企業の決算発表を控えて、証券アナリストや外人投資家の行動パターンを考慮に入れた決算発表時の投資手法ついてお話しします。

《青沼 英明》
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青沼 英明

青沼 英明

ハッピーライフ・未来ラボ 代表 新日本証券(現・みずほ証券)での個人営業、法人営業、証券アナリストを経て、ソシエテジェネラル証券、東京三菱証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)で証券アナリスト業務に従事。2012年3月より、中長期的な資産運用・財産管理コンサルティング・サービスのほか、生命保険代理店、証券仲介業、不動産・老人ホーム紹介業等を兼業。 <保有資格>:CFP®(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)、日本証券アナリスト協会検定会員、トータル・ライフコンサルタント(生保協会認定FP) 、宅地建物取引士、第一種証券外務員資格 寄稿者にメッセージを送る

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