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「日本版ISA口座」開設で来年から投資へGO!メリットと注意点を整理

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  先月末、平成25年度税制改正案が何の波乱もなく成立しました。株や投資信託の売買益や配当金、分配金の税制優遇は今年いっぱいでなくなります。本来は「もうけ」に20%の税金がかかるところ、ずいぶん長い間、10%に軽減されてきたのです。それが年内でなくなります。

  今年は株や投信で儲ける人が例年になく多いでしょう。また、むかし仕込んで塩漬けしてた人も儲けが出始めたのでは?ここ数年、損をしていた人が多かったので、儲けにかかる税制がどうなろうが関係なかったのですが、ここにきて俄然関係がでてきました。利益にかかる税率が上がって負担が増えることから、今年の秋から年末にかけては、「利益確定売り」をする人が増えると予想されます。

  そして、そのお金は、「日本版ISA口座」に向かうのです。日本版ISAは来年からスタート。口座の開設は、銀行や証券会社などの金融機関で10月から可能になります。この口座で投資をすると、値上がり益や配当金、分配金、つまり、儲けへの税率が0%になります。・・・そう、非課税。

  口座を開設できる期間は、2014年~2023年の10年間。毎年100万円までの投資資金に対する利益が5年間、非課税になります。

  たとえば、来年この口座で100万円を投資をして投資信託を購入。3年後に400万円になったので、換金した場合、値上がり益の300万円に税金がかかりません。ふつうの口座だと、300万円×20%=60万円の税金(+復興税)がかかります。そんな要領で、毎年、投資金100万円までの儲けが非課税になります。

  非課税期間の5年以内に自由に換金をする(儲けを確定させる)ことができますが、売却部分を再利用して投資をすることはできません。つまり、さきほどの例でいうと、3年後に換金したので、非課税期間5年まであと2年残っているからといって、再度100万円の投資はできない!ということ。

  また、今年50万円しか非課税投資枠を使わなかったからといって、来年以降に残りの50万円を繰り越すことはできません。さらに、ふつうの口座の損益と、ISA口座の損益を通算することもできません。

  2014年にはじめる投資は、5年後の2018年末で終了することになりますが、慌てて売却する必要はありません。100万円を限度に2019年の非課税投資枠に移すことができます(ロールオーバー)。

  なかなかややこしい話ですが、ややこしい話も、損する話ならクレームのオンパレードになるところ、得する話だとたいして不満もあがりません。ややこしくても、得すると思えば、みなさん理解のスピードが早く、理解の深さが深いのです。

《中村 宏》
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中村 宏

中村 宏

株式会社 ワーク・ワークス 代表取締役社長 山口県生まれ。大阪市立大学経済学部卒業後、 株式会社ベネッセコーポレーションに勤務。2003年にファイナンシャルプランナーとして独立し、 FPオフィス ワーク・ワークス を設立。「お客様の『お金の心配』を解消し、自信と希望にかえる!」をモットーに、個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を行っています。 個人相談件数は1,000件超。 無料のメールマガジン『生活マネー ミニ講座』(平日毎日)配信中。 登録はこちら → http://www.mag2.com/m/0000113875.html ・ファイナンシャル・プランナー(CFP(R)) ・住宅ローンアドバイザー 寄稿者にメッセージを送る

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