※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

増税による家計負担 確定申告が不要な人でも税金が戻る節税対策

コラム コラム
増税による家計負担 確定申告が不要な人でも税金が戻る節税対策

 復興特別所得税の創設や厚生年金保険料、国民年金保険料の値上げ、更に来年4月からの消費税率(5%から8%)の引き上げなど、国の増税策は今やめじろおしの状況です。

 家庭では増税分をカバーするため「支出をできるだけ抑え節約をする」と考えている方が多いと思いますが、実はもう一つ策があります。それは納付している税金を払い戻すことです。つまり、個人が負担した費用について、それが税金を控除する項目に該当すれば申告することによって税金が還付される仕組みです。

 ここではサラリーマンなどの給与所得者や退職後の年金受給者のように確定申告が不要な人でも、申告することによって税金が戻る節税対策を説明します。

 一般的に給与年収が2,000万円以下のサラリーマン、及び平成23年分以降の公的年金等の年金収入額が400万円以下の年金受給者、かつ、それら以外の所得金額が20万円以下の場合などです。

確定申告した方が得する人

還付申告(確定申告)をした方が得する例(目安)

■医療費の自己負担額が多い(医療費控除)

 ※家族全員の医療費をまとめて年間10万円程度が目安

■住宅ローンの返済開始から10年以内(住宅ローン控除)

 ※住宅ローン控除の申告は1回だけでよく、次年度以降は“年末調整”の提出で済みます。

■自己資金で耐震・省エネ・バリアフリー改修工事を行った(投資税額控除)

■上場株式等の株式配当金を受け取っていて総合課税を選択した、又は株の売却損がある場合配  当金との損益通算の申告分離課税を選択した

■台風・水害等の災害や盗難などで被害を被った(雑損控除)

■年の途中で退職し年末調整をしていない

■定年退職者及びその配偶者などが健康保険や国民年金に任意加入している

(社会保険料控除)

■公共団体等への寄付やふるさと納税をした(寄付金控除)

■公的年金受給者のうち企業年金や個人年金などの受給の際、所得税が源泉徴収されている

 

申告の方法については

 先ずは確定申告書を作成することが必要ですが、ここでは国税庁のホームページから「確定申告書等作成コーナー」の電子申告、通称”e-TAX”の利用をお勧めします。

e-TAXを利用する利点

・必要項目をインプットすれば税金額が自動的に計算されるので計算式を知らなくても大丈夫なこと

・添付資料の提出が省略できること

・郵送や税務署に直接出向く手間も省けること、等

・記載ミスや漏れ等の申告後の訂正も“上書き”する感覚で可能です。

還付申告(確定申告)に必要な手続き

 e-TAXを利用する場合、先ず、市区町村役場で「住民基本台帳カード」を作り、公的個人認証

 サービスの利用を申請し電子証明書を発行してもらいます。次は電子申告用に※カードリーダライタ(公的認証サービス対応)を購入(価格は3千円前後)します。これが準備できたならば、次は国税庁のHPからe-Taxの確定申告書作成コーナーにアクセスし、作成を開始します。

 なお、申告を正確に行うためには、毎年年末から翌年1月中旬までに郵送される公的・個人年金や保険などの支払証明書(明細書)、株式の場合、年間取引報告書等、医療機関に掛かった場合、その領収書や処方代、市販の風邪薬や胃腸薬などを購入した場合もその領収書等です。したがって申告に必要なこれらの書類は捨てないで大切に保管しておくことです。

還付申告の提出期限は?

 還付申告は通常の確定申告と異なり、翌年の年明けから5年間有効なので、余裕をもって申告書の作成や内容の検討が可能となります。よって、先ずは確定申告の作成にゆっくり挑戦してみてください。作成に際して解らないことがあれば近くの税務署に直接電話、相談窓口で質問や申告作成の指導を受けることができます。

還付申告で注意すべき点は?

 ここで注意したいのは、確定申告書を作成して税金が戻ってくる場合でも、確定申告によって住民税の増加や扶養控除が無くなるなど、結果として増税になるデメリットも考えられるので、特に納税者が世帯に複数いる場合、誰が申告するのかも含め、世帯全体でみてそのメリットがあるかを計算して、見極めることも必要です。

一度試算してみる価値はある

 「税は難しい!」と決めつける前に、上の“還付申告をした方が得する”項目に該当する場合は、一度、確定申告を積極的にトライすべきです。戻ってくるべきお金が仮に10万円あったとしても、なにもしなければ1円足りとも戻ってきません。

 つまり、「払い過ぎた税金は申告しなければ決して戻ってこない」ので税金の還付を受けるためには、まず試算してみましょう。“節税”を家計の“節約”の項目に加える価値は十分にあるはずです。(執筆者:小林 仁志)

《小林 仁志》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

小林 仁志

執筆者:CFP、1級FP技能士 小林 仁志 小林 仁志

オフィスアセットポート 代表 山梨県生まれ。電器メーカーに入社後本社および米国・シンガポール・マレーシア等の事業所に勤務。在職中は財務経理を中心に総務人事・経営戦略・内部監査等の職種を経験したほか、同社の子会社監査役を務め2011年退任、2012年4月より独立系FPとして事業活動を開始。専門分野においては、特に団塊世代の年金・医療保険・税金等のリタイアメントプランや旅行とお金のプラン、住宅ローンや保険の見直し、株式・投資信託等の資産運用など。 <保有資格>:CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、総合旅行業務取扱管理者、登録ロングステイアドバイザー(ロングステイ財団)、他 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集