NISAで投資デビューを考えている方も多いと思いますが、具体的に何に投資したらよいのかわからないという方もいらっしゃると思います。今まで定期預金しかしたことがない方はNISAの対象となる元本保証のない金融商品の購入に対して敷居が高いと感じるかもしれません。
まずは少額で実際に金融商品を購入して、その値動き、分配金(配当金)、譲渡損益、コスト(購入時手数料、信託報酬など)がどういうものかを知ることが必要だと思います。そして、損益の変化に対して自分がどのように感じるかを知ることが大切です。特に値下がりして損失が拡大する場面であまりにもストレスを感じるようでしたら元本保証のない金融商品は向いていないのかもしれません。
では、投資が初めての方がどのような投資をしたらよいのか以下に提案します。
目次
1. 個別株式ではなく投資信託にする。
投資先の破綻リスクの軽減と少額からの投資のしやすさを考えると投資信託がよいと思います。
2. 金額は半額を損したとしても勉強代と思える額にする。
投資信託は1日で半額になってしまうことはまずありませんので、もしも半額まで値下がりしてもそこで売却すれば損失はそれ以上増えません。最初から利益を出そうと過度な期待を持たずにまずは投資の勉強をすることをメインの目的にしてください。
3. 毎月分配型投資信託を選ぶ。
毎月分配型は投資効率が悪いという意見もありますが、まずは分配金について勉強するために毎月分配型投資信託を選んではいかがでしょうか。分配金があまり高額なものは避けて50円前後のもので検討してみてください。
4. 設定から2~3年以上経過し、基準価額が設定時から概ね横ばいで値動きが少ないものを選ぶ。
ゆるやかに基準価額が上昇していればなおよいのですが、少なくとも横ばいであれば分配金の分は利益が出ているということです。
5. 通貨は円で為替ヘッジのあるものを選ぶ。
投資信託の投資先が株式であれ、債券であれ、その価格変動リスクを伴うことになります。最初はできるだけ投資信託の値動きが穏やかな方がよいと思いますので、為替変動リスクを抑えたものを選びます。
6. 購入時手数料と信託報酬の安いものを選ぶ。
いくつか候補の投資信託を選び、ほかの条件が同じであれば購入時手数料と信託報酬の安いものを選びます。
7. 1ヶ月程度の間をあけて2回以上に分割して購入する。
一度に予定額全額を購入せず、時期を分割して購入すると全体の購入価額は平均になりますので高値づかみを避けやすくなります。
8. 購入後は毎日基準価額をチェックする。
株式指標、金利、為替などの経済情勢の変化に対して、購入した投資信託の基準価額がどのように変動するかをみていきます。購入した投資信託がどのような国、株式、債券に投資されているのかはあらかじめ知っておいてください。
9. 投資額と分配金の額を管理して損益がわかるようにしておく。
その時の評価額とそれまでの分配金の累計額の合計額が投資額(購入時手数料を含む)をどのくらい上回っているか、または下回っているかを意識していてください。
10. 投資信託の月次の運用レポートを毎月読む。
投資環境や運用状況がわかり勉強になります。
上記の提案を参考にしていただき、まずは投資への一歩を踏み出して実際に体験してみることが重要だと思います。ただし、元本保証はありませんので投資は自己責任でお願いします。(執筆者:犬山 忠宏)