
あなたは、お子さんにマネー教育をしていますか? 「お金についての教育をした方がいいとは思うけど、どうすればいいか分からない」という人や、「そんなの普通に生きていれば自然と身に付くものだ」と考えている人もいるでしょう。
しかし、現代を生き抜いていくには、マネー教育は必ず必要なものではないでしょうか。あちこちから借金をして多重債務から自己破産をしたり、会社のお金を横領して逮捕されたりするのは、なにも一部の特別な人に限った話ではありません。
多くの人は「たまたまそういう状況に陥らなかっただけ」であって、お金に困ったり、周りに似たような境遇の人がいたりすれば、自分も金銭トラブルに巻き込まれてしまう可能性はあるはずだとわたしは考えています。
もし、子供に対して十分なマネー教育をしていれば、将来上手にお金を使えるようになるので、まず金銭的に困る可能性が低くなります。また、万が一金銭的に困窮することがあっても、ローン地獄に陥ったり犯罪に手を染めたりすることも防げるでしょう。
では、子どもにお金の教育をするには、どんなことをすればいいのでしょうか?
マネーリテラシーは親子の対話から
一番大切なのは、親子での対話です。モノを買うためにはお金が必要だということ、モノにはそれぞれ値段があること、働かないとお金を得られないということなど、最低限のことは親が教えることができますね。
特に、現代の共働きやひとり親家庭の親御さんにおすすめしたいのは「一緒に買い物に行くこと」です。
筆者がまさしく反省したことなのですが、子供が小さいときには、わたしは子供と一緒に買い物に行くことがほとんどありませんでした。生協の宅配を利用したり、ネットショッピングを利用したり。もしくは、子供を保育園に迎えに行く前に買い物を済ませていたり。
だから、うちの子どもは小学校に上がるぐらいまで、野菜や魚の名前も全然覚えてくれませんでしたし、モノの値段もまったく知らないままだったのです。
共働きやひとり親などで親に時間的ゆとりが無い場合は、買い物に一緒に行っていたとしても子どもとの会話は少なくなりがちです。子どもの疑問に対して親が丁寧に答えることで、子どもの中でお金に関する興味・関心が深まっていくのではないでしょうか?
わたしは、その後は子供と買い物に行く機会を増やし、子供と会話をしながら買い物するように心がけるように改善しました。
次々出てくる子供の疑問に答えられますか?
金銭感覚がまだ育っていない子どもは、数字の大きさだけで「高い」、「安い」を判断します。たとえば、500グラムの牛肉と100グラムの鶏肉を比べて、「鶏肉の方が安いよ!」なんて言ったりします。ただ値札の数字の大小だけでなくその量や内容に応じて値段の高い・安いを判断できなければならないことを、教えてあげなくてはなりません。
また、同じに見えるものでも、値段が違うことにも気づきます。中国産か国内産かの違いだったり、生さんまか冷凍さんまの違いだったりするわけですが、その違いについても教えてあげなくてはなりません。
他にも、会計時に出すポイントカードについて聞いてくるかもしれませんし、クレジットカードのことを聞いてくるかもしれません。子どもは様々な疑問を親にぶつけてきますから、親が、真摯に子どもの疑問に向き合って、できる限り答えてあげたいものです。
もちろん、親だってマネー教育を受けたという人はほとんどいないでしょうし、お金のことはよく分からないという人の方が多いと思いますから、すべての質問に答える必要はありません。
ただ、分からないことを聞かれたとしても、「子どもはそんなことを気にしなくていいの!」なんて言ってはいけません。一番怖いのは、子供に対して「お金は汚いもの」、「お金の話をするのは恥ずかしい」と思わせてしまうこと。
親にも答えられないような難問が来たときには、逆に子どもに聞いてみるのもいい方法です。「あなたはどういう意味だと思う?」と聞いて、答えを推測するのも勉強になりますね。幸い、今はインターネットでたいていのことは調べられる時代ですから、その場で調べて親子で一緒に学ぶのもおすすめです。
子供にお金の教育をするには、まずは親自身が先生になって基本を教えてあげることが必要です。いきなり投資だとか経済だとかの話をする必要は一切ありませんから、身近なモノを題材にして子供にお金のことを教えてあげてくださいね。(執筆者:吉見 夏実)