今年、平成27年1月1日より、相続税制が改正となりました。
主な内容は、
1. 遺産にかかる基礎控除
・定額控除が、5000万円から3000万円に減額
・法定相続人数比例控除が、1000万円から600万円に減額2. 相続税率
・課税評価額が2億円超で3億円以下では、税率が40%から45%に増額
・課税評価額が6億円超では、税率が50%から55%に増額(参照財務省サイト: http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/property/144.htm)
となっており、税負担が増えている部分が注目されています。そのため、相続を受ける見込みのある方からの相談が増えています。
目次
相続税がいくらかかるのか把握しておこう
相続をする場面は、突然訪れます。親などから代々受け継いだ資産に対して、相続税がかかります。
しかし、このような財産には、思い出や思い入れがあるので、なかなか手放す決断は難しいものです。土地などは、所有権のない親戚などから反対されることもあります。土地や建物はたいてい高額なものですので、相続にかかる納税額も、高額となります。
それでも、相続税の支払い期限が迫ってきます。支払いができなければ、土地建物を取られてしまうこともあります。また、物納ができない場合は、もっと大変です。納税の延納期間が発生し、延納利子税がかかる場合があります。
このようなことにならないように、事前に相続対策を検討しておくことが大切です。現状で、相続税がどれほどかかるのかを知っておき、その納税相当額をあらかじめ準備しておけるとよいものです。
しかし、現金を準備することは、簡単とは言えません。あらかじめ、長期間の時間をかけて、資金を貯めておき、資金を生む仕組みを作るよう心掛けておくことが大切です。ご両親が不動産を所有していて、かつお年を召している場合は、のんびりとしていては、時間が刻々と過ぎてしまうだけです。
親などが所有する不動産を守り、育てていくには
相続税制の改正後は、相続税を支払う人が増えることになるため、親などが所有する不動産を守り、育てていけばよいのかについて、悩んでいる方が、増えています。
相談事例の一例です。
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建て替えする前の準備
入居者(賃貸人)がいる状態で、建物を建て替えるときには、入居者に理解してもらうことが大切です。引っ越しをしたくないと思う人が多いため、簡単に理解をしてもらえない傾向があります。普通借家契約(普通賃貸借契約)の場合は、入居者を強引に追い出すことは、とても難しいものです。また入居者が退去していない状態では、建て替えできないので、銀行からも融資を受けられません。
対策1:入居者が退去するのを待つ
時間に余裕がある場合として、強引に退去させずにやれることの一つは、この入居者が退去する時を待つことです。
この場合、全室が退去するまでは時間がかかります。この場合の空室対策もあります。一時的に住んでもらうために、新規入居者の募集条件を、定期借家契約とする方法です。これにより、一定期間が過ぎたときに、賃貸借契約が終わり、契約を更新しないことができます。そして、貸主側の意図で入居者に退去してもらうことができます。
対策2:建物の老朽化による退去
または、この質問の老朽化した不動産に注目します。老朽化のレベルは、現地調査が必要ですが、あまりにも朽ちている物件では、入居者の身の安全が心配です。普通賃貸借契約でも、人が住める建物ではないとして、入居者に退去してもらう方法もあります。
銀行融資について
次に、銀行融資については、土地を所有している人は、今年も融資を受けやすい傾向にあります。しかし、融資を受ける人が債務超過ではいけません。また建て替えをして、賃貸経営を始める価値のある事業か、綿密に検討を重ねることが大切です。資金を調達するということは、返済をしなければなりません。将来長期間にわたり、安定して収益が上がる事業であること。これを事前に確認することが重要です。
入居者退去や資金調達、賃貸経営の事業計画については賃貸経営に詳しく、多くの成功事例がある専門家に相談をするのも1つの方法です。融資は高額負担を負いますので、冷静に判断をしてください。相続について、不動産価値について、賃貸経営事業について、そして資金調達について、早めに情報を収集すること。よく理解するために学ぶことが大切です。(執筆者:大長 伸吉)
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