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「資産運用」の「資産」を考えてみましょう。
たとえば、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』で著名な山田真哉先生の『世界一やさしい会計の本です』の中には会社のお金のサイクルがわかる四つの箱がイメージ絵とともに表示されています。その中の「資産」という箱は目で見えるもので「木」のイメージで表されています。
会社は「木」を少しずつ燃やして「火」ここでは「費用」(目で見えないもの)を発生させることで、日々企業活動を行うのです。
お金(キャッシュ)は「資金源」という箱から「資産」の箱へ流れ、「費用」、「収益」の箱を経て「資金源」へ戻るというサイクルを流れ続けます。「キャッシュフロー」の考え方ですよね。「キャッシュフロー」としての「資産」の重要性をもっと認識すべきです。
会社はこのサイクルを通して「バランスシート」の左側にある「資産」と右側の「純資産」を増やすのです。「会計力」はまさにここに存在します。
私たち「家計」はこの力を「資産運用」の基盤とすべきです。
「資産運用」を過度に金融商品の良し悪しやその売買益を狙う手法・取引と考えていませんか? そのことよりも大事なのはこの「会計力」を理解することです。「資産運用」の革新はそのように捉えることによって可能になります。
山田先生の本では、会計的センスを身につけるには「お金の回転」をイメージすることとあります。
ここでもう一つ追加する点があります。山田先生の本では「負債」と「純資産」を一つの箱「資金源」として考えられていますが「資産運用」を考える場合は「負債」と「資産」の区別を明確にすることの重要性を述べる必要があります。
ここのところの詳しい説明は『金持ち父さん貧乏父さん』でお馴染のロバート・キヨサキ氏の考え方を参考にしたらいいのではないでしょうか。そこでは「資産」をキャッシュを生むもの、「負債」をキャッシュが出ていくものととらえています。金持ち父さんは財務諸表を読む力が一番大事だと言っています。(執筆者:岩永 充)