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この保険、解約すべき? 続けるべき? 保険解約の損得を見極めよう

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この保険、解約すべき? 続けるべき? 保険解約の損得を見極めよう

生命保険を見直すとき、保険営業の方から、


「この保険を解約してこちらの保険に加入するほうが得ですよ」

と言われて、保険を解約し安い保険に加入。

ちょっとまって! その保険、本当に解約してよかったの?

保険料が安いから得する保険とは限りません。

思い出してみてください。その保険の目的は何でしたか?

保険に加入する時のポイントは

1. 何のために加入するのか?(目的)
2. いつまで必要か?(期間)
3. どれだけ必要か?(保障額)

この3つのポイントをきちんと決めた上で、保険会社や保険種類を考え、払える保険料で加入します。

加入目的を忘れて解約すべきでない保険を解約

こんなことがありました。

Aさんは5年前、子どもの教育資金の貯蓄を目的として、夫名義の500万の終身保険に加入しました。保険料は月25,000円。10年間払込み、子どもが大学入学する時に解約すると解約返戻金は350万。

最近子どもが習い事を始めたいが、家計から捻出が難しく、保険の見直しをすることに。

保険営業の人に勧められた、同じ500万の終身保険。保険料は9000円。月々16000円浮きますよ、これでお子さんの習い事も始められますね。ということで、現在の保険を解約して、勧められた保険に加入しました。

Aさんは、お子さんが大学入学する時にこの保険を解約しても、払い込んだ保険料の7割弱しか解約金はありません。加入したのは60歳払込満了の終身保険。解約して得をするのは60歳以降です。

Aさんは5年前に加入した時の加入目的をすっかり忘れていて、保障額も期間も同じ保険なら安いほうが得だろうということで、お子さんの教育資金の貯蓄目的の保険を解約して、老後の貯蓄目的の保険に乗り換えてしまったのです

他にも、住宅ローンの団体信用生命保険の代わりに民間の保険会社で加入した保険を無駄な保険と指摘され解約してしまい、ご主人が死亡しても住宅ローンを払い続けないといけなくなったという例もあります。

保険のことはわからないからと、営業の人まかせになってしまわないこと。どんな目的で加入した保険なのかを忘れてしまわないように、どこかにメモしておくといいですね

解約すべき保険、続けるべき保険

では、他に解約したほうがいい保険、続けたほうがいい保険はどんなものがあるでしょう?

先日、お宝保険に出会いました。お宝保険とは1990年前半までの予定利率の高い時期に加入した、貯蓄性の高い保険のこと。

出会ったのは、1992年加入の個人年金保険。予定利率5.5%の保険です。あと数年で払込満了となるこの保険は、少々支払いがきつくても生活ができるレベルであれば続けたほうがいいとアドバイスしました。

では同じ1992年加入の保険でも、定期保険だったらどうでしょう?

定期保険は満期金ゼロのいわゆる掛け捨ての保険です。30年満期で死亡保障3000万の保険、あと数年で満期です。加入した頃、小さかったお子さんはもう独立しています。3000万の死亡保障は必要ですか?

定期保険の解約返戻金をグラフにすると、加入時からゆるやかな山を描き満期でゼロになります。今、解約すれば多少の解約返戻金があるはずです。この場合、3000万の保障が必要でなければ解約、または減額したほうがいいですね。

契約時の目的を明確にし、冷静に解約の損得を判断しよう


どんどん新しい保険商品が出てくる中、何がいい保険で、何が悪い保険なのか見分けるのが困難になってきています


特に医療保険やがん保険などは、若い頃に安い保険料で加入したから良い保険と思っていたら、最新の保険だったら出る給付金が、この保険は出なかったということもあります。最近の掛け捨ての保険の保険料は安くなってきています。

最新の保険に乗り換えてもそれほど保険料が変わらない場合もあるので、解約して最新の保険に乗り換えることもありかもしれません。

乗り換えるときは、目的、期間、保障額を必ず確認してくださいね。安くなったけど、期間が短くなった、保障が少なくなったということが多々ありますから。

また、解約返戻金があるタイプの終身医療保険は、保障優先なのか貯蓄優先なのか、わからなくなってしまわないようにしましょう。解約してお金を受け取ると、医療保障がなくなります。

医療保障がなくなるのが嫌だから解約せずにいて死亡すると、解約返戻金よりはるかに少ない死亡保険金しかもらえなかったりします。貯蓄目的であれば、いつ解約して解約返戻金を受け取るのかを決めてください。保障目的であれば、解約返戻金のない掛け捨ての保険に加入するほうがいいです。

責任世代に充分な保障があって、家族への保障が必要なくなる老後に解約し老後資金にあてる貯金もできる保険は、もちろん保険料も高いです。

支払が困難になり、保険の目的を見失うことにもなりかねません。せっかく高い保険料を支払っても途中で解約して解約金ゼロということもあります。支払える余裕のある家庭にしかお勧めできません。

あと注意したいのは、目的が貯蓄の終身保険や学資保険や個人年金が実は元本割れしているかもしれないということ。保険証券を確認して、まずは特約をチェックしてください。特約は基本掛け捨てです。無駄な特約ははずしましょう。

この保険は貯蓄なのか? 保障重視なのか?

目的をはっきりさせ、それを忘れないことで、保険を見直す時に解約すべきかそうでないか判断することができるのです。

私個人の考えとしては、保障重視の保険は保険料の負担の軽い掛け捨ての保険にし、自分に合った最新の保険があれば解約して乗り換えたり、子どもの独立などライフプランの変化に合わせ減額や解約をする。

貯蓄重視の保険は、目的の期間まで支払えるか、保険以外での貯蓄方法も含め十分に思案してから加入し、決めた時期に解約をする。

目先の保険料にとらわれず、冷静に解約の損得を考えてみてください。(執筆者:生川 奈美子)

《生川 奈美子》
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生川 奈美子

生川 奈美子

株式会社アスト 代表取締役 マネーじゅく@三重 代表 子どもの頃、父の会社倒産によりお金持ちから超貧乏になり、お金の価値について考える。結婚後の趣味は楽しい節約。某国内生命保険会社の営業を12年経験。会社の為でなく、お客様のための仕事をしたいと、ファイナンシャルプランナーとして独立。「わくわくの明日と共に」をモットーに、不安からわくわくに変える、家計相談などのコンサルタント、マネーに関するセミナー講師を務める。また、3人の子育ての経験から話せる子どもの自立とこづかいの関係について講演も行っている。趣味は食べ歩き♪ <保有資格>:CFP・ 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 ・住宅ローンアドバイザー ・住宅建築コーディネーター 寄稿者にメッセージを送る

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