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相続税のキホン 4ステップでわかる相続税の計算方法

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相続税のキホン 4ステップでわかる相続税の計算方法

前回のコラム

では相続税がかかる人はどのような人なのかについて触れましたが、今回はもう少し踏み込んで、相続税の計算方法を説明します。


相続税は、ひとことで言うと亡くなった人の財産にかかる税金です。実際の計算方法は少し複雑ですが、大まかな計算の仕組みなどは知っておいた方がよいでしょう。

相続税の計算は

(1) 課税価格の計算
(2) 課税遺産総額の計算
(3) 相続税の総額の計算
(4) 各相続人の相続税額の計算

の4つのステップに分類できます。では一緒に詳しく見ていきましょう。

ステップ1 課税価格を計算します

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相続税のかかる財産は、土地や建物といった不動産、借地権などの権利、預貯金や株式などの金融資産など、相続により取得した財産、生命保険や死亡退職金などのみなし相続財産および相続開始前3年以内の贈与財産です。


財産を取得した人ごとに、相続税のかかる財産から債務および葬式費用、非課税財産を差し引いて、課税価格を求めます。そして各人の課税価格を合計し、課税価格の合計額を計算します。

ステップ2 課税遺産総額を計算します


課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いて、課税遺産総額を算出します。基礎控除額は3,000万円+(600万円×法定相続人の数)です。法定相続人の数は、相続放棄をした人がいても放棄がなかったとして人数を計算します。


課税価格の合計額が基礎控除以下であれば、相続税はかかりませんが、平成27年1月以後は、基礎控除が40%引き下げられたため、課税遺産総額がプラスとなるケースが増えました。

ステップ3 相続税の総額を計算します


相続税の総額の計算は、まず、課税遺産総額を各相続人が民法に定める法定相続分通りに取得したものと仮定して按分し、それぞれの額に対応する税率を適用し、各相続人ごとの相続税額を算出します。


そして、それらを合計し、相続税の総額を計算します。ここが分かりづらい所ですが、遺産をどのように分けても相続税の総額は同じになるよう課税公平の観点からこのような計算方法になっています。

ステップ4 各相続人の相続税額を計算します


各相続人の相続税額は、ステップ3で算出された相続税の総額を、各相続人が実際に取得した遺産の課税価格の割合に応じて按分し、計算します。税額控除・加算がある場合には、調整して納付税額を求めることになります。


これで、基本的な相続税の計算は終了です。

ここまで長々と説明してきましたが、なんだかややこしいという印象を受けた方もいるかと思います。相続税は、相続が発生してから10カ月以内に申告し、納付をしなければなりません

正確な相続税を計算するためには、特例や土地等専門性を要する複雑な評価もありますので、相続が発生してからバタバタしないように、事前に相続税の計算方法について大枠を理解し、相続税がかかりそうかどうかだけでも試算してみることが賢明です。

(執筆者:合田 英昭)

《合田 英昭》
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合田 英昭

合田 英昭

JBAグループ 事業承継・相続対策室 室長 1962生まれ。愛媛県出身。早稲田大学法学部・同大学院法学研究科終了。不動産評価の専門知識を活かした相続対策を得意とする。宅建法定講習の講師を務めるなど不動産取引の実務にも精通し、大学講師経験や不動産法分野の著書も多数。税務、法務、評価、国内外の不動産取引等、幅広い専門分野で相続をサポートする。 <保有資格>:税理士、不動産鑑定士、行政書士、宅地建物取引士、MRICS 寄稿者にメッセージを送る

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