「不動産投資」にご興味を持たれる方が増えています。でも、不動産投資の怖いところ、しっかり把握していますか?
ここでいう「不動産投資」というのは、「不動産を賃貸し、賃料収入を得る事業」です。
サラリーマンなどの個人でも不動産投資は行うことはできます。ただし、不動産投資をするときにどんなリスクがあるのかを知らないまま始めるととても怖いことが起こるかもしれません。

目次
「立地」は変更できない 慎重な選択が求められる
不動産投資を個人で行う場合にはざっとこんな物件が対象になると思います
2. アパートなどの共同住宅を一棟
3. 戸建て住宅を一棟
4. その他(駐車場の賃貸など)
不動産投資で最も重視すべきなのは「立地」です。「不動産」というくらいですから、一度そこで不動案投資を始めたら変えることはできません。
公共の交通機関や、生活利便施設などへのアクセスなどはもちろんですが、長期にわたる不動産投資では周辺の競合物件の状況や、周辺人口・最寄りの駅の乗降客数の推移、見込まれる居住者層なども確認する必要がありますし、その場所で予測される災害などを自治体などが出しているハザードマップなどで確認するなど、さまざまな観点で立地を分析しなければなりません。
その上で、その場所に最も適したマーケットと想定される賃料予測なども十分に検討した事業収支シミュレーションが必要です。
「収支」(収入-支出)が黒字で回ることが大前提
不動産投資は事業ですから、当然「収支」(収入-支出)が黒字で回ることが大前提になります。
収入は主に家賃収入(礼金なども含め)。支出は取得時の不動産取得税、登録免許税、ローン手数料、など。その後毎年かかる固定資産税、都市計画税、管理費、修繕積立金、共用部光熱費等、ローン金利などがあります。
不動産投資で最も怖いのはこの収支(キャッシュフロー)が赤字になることです。
サブリースの家賃保証は「ずっと」ではない

サブリースを利用する方法もあります。サブリースの契約期間中は賃料の一定割合の入金が保証されます。
しかし、サブリースは周辺賃料などに合わせ2年に一度程度の「賃料改定」があります。「30年間家賃保証」などと謳う会社もありますが、30年間ずっと賃料が保証されるわけではありません。
賃料は建物の老朽化などにより徐々に下がってくることも考慮しなければいけませんし、周辺の需要よりも供給が多ければ(=競合物件が多ければ)価格競争になることもありえます。そうすると空室率が増えたり、賃料を値下げせざるをえず、収入が下がります。
区分所有のマンションの1室や戸建て賃貸の場合、一度入居者が退去すると次の入居者が決まるまでの賃料収入がありません。しかし、借入金の返済は必要です。
当初想定していた賃料が得られなくなり、ローン(元金+利払い)と諸費用の合計が賃料収入よりも多くなるとキャッシュフローは赤字に転落します。周辺の家賃相場が下がった場合に再度値上げするのは極めて困難です。
物件価格の100%を融資する「フルローン」や、諸費用分まで含めて融資する「オーバーローン」が付くこともありますが、毎月の返済額も多くなりますので、リスクがかなりあることを念頭に置いておく必要があります。
国税当局の目も厳しくなりつつある「相続税対策目的の購入」
最近は相続税対策などのためにタワーマンションを投資用に購入する方もいます。
一時に比べ、国税当局の対応も厳しくなりつつあり、最盛期は過ぎた感じもありますが、確かにキャッシュで持っているよりも不動産に投資したほうが相続税評価額が下がり、相続税対策としては効果があります。
しかし、最近のマンション価格の高騰はやや「バブル」の様相を呈しており、もし、マンション価格が値崩れするとメリット分も吹っ飛んでしまうくらいのインパクトがあるのではないかとも考えられます。
十分な調査があれば、不動産投資はリスクの低い投資に

不動産投資も含めた「投資」は、どんなリスクがあるのかを十分に把握し、どの程度までリスクを許容できるのかを見定めなければなりません。
不動産投資の怖いところを並べましたが、これらの調査をしっかり行い十分に検討したうえで取り組む不動産投資は、他の投資手法に比べると比較的リスクの低い投資とも言えます。住居系の家賃相場は商業系(オフィスや店舗)ほど変動幅は大きくありません。「リーマンショックのために家賃が下がって赤字に転落した」なんていう話は聞いたこともありません。
多くの建設業者は建物を建て、販売することで利益を得ます。不動産業者は仲介手数料を得、その時点で利益が確定します。しかし、不動産投資をする「投資家」はそこからがスタートです。
これから不動産投資を始めようと思っている方。業者さんの売り文句に流されず、しっかりご自分で判断し投資してください。(執筆者:西山 広高)