2017年「年初予想」 物価や給料はこうなる»マネーの達人

2017年「年初予想」 物価や給料はこうなる

明けまして、おめでとうございます。みなさん、昨年はどんな年だったでしょうか?

今年は、明るい年になって欲しいと思います…が、そうもいかないかもしれません。

株価は年初から上がり、株などの資産をたくさんお持ちの方にとっては、昨年に引き続き良い年になるかもしれません

けれど、そうしたものもあまり持っていない(無理して持つこともありません)庶民にとっては、昨年に引き続き厳しい状況になることが予想されます



物価がじわじわ上がっていく

庶民生活を見ると、今年は、まずじわじわと物価が上がります。

すでにガソリンや灯油は高くなってきていますが、こうした値上がりに続いて2月くらいから諸物価の本格的な値上がりが始まります。

理由は、トランプが大統領となり、減税と財政出動を積極的に行って景気を良くするだろうという思惑でドルが買われたから

しかも12月には、FRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長が1年ぶりに利上げをしたことで日米金利差が開き、さらにドル買いに拍車がかかりました。

結果、それまで1ドル103円から105円の間をうろうろしていた円が、すでに118円近辺(1月4日時点)にまでなっています。

日本の食卓の7割は輸入品という現実

円安は、輸出には有利になりますが、輸入品は値上がりします

日本では、食卓に出されるものの約7割が輸入品と言われています。ですから、家計へのダメージは避けられません。

昨年末の急激な円安の影響が、なぜ2月頃から本格的に出てくるのかといえば、輸入でオーダーされた品物は、現地から船便などで送られ、スーパーの店頭に並ぶまでに2~3か月かかるからです

ですから、急速な円安は昨年末だったのですが、その影響でみなさんが「ずいぶん食料品が高くなった」と実感するのは2~3月頃ということになります

2017年は、給料も上がらないかも…?

実は、物価が高くなり始める2~3月に、皆さんの生活にとって大切なことが決まります。それは、給料です。

労働組合がある大手企業などの給料は、2月頃から行われる春闘の労使折衝で決まります。この春闘にも、今年はトランプ大統領出現の効果が影を落としそうです

財務省の貿易統計を見ると、日本の輸出依存度は15%ほど

1981年のレーガン政権で日米貿易摩擦が起きて以降、日本は常にアメリカから内需拡大と市場開放を迫られ続けてきました。

その結果、現在の日本経済は、内需依存型になっています。つまり、輸入したものを加工して国内で売る企業が多くなっているということ。

こうした企業にとって、円安は輸入コストの増大につながります。

トランプ政権への警戒感も…


しかも、トランプ政権になったら、日本にどんな要求してくるのかわからないという警戒感が経営者の中にはある。

こんな状況では、手放しで賃金など上げられないという企業がほとんどでしょう

実際に、円安で儲かるはずのトヨタの労働組合でさえ、賃上げの要求額は昨年並み。

また、賃上げリーダーであるはずの全国銀行協会の会長が、賃上げに後ろ向きの発言をして官邸が激怒したという話しも伝わっています

労働組合のある企業でさえこうなのですから、労働組合もない会社では、給料は良くて横ばいということになるのではないでしょうか。

「稼ぐに追いつく貧乏なし」…かも



年初から厳しい2017年ですが、雇用環境は改善しています。

人手不足から有効求人倍率は上がってきているし、パートの場合には、えり好みしなければ働ける場所はかなりありそうです。

ですから、「物価は上がるが給料が上がらない」というマイナス面も出そうな2017年ですが、足りないぶんはお母さんにもちょっと多めに働いてもらい、家族の稼ぎで補うことが出来るかもしれません。

ちなみに、昨年の税制改正大綱で配偶者控除を150万円まで引き上げる案が出て、今年には法案が国会を通過することになりそうですが、実施は来年2018年からということになりそうです

「稼ぎに追いつく貧乏なし」と言いますから、円安や給料が増えないぶんはなるべくたくさん稼ぐことで補っていきましょう。

家計で言うと、厳しくなりそうな2017年。

ですが、健康に気をつけて気持ちを明るく持ち、みんなで力と知恵を会わせて乗り切りましょう!(執筆者:荻原 博子)

この記事を書いた人

荻原 博子 荻原 博子»筆者の記事一覧 http://www.ogiwarahiroko.com/

経済ジャーナリスト
1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「どんとこい、老後」(毎日新聞社)、「お金は死ぬまえに使え」(マガジンハウス)、「ちょい投資」(中央公論新社)など著書多数。

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