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生命保険料は今春から一斉に上がるのか?

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生命保険料は今春から一斉に上がるのか?

平成28年2月に日本銀行がマイナス金利政策を施行しました。これによって多くの生命保険会社では、いわゆる「逆ザヤ」を解消するため、貯蓄性保険の販売停止などの措置を実行しました。

この影響はさらに加速し、「本年の春頃から保険料の引き上げがなされるのでは」という予測もあります。

そこで本記事では、このような状況を踏まえまして、生命保険料は今春上がるのかについて要点を解説していきたいと思います。

なお、本記事における今春とは、平成29年の春を指しておりますのであらかじめご留意ください。


キーワードは「金利」にあり

冒頭で「マイナス金利」という言葉を使いましたが、保険会社の利益には「金利」が大きく影響しています。

たとえば、保険会社が保険料を設定する上で定める「予定利率」、金融庁が定める「標準利率」、市場の金利である「市場金利」などが一例としてあげられます。

私たちが加入している生命保険は、保険会社の「予定利率」によって支払保険料が変わります。

そのため、マイナス金利政策のような政策によって保険会社が損失を被るということは、結果として私たちが負担する支払保険料に換価されることにつながります

生命保険料は今春上がるのか

筆者個人の主観ですが、今春の生命保険料の業界全体的な引き上げはないと考えます。


理由1:すでに保険料が改定されている保険会社があるため

この理由として、平成29年2月現在、一部の保険会社では、販売を停止した保険商品について保険料を大幅に改定して販売を開始しているところもあります。

一方で既に販売している保険商品について、保険料を大幅に改定して再販売しているところも見られます。

つまり、すでに保険料が改定されている保険会社があるためというのが1つ目の理由です。

理由2:保険会社の仕組みが関係する

2つ目の理由は、保険会社の仕組みが関係すると予測されます。

具体的には、株式会社、相互会社といったものが大きく関係してくると予測します。

株式会社は、利益を上げて出資した株主に利益を還元します。相互会社は、相互会社の保険に加入している1人ひとりが会社の持ち主といった考え方です。

共通している部分は、株式会社は株主のため、相互会社は、保険加入者のためといった会社を支えてくれる人のために還元するところにあります。

では、これらを踏まえて「支払保険料を上げたもの」として2つの会社の立場を考えてみます。

支払保険料を上げると株式会社では、売上が増加することになるため、利益が増加します。結果、株主に対して利益を今まで以上に還元できるかもしれません。

一方で相互会社は、保険加入者が会社の持ち主です。つまり、支払保険料が上がると保険加入者の負担が増加することになります。

これでは、やっていることが矛盾してしまい、相互会社の在り方が問われてしまいます。

このように保険会社の仕組みによって保険料を上げたり、現状維持したりすることが予測できます。そのため、全ての生命保険会社が保険料を引き上げることはないというのが2つ目の理由です。

家計中心で物事を考えることが最も大切

筆者はこのタイトルで記事を作成していて「駆け込み需要」という言葉を思い出しました。

たとえば、「消費税が上がる」、「保険料が上がる」といった理由で物事を決定してしまうことは、決して正しい選択だとは言えません

生命保険料が今春上がるのかにつきましても予測の範囲内にしか過ぎません。今ある事実から物事を考えるということは、今の家計を中心に物事を考えることだと思います。

これから生命保険を見直す予定がある方、新規に加入する予定のある若年者の方などは、必要な保障を無理のない保険料の範囲内で加入することが大切です。(執筆者:佐藤 元宣)


《佐藤 元宣》
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佐藤 元宣

佐藤 元宣

佐藤元宣FP事務所 代表 税理士事務所や社会保険労務士事務所での勤務経験と保険代理店などの経験を活かした質の高い専門アドバイスと保険などの金融商品を売らない独立系FP。若年者から高齢者まで年齢を問わず相談に応じており「税金」「社会保険」といったお金をはじめ、「保険」「住宅」「相続・贈与」などのお金の相談に対して、幅広い分野で相談に応じている。無理のない、お客様の希望に沿った提案を最優先で考え、専門的な内容と家計の収支状況を加味した合理的な「不安解消」を得意としている。 <保有資格>:CFP(R)、1級ファイナンシャルプランニング技能士、経理実務士 寄稿者にメッセージを送る

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