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「恐怖管理」を利用しているCMを見破れ! 一時的に起こる物欲、それ本物ですか?

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「恐怖管理」を利用しているCMを見破れ! 一時的に起こる物欲、それ本物ですか?

夜の〇〇があなたの貯金を奪う


家に帰ったらまず部屋のテレビをつけるという人も多いと思いますが、私もテレビは特に目的もなく見ていることが多いです。

しかし、何かを見ようとするのではなく、意識して見ないようにしている番組はあります

それは、夜のニュース番組です。

いかにも誠実そうなアナウンサーの挨拶から始まり、「あってはならないことが起こってしまいました」と沈痛な表情でトップニュースが始まります。

少年が遊ぶ金欲しさに祖父母の家に強盗に入った事件が流れ、かと思えばいきなり海外の爆破テロの映像が映ります。

その後も自動車のひき逃げ事件、恋愛のもつれからのストーカーの話し、そして、『国会紛糾』のテロップとともにコマーシャルに突入していきます。

心理学現象「恐怖管理理論」とは

私はまだニュース番組を見ていた20代の頃、不謹慎かもしれませんが、兵庫県に住んでいる自分が、遠い地方の事故やましてや海外の殺人事件を知る意味があるのか、またそんな事件や事故を羅列する番組にスポンサーがよく付いているなと、疑問に思っていました。

その疑問が解けたのは、心理学を勉強し始め、大ベストセラーとなったケリー・マクゴニガル氏の『スタンフォードの自分を変える教室』で、「恐怖管理理論」という心理学現象を知った時でした。

その理論によると、自分もいつかは死ぬ運命にあると意識するとき、人はありとあらゆる誘惑に負けやすくなるそうです

夜のニュースを見ていると、死というものについて、「人ごとではないな」と考える時間が頻繁に訪れます。

脳が意識的にでも無意識にでもこの種の不安を感じると、何でもいいので安心感や未来への希望を得ようとします

例えば、一時的に楽しい気分になれる、甘いチョコレートやケーキなどのスイーツ、こってりしたステーキ、不安感を消してくれそうな絶叫マシーンがある遊園地、ストレスを緩和するタバコ…。

また、高級車や高級時計、高級ブランドのバッグやアクセサリーは、身につけることで自己イメージを高める効果があることがわかっています。

いかがでしょうか? 上で挙げたものは、ニュースの間で流れるCMでよく目にするものではないでしょうか?

買い物をしたくなっている事に気が付いていない


残念なことに、ほとんどの人は、自分が恐れを感じた時に何らかの買い物をしたくなることに気づいていません

また、恐れを感じるのはもちろん夜のニュースの時だけではありませんが、ダイレクトに、現実感を伴って、さらに頻繁に人に自分の命について考えさせるのは夜のニュース番組が一番でしょう。

私は個人的にテレビでニュースを見る必要はないと思っていますが、時間的あるいは仕事の都合でニュースを見る場合、恐怖管理を利用しているCMを自分で見つけてみましょう

無意識に感じる恐怖での購買意欲が増すことは防げなくても、自分の頭で意識することができれば、そこから合理的な方の選択に自分の行動を変えることは可能になります

一時的に衝動買いしたくなっても、どうして今〇〇が欲しくなっているのか、その原因がわかれば、それが本当に必要かどうか、正しく判断することができるようになります。

また、合理的な判断ができるようになったら、日常生活の他の場面でも、「恐怖管理」によって買い物したくなる時がないか、自分を観察してみましょう。(執筆者:松岡 紀史)

《松岡 紀史》
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松岡 紀史

松岡 紀史

ライツワードFP事務所 代表 1979年兵庫県加古川市生まれ。同志社大学工学部卒、筑波大学大学院ビジネス修士。 IT企業に3年勤務した後、ワーキングホリデービザにてオーストラリアに1年間滞在。決して収入は多くないが、それでもゆとりと満足感を持って暮らしている現地のオージーたちの生活に影響を受け、日本でもお金に振り回されない生き方を広めたいという想いから2010年にライツワードFP事務所を設立。 投資や運用テクニックというよりは、「生活を幸せにする買い物」や「習慣化できる節約術」など、現在の収入でいかにお金で悩む時間から解放され幸福度を上げれるかという観点から相談・執筆を行っています。 <保有資格>:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP 寄稿者にメッセージを送る

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