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安い=お得とは限らない 私がクリーニング屋で絶句した「無駄なコスト」「最低限のコスト」について

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安い=お得とは限らない 私がクリーニング屋で絶句した「無駄なコスト」「最低限のコスト」について

安く済ませたいという消費者の気持ち


先日のことですが、家に眠っていたスーツ類をクリーニングに出すことにしました。

普段は仕事でスーツを着ないのですが、どうしても15日後にこのスーツで仕事をしたかったので、近くの某スーパー内に出店しているお店にもっていきました。

そうそう、確かモーニングサービスとやらで、午前中のある時間帯までに出すと4着で〇円になる、ということをやっていたな、と思い出しました。

あわてて行くと、設定時間の10分前で、ギリギリ間に合いました。ホッとしました。

「時間帯サービスでいいですよ。スーツのセットとジャケットとパンツですね。2週間ほどしたらできると思いますので、いっぺんに取りに来てください。」

と言われましたが、気になる言い回しがありました

一つは「いっぺんに取りに来てください」で、

二つ目は「2週間ほどしたら」です。


なぜ一度に来ないといけないのだろうと疑問に感じましたが、そういうルールだろうと納得させました。

ただ「2週間ほどしたら」の方はどうしても気になります

普通は「〇日に出来上がる予定です。汚れの程度で数日余計にかかることもありますが」と言われることが多いので、この曖昧さは訊いておこうと思いました。

「え~と、4点ですと、2週間ほどはかかりますね。一応お電話してから来てくださいね。」

と言われてしまいましたが、まあ、4着で2週間か、ダウンジャケットなんかもないし、大丈夫だろうと軽い気持ちで帰りました。

そして13日目、そのスーパーに行く用があったので、試しに聞いてみました。まあ、仮にまだでも明日には手に入るだろうし、というほんとに軽い気持ちでした。

そして絶句する事態に

「あっ、確かめますから少しお待ちください」ごそごそと探していた店員さんは、意外にすぐに出てきました。

「石川さん、3つありましたが、スーツの上が見当たりませんので、もう一度探してみますね。今日の配送は一回だけで終わりましたので、多分この店舗のどこかにあると思いますから。」

仕方なく、いったんその3つを持ち帰り、仕事に出たら、スマホが鳴りました。あのクリーニング屋さんからでした。

「石川さん、ひょっとして、そのスーツの上のタグの番号わかりませんか?」

「いや、わかりませんが。出先ですし」

「そうですか。それが、ですね。スーツの上ですが、その~…お店になくて。問い合わせたら『行方不明商品』の中に石川さんのものと思われるのがあるのですよ。ただその商品にタグが付いてないのです。」

絶句しました。

スーツが行方不明ってどーゆーこと?

なぜタグが付いてない?

タグ番号をなんで客に訊くのだろう?

お店の控えはないのかな?

どんなシステム使っているんやろ?

さらにびっくりしたのは「僕の服のある場所はわかっているのですよね? 私がそのある場所へ取りに行きますから」と申し出したら

「それは無理です。服はうちの店舗で受け取ってください。土曜日には入る予定ですから」

と言われたことです。

服が行方不明なのは僕の責任ではないけど、へりくだって「取りに行きます」と言っても「お店の配送の都合」が優先されるという、おかしな理屈が当たり前であるということには、ほんとびっくりしました

サービス業の基本は「間違えたら謝罪して、すぐに修正しよう」と20年前に教えられた常識は、この業務の効率化の時代では、もはや「遺産」なんでしょうか?

結局はそのスーツが必要だった日には着れず仕舞いでした。私がスーツを、普段着る仕事だったら、もっと怒ったでしょうが。

「安い」を選択するまえに、考えておきたい事


今世間では「コストを下げました」と言って、料金を引き下げて、競争に打ち勝とうとする風潮があります。

しかし注意したいのは、この引き下げられた「コスト」というものは、「余計な」、「無駄な」コストであって、「必要な」、「最低限の」コストではないですよね、ということです。

例を出すと、

・ 普通の蕎麦屋さんより立ち食い蕎麦屋さんが安いのは、食券機の導入で人件費を浮かせているからで、決して蕎麦そのもののグレードを大きく引き下げているからではない。

・ セルフのガソリンスタンドが安いのは、人件費を浮かせているだけで、質の悪いガソリンを使っているからではない。

・ 流行りの居酒屋さんのビールが安いのは、ビールの儲けを少なくして集客を図った結果であり、ビールと称して発泡酒を出しているからではない。

からだと思うのです。

最後に

今回のクリーニング屋さんのケースでは、頼んだ衣類が約束通りにつくかどうかわからないから「安い」では、困るわけですし、それを防ぐのは「無駄なコスト」ではなく、「最低限のコスト」であると思うのです。

僕は、そこを犠牲にしてもいいから「安く」済ませたいと考えていたわけではないのですから、もしお店側がそういう「コスト」が無駄であると考えているならば、僕の選択は完全に間違っていることになります。

皆さん、今の時代は「簡単にサービスや商品」を比較できないようなややこしい時代でもあります。

提供されるサービスなどの「本質」を見極める確かな選球眼を持たないと、あなたは確実に損することになってしまうかもしれません。

それを忘れない「真の賢い消費者」になろうではありませんか? そんなことを考えてしまう、出来事でした。(執筆者:石川 智)

《石川 智》
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石川 智

石川 智

FP事務所オフィス石川 代表 1966年高知県生まれ。トヨタ系販売店~外資系保険会社を経て、2010年独立起業した。一般的な相談業務とともに「高齢者とお金」「障害者とお金」などの講演会で高知県内外で講師を務めている。また国の事業である「生活困窮者自立支援事業」での家計相談を、高知県内の市町村で担当し、福祉FPとして活動中。今後の目標は高知県内で金融リテラシーを普及させることと、様々な分野にFPの技法を活かすこと。メディア出演歴は高知放送「こうちeye」テレビ高知「テレッチのたまご」など。 <保有資格>:AFP認定者 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 生命保険・損害保険・少額短期保険募集人資格 終活アドバイザー 寄稿者にメッセージを送る

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