アベノミクス効果やアメリカ経済も回復傾向にあることから、株価が急上昇しています。今後、日経平均株価が2万円を超える!?といった意見も中にはあります。さらに、週刊誌やビジネス雑誌にも株式投資の特集が組まれており、「今、株を買わなければ損!」みたいな空気さえも感じます。
為替や株価は、何らかの経済的な要因で動きますが、時には人の思惑だけで動くこともあります。人の思惑だけで動いている時・・・それがバブルです。
株価が上昇しているといった結果があれば、株価が上昇している理由はいくらでも・・・とまでは言いませんが可能です。しかし、その時に、マイナス要素(問題点)に関する情報はかき消されてしまう傾向があります。そして、そのマイナス要素(問題点)は、株価などが大幅に下落した時に表に登場します。
例えば、ITバブル、ユーロ危機、リーマンショックなどを振り返っても、危機が表面化した時に、これまで表にほとんど出てこなかった問題点が大きく取り上げられています。
世界で最初のバブルは、1630年代にネーデルラント連邦共和国(オランダ)で起きた「チューリップ・バブル」です。チューリップの球根1個が今の価値で換算すると2万5,000ドル~5万ドルにまで急騰し、その後、大暴落しています。それ以降も、数多くのバブルが発生し、崩壊しています。
カナダ出身の経済学者、ジョン・ケネス・ガルブレイスは、「バブルの物語」(ダイヤモンド社)の書籍の中で、「すべての投資家は、自分だけは賢明だと信じている。暴落が訪れるその瞬間まで」と書いています。
今の株価は、バブルなのか?
専門家でも難しい判断ですが、半年後、1年後にはバブルかどうか?は分かるでしょう。しかし、その時に知ったのでは遅いのも現実です。プラスの要素だけでなく、マイナスの要素にも目を向けることも重要です。損失を出したくない人にとっては、万が一、今の株価の上昇が単なる一時的なバブルだった場合のことも考えて、投資を行う必要もあるのではないでしょうか?
最後に、バブルだからと言って、投資を行うことはダメとは言いません。バブルにうまく乗ることができれば、大きな収益を得ることができます。しかし、その逆だった場合、思わぬ損失を出してしまうことになります。