先日、政府は個人投資家が投資信託を購入しやすくなるよう、金融活性化策を打ち出しました。投資信託の拡充や強化が柱で、運用業の規制緩和などを通じて、個人が運用益を得られやすい環境を整えることを目指しています。運用業界の競争を促すため、投資信託の運用者(ファンドマネージャー)が独立しやすい環境も整える方向。金融庁への登録要件を緩やかにし、少人数で運用会社を設立できるようにすることも検討中です。
日本では証券会社や銀行などの金融機関(販売会社)を通じて投資信託を購入するのが一般的ですが、投資信託会社から直接購入できる投資信託もあります。そういった直販型の投資信託が注目されています。その魅力を探ってみましょう。
目次
直販型投資信託の3つの魅力
1.手数料が安い
販売会社を通さないため、手数料をゼロとしている投資信託がほとんどです。例えば販売会社を通じて100万円投資すると例えば手数料3%の場合、手数料、消費税等を差し引いた約96万8,600円程度が実質的な投資金額となります。投資した瞬間からマイナススタートとなる一方、直販型投資信託は手数料が取られないため、100万円が投資金額となりその差は歴然としています。
2.独立系
日本の投資信託会社は金融機関を親会社にもつところが多く、親会社の圧力によって組み入れたくない株式も組み入れることもあり、運用を悪化させてしまうこともあるようです。直販型投資信託は独立系であるため、そのようなプレッシャーがないのが特徴の一つでしょう。
3.分配金は再投資
分配金は運用成果を分配金で受け取るより再投資に回し、長い期間をかけて資産を増やす方が福利効果も期待できます。その結果、投資信託の純資産残高が増えることになります
直販型投信を選ぶポイント
直販型投資信託を選ぶにあたっては、
(2)投資先はどのようなものなのか
(3)リスクはどのようなものがあるのか
(4)純資産残高が順調に増えているか
なども重要なポイントといえますので、直販型投資信託会社から送られてくる交付目論見書や請求目論見書などに確認しましょう。また投資信託会社が定期的にセミナーなども行っています。それぞれの特徴やその会社の投資信託への思いを聞き出すこともできるので参加して欲しい。
投資信託は機関投資家しか購入できない投資信託も購入できたり、少額の資金からも投資できる点に魅力があります。政府の投資活性化策が実現し、ファンドマネージャーが独立しやすい環境を整え、投資家にとって魅力のある投資信託が増えることを願うばかりです。(執筆者:伊田 賢一)