投資と手数料の密接な関係
投資商品を購入する場合や保有中、そして売却時にそれぞれ手数料などがかかります。
具体的には、株式投資であれば購入時に証券会社に支払う手数料がかかります。保有中はかかりませんが、売却時には証券会社に支払う手数料とともに収益が上がっていれば所得税や住民税などの税金がかかります。
また、投資信託であれば、購入時には販売手数料がかかります。保有中は信託報酬がかかり、売却時には一部の投資信託では信託財産留保額とともに、収益が上がっていれば所得税や住民税などの税金がかかります。
それぞれ日頃は使うことのない専門用語が登場し、ややこしいと思うかもしれませんが、投資商品を購入する上では、この手数料にも注目しておく必要があります。

手数料が安い商品を選択しよう
同じような運用内容であれば、手数料が安い運用商品を選択するようにしましょう。
なぜなら、これらの手数料は自動的に差し引かれるため、最終的には自分の収益率にも影響してきます。もちろん、手数料は収益に関係なく発生します。
したがって、手数料が高ければ高いほど、収益が圧迫されてしまいます。
例えば、購入時に手数料が2%発生したと仮定します。その後、運用により2%の運用収益が上がった場合は±ゼロになるのでしょうか?
答えは”NO”です。
100万円の投資商品を購入し、その時に2%の手数料が発生した。その後、運用で2%の運用収益が発生。
〔手数料〕100万円×2%=2万円
98万円(手数料を差し引いた後の金額)×2%(運用収益)=99万9600円
計算例の場合、僅かな金額ではありますが、マイナスであることに違いはありません。
特に、保有中にかかる手数料は毎年発生することから、その手数料分以上に運用収益が発生しないことには、結果として運用収益はマイナスになってしまうのです。
もし、その年の運用収益がマイナスにあった場合は、手数料と運用損益のダブルパンチになってしまいます。
投資信託などのパンフレットでは、運用収益をグラフで表したものが記載されていることがありますが、その数値は手数料も含めたものなのか? も確認しておく必要があります。
運用商品を購入する場合は、手数料は避けて通れないものですが、手数料は自分の運用収益の足を引っ張る要因の一つであることも理解しておく必要があります。(執筆者:岡田 佳久)
「なぜ、投資で損をするのか?」シリーズ、第6話はこちら