生命保険はそんなに必要ない 最低限必要なのはコレ»マネーの達人

生命保険はそんなに必要ない 最低限必要なのはコレ


「営業マンに言われるままに保険に加入したけれど、保険料の負担が大変で、どこをどう削ればいいのかわからずにいる」という人は多いようです。

自動車を買う時には、カタログを見ながらカタチや燃費、費用などをあらかじめ決めて買いにいくのに、どうして保険はよくわからずに入ってしまうのでしょうか。

それは、保険は難しいという先入観があるからでしょう。

けれど、保険は、けっして難しくはありません。

なぜなら、生命保険で買える保障は大きく2つ。死んだ時に保険金が出る「死亡保障」入院したら給付金がでる「医療保障」(最近は通院でもでるものも)。

なので、保険に入る時に考えなくてはいけないのは、「死んだ時にお金をいくら残すか」、「病気になったらどれだけお金が必要か」の2つです。

サラリーマンの場合、亡くなると住宅ローンについている保険で相殺されてローンが無くなる人がほとんど。また、会社からは退職金に相当する死亡退職金が支給されます。

さらに、幼い子どもと奥さんを残して他界しても、子どもが18歳になるまで月15万円前後の遺族年金が支給され、子どもが18歳を過ぎても妻が40歳以上なら中高齢寡婦加算などがあるので、妻は食べていくのには困らないでしょう。また、65歳になると自分の年金もがもらえます。

ですから、暮らしていくには困らないかもしれませんが、ただ、何とか食べてはいけても、どうにもならないお金があります。それが、教育費

女手一つで大学までいかせるのは大変。ですから、子どもが大学を卒業するまでは、教育費として子ども1人に1000万円を残してあげたほうがいいでしょう


高額療養費制度があれば、半年入院しても医療費の自己負担は40万円程度


入院したら多額の費用がかかるのでは?


病気になっても、「健康保険」があるので、それほど心配することはありません。

たとえば、入院して月に100万円かかったら、3割負担で30万円支払わなくてはいけないのかと思うかもしれません。

けれど、高額療養費制度という自己負担が一定額までになる制度があるので、普通の収入の方なら、月100万円の治療を受けても自己負担は8万7430円。

4か月目からはこれが4万4400円になるので、半年入院しても自己負担額は40万円ほどです。

高額療養費制度は、家族合算できるので、夫と妻が入院してそれぞれ100万円の治療を半年間受けたとしても、治療費は40万円ちょっとにしかなりません。そもそも、半年も入院する病気はまれです。

がんになったら大金が必要でしょ?


最近は、「がんになったら、どうなるの?」と心配される方も多いようですが、がんになっても大部分は健康保険の範囲で対応できます。

もちろん、健康保険の対象とならない重粒子線治療や陽子線治療など約300万円前後かかる先進医療の治療費もありますが、全国のがん患者153万人のうちこうした治療を受けているのは2400人ほどで、全体の0.16%。つまり、ほとんどの人は健康保険対象の治療で治しているということです。

サラリーマンの場合には、病気やケガなどで会社を休んでいる間は、傷病手当金も出ます。傷病手当金の額は給料の3分の2で、最長で1年半まで支給されます。

鬱など治療に長くかかる病気の場合には、傷病手当金の1年半の支給期間を超えてしまうこともあるかもしれませんが、その場合には、障害年金が出るケースがかなりあります。

ですから、大型の医療保険に入らなくても、1日5000円程度のどんな病気にも対応できる保険があれば足りるでしょう


生命保険は、基本的には「アフターフォローがない商品」です


仮に、「死亡んだ時の保険金は子どもが大学を卒業するまでひとり1000万円で、大学を出たら必要ない。医療保障は1日5000円程でいい」と、ご自身の家庭の事情から判断したら、はじめて保険会社にコンタクトして、その状況に合う保険の見積もりを取りましょう。

最初に、自分にどれくらいの保障が必要なのかを考えないままに保険会社に見積もりを出してもらうと、相手のペースに巻き込まれて大型の保障になりがちだからです。

「死亡保障」と「医療保障」の金額は、どの保険会社もほぼ同じです。

なぜなら、日本人が死亡する確率や病気などで入院する確率から保険料を算出しますが、この確率は日本人である以上ほぼ同じだからです。

では、なぜ同じ保障なのに保険料が変わるかといえば、保険会社によって保険料に加える経費が違うからです。

たとえば、死んだ時に同じく2000万円の保険金の保険に加入するとします。A社の保険料は月々5000円、B社は月々4000円だとすると、A社のほうが月1000円多く経費を保険に上乗せしているということです。

この1000円の差を「アフターフォローがあるから」と勘違いされている方もいらっしゃるようですが、生命保険は、基本的にはアフターフォローのない商品です。

死んだら自分で死亡診断書を取り寄せて保険会社に提出し、入院したら自分で入院証明書を取り寄せて提出しなくてはお金はもらえません。自分で請求しない限り、お金は出ません。

3年ごとに営業マンが来て保険を見直してくれることをアフターフォローと思っている方も多く、確かに親切な営業マンもいます。

けれど、保険販売のマージンは2~3年で切れるケースが多いので、3年ごとにやってきて見直すことで新たにマージンをもらっている人も少なくありません。こうしたケースは、アフターフォローとは言えないでしょう。

では、今ある保険をどうすればいいのか。長くなったので、次回にご説明しましょう。(執筆者:荻原 博子)

この記事を書いた人

荻原 博子 荻原 博子»筆者の記事一覧 http://www.ogiwarahiroko.com/

経済ジャーナリスト
1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「どんとこい、老後」(毎日新聞社)、「お金は死ぬまえに使え」(マガジンハウス)、「ちょい投資」(中央公論新社)など著書多数。

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