前回のコラムで最後のお話した、「売地を探す」手法についてお話したいと思います。
と思われるのではないでしょうか。
試しに「売地」を検索してみると、私がこれからお話したいことをご理解いただけるかもしれません。
いくつか物件をクリックしていくうちに、「おやっ!」と思う物件があるかと思います。
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目次
古家付きの土地を探せ!
「売地」のカテゴリーには、土地として売り出しているもののウワモノが付いている物件があります。こうした土地が、実は珍しくありません。
ウワモノつき土地では「更地渡し」または「現況渡し」ということになり、現況渡しの場合は買主が建物の解体費用を負担することになります。
その分低価格で購入できる可能性が出てきます。
もし土地に付いているウワモノが収益物件として使えるようならどうでしょう? ただのボロ家が一転、お宝物件に変身しそうに感じませんか?
古家付きの土地を探すことにはハードルもあります。「古家付き」の「古家」の大半はタダのボロ家。
これは! と直感する物件に出会うまでには、相当な根気と時間が必要です。ですので、この方法をメインに物件を探すのはお勧めできません。
つまり、先日お話した正攻法の探し方をメインに、古家付きの土地にも目を通すといったやり方が良いのではないでしょうか。
収益物件として使えそうなものを運よく見つけたとしても、それを賃貸できるレベルにするためにはある程度のリフォームが必要になります。そうした手間や費用についても念頭に入れておく必要があります。
私が見つけた古家付き土地
通勤時間を利用して物件検索を行っていたある日のことです。古家付きの土地を見ていると
160㎡・3,980万円
という物件を見つけました。物件周辺の地価を調べると路線価は20.5万円/㎡。「土地値が価格の7割以上」という基準もクリアした魅力的なものでした。
早々に業者に連絡し資料を取寄せ、内見の段取りも整えました。業者からの情報によると、その時点での入居は7部屋中2部屋。いずれの部屋の間取りも2DKという物件です。
インパクトの大きい内装にテンションが下がりつつ…
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始めに見せてもらった部屋のインパクトが、いきなり大きすぎました。風呂場の前の床が抜けて穴が開いていたのです。ある程度の覚悟はしていましたが、実際に見てみるとテンションがかなり下がるものです。
気を取り直して他の部屋を見せてもらうと、他の部屋は通常のリフォームで何とかなりそうでした。問題は1階の床の抜けた部屋です。それだけでなく、壁に穴も開いています…
このような状況ではありましたが、検討の結果話を進めることにしました。嬉しいことに3,300万円の指値も通り、その時点でほぼ土地値の物件です。
その後、ひょんなことから母がこの物件を購入することになり、私がバックアップしながらリフォームを行い、おかげさまで現在は満室で稼働しています。
視点を変えて収益物件を手に入れられることも…
リフォーム等や諸々の費用で1,000万円近くかかりましたが、利回り13%ほどの収益物件として再生させることに成功しました。
このように、物件探しの視点を変えると、思いもよらない価格で収益物件を手に入れられることもあります。たまには違った方法で検索してみると新鮮さもあり楽しいものです。よかったら試してみて下さい。(執筆者:内田 陽一)