
このような「常識」は、時代とともにすたれていっています。
少子化が叫ばれて久しい今、弔いの形もまた変わっていこうとしています。様変わりするお墓の形を、終活カウンセラーの私が「費用」に着目してお話していきます。
目次
一般的なお墓の値段は200万円程度
お墓の価格相場一覧(2014年版)
購入したお墓の平均価格(永代使用料+墓石価格)

私たちが「お墓」と聞いてイメージする一般的なお墓の場合、その購入にかかる費用は約200万円程度だと言われています。
特に、東京都や神奈川県といった都心部は高く、250万円を超えることすらあります。土地代の高さがそのまま墓地の高さに反映されているのです。
「すでに墓がある」という場合ならばともかく、一からお墓を建てようとするととてもお金がかかります。
また、核家族化が進んでいる今、「両親は富山で亡くなったし墓もそこにしたが、自分たちは大阪に住んでいる。そうそう通うことはできない」という状況もよくあります。
もちろん「一般的なお墓にすることはソンだ」ということではありません。ただ、自分たちのライフスタイルに合わせて、葬送の形も変えていく必要があるでしょう。
納骨堂という選択肢
「お墓を建てることは難しい」という人にとって、選択肢の一つとなっているのが「納骨堂」です。
納骨堂とは、その名前の通りお骨を収めるところです。ロッカー式やお墓の形があり、屋内でお骨を管理します。
さまざまなご家庭のお骨を扱うことができるため、費用はお墓の建立に比べると非常に安価です。納骨堂によって差がありますが、25万円~100万円程度で収まります。
納骨堂を選んだ場合、費用もさることながら、お墓の手入れが必要なくなるというメリットがあります。「お墓にいけなくて草が生え放題なのは心苦しい」という人に向いています。
自然のなかに還る「樹木葬」と「散骨」

「自然のなかに還りたい」と考える人に人気なのが、樹木葬や海への散骨です。
樹木葬とは、墓石ではなく木を植える、というものです。個人の名前を掲げた木が育っていく様は、遺族の心を癒してくれるでしょう。この樹木葬は値段も安く、50万円~70万円程度で可能です。
海に散骨をする方法もあります。業者にお願いして散骨をしてもらう場合は5万円程度が相場です。家族で撒く場合はクルージング代として1人当たり2万円程度の費用が発生することもあります。
ただ、樹木葬にしろ海への散骨にしろ、これを行う場合には許可が必要です。「養殖場の近くは避ける」などのように細かい規定があります。許可なく海や山に散骨することは絶対にやめましょう。
弔いの形は、日々移り変わっていきます。
悔いのない最後を迎えるために、家族で話し合ったり、エンディングノートに希望の埋葬の方法を書いておいたりするとよいでしょう。(執筆者:鍋谷 萌子)