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現在の日本の「遺伝子検査」事情 自分や家族のために健康を見直すきっかけに

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現在の日本の「遺伝子検査」事情 自分や家族のために健康を見直すきっかけに

「愛する家族を残して死ぬわけにはいかない」


2013年にハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳房全摘出の手術を受けたのは、国内外で大々的に報道されたので記憶にも新しいであろう。

唾液のサンプルなどを送ることで、将来自分がかかる病気の可能性を診断してくれる遺伝子検査。これを受けた彼女は乳癌にかかる確率が80%以上と知ってこの手術を受ける決意をした。

当時の夫と6人の子供たちという大家族の母親である彼女にしてみれば健康で長生きすることは切実な願いであり義務だとも感じているだろう。私自身はこのニュースを聞いたとき、多少は驚いたものの、ハリウッドスターならあり得ない話ではないと思った。

芸能人はもちろん、一般人にもわざわざ健康体にメスを入れて整形手術をする女性は多数存在するし、彼女の場合ものちにインプラントを使用した乳房再建手術を受けて形のいいバストを取り戻しているのだから、そこは多少お金で解決できる世界ではある。

遺伝子検査の結果はどれだけ正確なのか…

ところが彼女は2015年3月に、今度は卵巣・卵管の摘出手術も受けた。同年3月24日にニューヨーク・タイムズに掲載された記事の中で彼女はこう語っている。

「これで、私の子供たちは「ママは卵巣癌で死んだ」と言わなくてすむようになった。」

この件は、遺伝子検査の信憑性とははたしてどこまで正確なものなのかを、考えさせられるできごとだった。

現在の日本の遺伝子検査事情


それまで遺伝子検査といえば、親子のDNA鑑定が目的であった。

しかし、上記のアンジェリーナ・ジョリーの件以来、日本で注目されはじめた遺伝子検査は体質的にどんな病気にかかりやすいかを調べるものであり、いかにも健康への意識が高い日本人がはまりやすいトレンドといえる。

現在の日本では

ジェネシスヘルスケア社 「GeneLife(ジーンライフ)」

DeNAライフサイエンス社 「MYCODE」

などが有名となっている。価格はどれも3万円前後はかかる。

三大疾病(ガン・心筋梗塞・脳梗塞)を含む360項目を網羅すると謳っている検査会社もあり、非常に頼もしく、信頼性もありそうだが、検査会社はそれぞれ独自の規定や検査方法を用いているため、検査結果は検査会社によって多少の相違があるようだ。

遺伝子検査の信憑性

検査結果自体の正確性や信頼性ってどこまで信用できるの?

という話になってしまうが、これは乱暴な言い方をしてしまうと「信じるも信じないもあなた次第」としか言えないのが現状だ。

日本人のサンプルが少ない

遺伝子検査の結果の出し方は、膨大に登録されたサンプルのデータを元にして、その人の病気の可能性を割り出すというやり方なので、サンプル数が命となるのだが、まだ日本人はそのサンプル数が少ないのである。

だから現状はアジア人その他の近い人種からのサンプルも合わせて結果を出しているのであって、これが将来的に日本人のサンプル数が十分集まれば、遺伝子検査の結果も大きく変わる可能性もあるかもしれない。

そもそも、当のMYCODEですら、

「その正確性については当社が保証できるものではありません。」

とはっきり謳っている。

現状ではコストにより正確性もかわる

ちなみにアンジョリーナ・ジョリーが受けた遺伝子検査は上記で紹介した唾液で判別できる2~3万円の遺伝子検査キットではなく、数10万円のコストがかかると言われる医療用の遺伝子検査を受けていたらしい。当然、正確性にも差が出るであろう。

以上から見れば、2~3万円の遺伝子検査はまだまだ研究段階である。これからより正確に、かつ安価に受けられる世界に期待したいものである。

遺伝子検査の結果をどう判断するか?


そもそも100パーセントでない限り、それが起こるor起こらないという確率は常に五分五分なのである。

同じ喫煙者でも肺ガンになる確率が20%と言われて「それは大変だ。今すぐ禁煙するぞ。」と決意する人もいれば、80%と言われても「俺は心配ない。」と思う人もいるだろう。

私は父が胃がん、母が膵臓がんにかかっていたので健康にはかなり気を使っている。

お酒は多少飲むものの量を決めているし、タバコはやめている。通勤時のウォーキングも欠かさないという生活をしているが、人によっては時間や心の余裕がない人もいるだろう。

そんな人たちにとっては遺伝子検査を利用することは改めて自分のため、そして家族のために健康に目を向け、これからの生活スタイルを変え、より頑張れる体にするきっかけにはなるかもしれない。(執筆者:小野 雄吾)

《小野 雄吾》
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小野 雄吾

小野 雄吾

1975年8月、東京都出身。Web制作の仕事一筋15年を経て、2015年7月にサラリーマンのお金に関する悩みを解決させるWebメディアを立ち上げる。自分の家庭の家計管理を担当し、投資、貯蓄で多少の成果を出してはいるものの、肝心の給与収入だけはなかなか上げられずに肩身の狭い日々を送る。 <保有資格>:ウェブ解析士 寄稿者にメッセージを送る

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