年金受給者も「確定申告」を行うことで、税金が戻ってくる可能性があります»マネーの達人

年金受給者も「確定申告」を行うことで、税金が戻ってくる可能性があります

公的年金のうち老齢年金を受給している方は、2か月に一度給付される年金額から所得税とともに復興特別所得税が源泉徴収されています(65歳未満の人は年金の支給額が108万円、65歳以上の人は年金の支給額が158万円超の場合)。

また、年に一度「扶養親族等申告書」を提出することで、公的年金に関する税金関係は終了していると思われる方も多いのではないでしょうか?



しかし、年金受給者も確定申告を行うことで、税金が戻ってくる可能性も多いのです

年金受給者の確定申告不要制度とは?

平成24年から年金受給者の確定申告不要制度がスタートし、下記の(1)と(2)のいずれにも該当する方は、確定申告を行う必要はありません

(1) 老齢年金公的年金等(※1)の収入金額の合計額が400万円以下であり、かつ、その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる

(2) 公的年金等に係る雑所得以外の所得金額(※2)が20万円以下である


公的年金等(※1)とは


・ 国民年金や厚生年金、共済組合から支給を受ける老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金、老齢共済年金)

・ 恩給(普通恩給)や過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金

・ 確定給付企業年金契約に基づいて支給を受ける年金 など


公的年金等に係る雑所得以外の所得(※2)とは


・ 生命保険や共済などの契約に基づいて支給される個人年金

・ 給与所得、生命保険の満期返戻金 など


(引用元:政府広報オンラインより)

社会保険料控除、生命保険料控除の適用を受けたい場合には、確定申告を!

2か月に一度、年金が給付される際に差し引かれる源泉徴収税額は、原則「扶養親族等申告書」をもとに税金が計算されています。

この「扶養親族等申告書」は文字通り、所得控除の種類の中でも扶養控除など人的控除に対する内容(申告)のみとなっています。

控除が考慮されていない場合もある


例えば、健康保険料を支払った際に受けられる社会保険料控除や、生命保険に加入している際に受けられる生命保険料控除は考慮されていません

したがって、健康保険料や生命保険料を支払っているが、上記の確定申告不要制度に該当することで確定申告を行わなかった場合には、本来、受けられる筈である社会保険料控除や生命保険料控除の所得控除の適用を放棄しているのと同じになります

言い換えると、社会保険料控除や生命保険料控除の分だけ余分に税金を支払っていることになるのです

適用を受ける場合は確定申告が必要となる


確定申告不要制度に該当する場合でも、社会保険料控除や生命保険料控除の適用を受ける場合には確定申告を行う必要があります

この確定申告不要制度は、一定の要件に該当する場合、確定申告をしなくても税金関係を完結させることもできるという意味であり、一定の要件に該当することで確定申告を行うことができないという制度ではありません

また、医療費控除や雑損控除を受ける場合にも、確定申告を行うことで、税金が戻ってくる可能性も多いのです

年金受給者の確定申告は、毎年同じ作業の繰り返し!

多くの方は、確定申告と聞くと難しい、または面倒くさいと思われるかもしれません。

確かに、確定申告書には日ごろ使うことがない専門用語が羅列されています。

しかし、年金受給者の方が社会保険料控除や生命保険料控除の適用を受けるために、確定申告を行うとなると、一度、覚えてしまえば毎年、同じ作業の繰り返しになります

税務署に質問することも可能です。



最後に

今後、年金受給額が減額されることから、それを少しでも防ぎたいという場合には、最初は手間に思うでしょうが、年金受給者も確定申告をされることを検討してみてはいかがでしょうか?

なお、公的年金でも障害年金、遺族年金を受給されている場合は税金が課税されませんので、障害年金または遺族年金のみを受給されている方は、確定申告を行っても還付される税金はありませんので、注意してください。(執筆者:岡田 佳久)

この記事を書いた人

岡田 佳久 岡田 佳久»筆者の記事一覧

株式会社オーブレイン 代表取締役
(講演実績)一般向けセミナー、民間企業、高等学校、大学、資格専門学校、社団法人、NPO法人、商工会議所、男女共同参画センターなど(累計約1,000回以上)。(執筆実績)産経新聞、神戸新聞、Yahoo!JAPAN、ダイヤモンド社、わかさ出版など多数
≪保有資格≫CFP、FP技能士1級、キャリアカウンセラー(CDA)、 1級DCプランナー(金融財政事情研究会) 、第二種証券外務員(未登録)、住宅ローンアドバイザー(金融検定協会)

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