FXにおける割高、割安の概念、基本的な考え方»マネーの達人

FXにおける割高、割安の概念、基本的な考え方

最近の為替相場の動向や予想等々を眺めていると非常に、非科学的なことをやっていると感じます。

なぜかといえば、たとえばテクニカル的に今後は円安、円高にいくという話を聞いている、読んでいると非常に根拠薄弱なものとしか考えようがありません。

なぜなら、今、ドル円であれば○円が今は妥当な値段なのだから、という部分をすっ飛ばして、今後の予想をしているからです。

本来であれば今はいくらが妥当なのだから、今後は円安、円高にいくだろうと話をするのが話の筋になるのです。

つまり、現時点で妥当な値段をだれも提示ができない、ということが問題の根幹にあります。


株式における割安、割高の考え方


株式市場では個々の企業での割高、割安の指標がたくさんあります。たとえば、PERなどはその典型であり、PERを基準に割安、割高を決定し、近い将来、その値段に収斂することを前提にその価格予想を行います。

ただ、これは為替市場、FX市場にも同様のことであって、この「近い将来」という語句が非常に問題であって、近い将来がいつを指すのかが非常に重要な問題です。

近い将来というのが、明日を指すのか、1年後を指すのかによって相場観が異なるわけです。

ただ、株式市場の個別株ではその値段というのは企業の売上高によってその値段が決定されることが一般的であって、それによって株価が決定されるのが経済学の基本中の基本になります。

そこには企業の持っている資産や負債はあまり関係がありません。

ただ、売上が驚くほどあっても、倒産する会社は倒産しますので、それを補完する意味合いにおいて格付け会社というものが存在をするのです。

ところが為替市場やFXにおいてはそういう基準値みたいなものが存在をしないのです。

つまり人間が予想するにあたって、自分の中の基準値、というものがないというのは言い過ぎなのでしょうが、少なくても客観性のある基準値は存在しないというのが一般的になります。

このことをもっとかんたんにいえば、今のドル円の妥当な値段のコンセンサス、というものが、世間一般にあるのか、ということになります。

自分の相場観の正しい、正しくないは置いておき、今の、現状のドル円が行き過ぎなのか、それとも妥当なのか、という客観的な基準がないということが為替市場の一番の問題なのです。


為替にも実は基準値がある


株価の場合、その基準値は売上とその会社の規模の割合によって妥当な値段が決定されるというのが一般的な認識になります。

では、日経平均などのインデックスはどうなのか? ということも問題としてあります。市場のコンセンサスというのは一般的には、その国のGDP総額が株価の時価総額に並んだときにその株価は天井付近にあるといい、そしてその時価総額がGDP総額を上回ったときにその状態をバブル経済と呼ぶのです。

では為替市場はどうなのか、といえば、たとえばドル円相場の場合はアメリカのGDP総額と日本のGDP総額を除した金額が基準値になるのが一般的です。

ところが日本のGDP総額の場合、内閣府の勝手に見直しによって、去年の年末にその総額を30兆円上積みしたりするから話がややこしくなりますし、また、ドル円、特に、クロス円などはその計算方法が非常に難しいことがあり、その推移をきちんと明確に考察するアナリストや評論家、専門家がいないことから基準値の算出が非常に難しくなる主因になります。

また、その値段と一方的にかい離をしていることが継続的な観察を難しくするのです。

たとえば、イギリスのユーロ離脱問題でポンドが暴落をしましたが、その暴落はこの関係性をよく知っていると、単に基準値に近づいただけの話であって、それまでポンドが異常高であったことがよくわかります。

ポンドはバブル状態でそれが適正値に戻っただけの話になります。


まとめ


マーケットに限らず、適正値というものを知っておくというのは様々な判断の基準になります。

近所のスーパーに行ってあの店はこの店よりも1000円安い、高いと比較をしたところで、その比較対象の二店舗が日本の国内平均よりも2000円高い状態にあるのであればその比較は意味を為さない、といえば、おわかりになるでしょうか?

つまり、1000円安かろうが、高かろうが、その地域で買うのであれば高い買いものをさせられていることに変わりがないということになります。

冒頭でご紹介したアナリストや、専門家の予想に徹底的に欠けているもの、それは「何に比較して割安、割高」なのだから、今後は円安、円高に向かっていくという文言が足りないのです。

こういう予想をしていれば、割高の状況、つまり間違った現状認識下において、高安を予想し、気がつけばみな損をするということに、いつかはなるということを考えなければいけないということに早く気付くべきです。(執筆者:角野 實)

この記事を書いた人

角野 實 角野 實»筆者の記事一覧

京都市東山区出身。大学卒業後、金融機関に勤める。10年ほとんど営業マンとしてセールスの道を究める。ほぼ、毎年のようにトップセールス。在職期間中の1995年頃に外国為替証拠金取引の開発(現在のFX)と営業に取り組む。その後、歩合外務員を経て独立。現在は投資顧問会社、オーナー、栃木県那須町にてセミリタイア生活。相場師として常に心がけていることは。「人格が相場への影響が甚大であること」。実績からいえば「売り屋」なのですが、アベノミクス以降から買い屋として市場に対峙をしています。

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