「遺言書を作っておいてもらえば良かった…」 生前に遺言書の作成が必要な方のパターンを3つご紹介。»マネーの達人

「遺言書を作っておいてもらえば良かった…」 生前に遺言書の作成が必要な方のパターンを3つご紹介。

相続に関わる相談を数多く取り扱っておりますと

この方は生前に遺言書を作っておけば良かったのに
と感じる場面が度々あります。

専門家の視点から、生前に遺言書の作成を考えるべき方のパターンは次の3つです。


パターン1 子供のいない夫婦

子供のいない夫婦の場合、すべてが配偶者に相続されるのではなく夫が死亡すると、妻と夫の兄弟姉妹が相続人となります。

また、夫の兄弟姉妹が亡くなっている場合は、その子である甥姪までを含む事になります。

今までの取り扱いですと相続人の平均的な数は5・6名、多い時には10名を超えるケースも多くあります。




意外と知らない驚くべき事実

相続手続はこの全員が原則合意しないと、預金の払い戻しも、自宅の名義の変更も出来ません。
意外と皆さんが知らず、相続手続にいらっしゃった際ご説明するとビックリされる事があります。

又は、兄弟だから大丈夫と思い印鑑をもらいに行ったら、過剰な遺産の分配の話をされたという事もあります。

遺言書を作っておいてもらえば良かったと、後悔するのは圧倒的にこのケースです。

このようなケースでは

遺言書を作成する事で、妻に簡単に相続させる事が出来ます

又、夫の兄弟、甥姪には、遺留分(法律上の最低限の相続に関する取り分)がありませんので後から相続がこじれる事も少ないです。(遺言の無効を主張される場合は別です。)

後に残る配偶者の生活の保障を考えて元気なうちに遺言書の作成をおすすめ致します。夫婦でお互いに遺言書を作成しあう方もいらっしゃいます。


パターン2 事実婚・内縁の夫婦

事実婚(入籍をしていない夫婦)や内縁の夫婦の場合は、原則お互いに相続権がありません

夫が死亡した場合、妻は生活の糧が無くなってしまう事になります。

これも遺言書作成で、ある程度相続財産を確保する事が可能です。

この場合の「ある程度」という理由


・ 夫に子供がいる場合、遺言書で全資産を内縁の妻に遺贈・贈与すると作成しても子供の遺留分を侵害する事は出来ないため(子供の民法上の遺留分は2分の1)

・ 子供に遺留分を主張された場合(遺留分減債請求といいます)はその相当額を返さないといけないため

遺言書の作成の内容まで踏み込んだ場合

上記の遺留分減債請求を受けたケースを想定し始めから全資産の2分の1相当を内縁の妻がもらえるように遺言を作るなど、自宅と相応の生活費として預金・現金を残す内容をアドバイスさせていただいています。


パターン3 再婚の夫婦



夫婦のどちらかに前の結婚で子供がいる場合も遺言の作成が有効です

離婚した元配偶者の意向に子供が左右されたり、子供自身に親が離婚して自分はとても苦労したなどの親の対応の不平等間があり遺産の分け方が決まらず、長期化するケースが多くあります。

作成する際のアドバイス


出来る事ならば配偶者の生活を考慮した上で子供にはなるべく平等に遺産を分ける。わける資産は出来るだけ具体的に書きます

見本

・ 妻には〇〇の土地と建物。及び〇〇銀行〇〇支店の口座番号△△の預金

・ 子供Aには〇〇銀行〇〇支店の口座番号△△の預金

・ 子供Bには〇〇の土地

・ 子供Cには何も残さない

重要なポイント

このように分ける理由と親の気持ち付け加えて書くことです。(付言事項といいます)

・ 子供Aは今後結婚・教育の為にお金がかかるので△△の預金を残す。

・ 子供BはBの自宅が建っている底地である〇〇の土地を残す。

・ 子供CはCの自宅を建てる際に現金で〇〇円贈与してあり、十分な生前贈与を行っているので他の子供たちとの分配のバランスを考えて今回は残さない事とする。


遺言書は家族への愛

家族の一人が欠けた後の相続は、悲しみの中行わなければならず、非常に大変な手続きであると相談を受けながらいつも感じます。

せめて残された家族がそれ以上の心労を負わないように、遺言書を活用していただければと思います。(執筆者:田山 依里)

この記事を書いた人

田山 依里 田山 依里»筆者の記事一覧 http://acllas.co.jp/tayama/

田山司法書士事務所 代表司法書士
一般社団法人日本相続 理事 Acllas Solutions
明治大学経営学部卒業 1998年司法書士資格取得、翌年登録。事務所は相続にまつわる相談を年間300件以上継続的に受け続け2014年に先代より合わせて開業40年を迎えた。数多くの相続の手続業務に従事した結果、依頼者が一人一人、一家族ごとに異なる問題を抱えている事に気づき、より個別の要望に応える為2009年に一般社団法人日本相続を設立。相続に関する相談を一本化し、より広い相続サービスをめざす。
<保有資格>: 司法書士 宅地建物取引士

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