軽費老人ホームは昭和36年に制度化され、低所得者向けの老人ホームとして設置されました。平成24年には2,000施設を超えて設置されました。
今回は名称のとおり入居費用が優しい軽費老人ホームのA型とB型をメインに、その特徴や対象利用者について説明させていただきます。
目次
軽費老人ホームの種類
軽費老人ホームはA型・B型・C型の3種類あります。

A型とB型の違い
大きな違いは食事の提供です。A型は食事の提供があり、B型は食事の提供がないため、自炊が可能な方が利用の対象となります。
利用対象者
軽費老人ホームの利用者は、60歳以上で、身体機能の低下により、日常生活を維持することが困難になり、又家庭環境により家族の助けを得ることが困難である人が対象となります。
又所得制限があり、月額34万円以上の所得がある人は原則対象外となります。
一人ではなく、家族・親族と入居することも可能です。夫婦の場合、どちらかが満60歳以上であれば、夫婦で入居することができます。親族は、三親等内であれば、満60歳以上の利用者と一緒であれば利用できます。
三親等とは、子供、孫、ひ孫とその配偶者、本人の兄弟姉妹、甥と姪、その人たちの配偶と、配偶者の兄弟姉妹、甥姪、配偶者に本人との間の子供ではない子供がいた場合、その子供と孫、ひ孫にあたります。
介護が必要になった時
利用当初は、介護必要ではなかった方が利用していく中で、要介護又は要支援状態になることも当然あります。
その時に軽費老人ホームでは、要介護認定に関わる必要な支援および代行、介護保険サービスを円滑に受けられるよう必要な支援等を行ってもらうことができます。
外部や併設している介護保険サービス(訪問介護や通所介護等)を利用し、軽費老人ホームのサービスと合わせて生活支援を行っていきます。
C型の一般型と介護型

通称ケアハウスと呼ばれています。ケアハウスは一般型と介護型の2種類に分けられています。
利用対象者
A型・B型との違いは所得制限がないことです。その他は以下の通りです。
自立した人向けの一般型
自立した人を対象としています。自立はしているが、独居生活に不安があり、家庭環境などにより、生活上での協力者を得難い環境にある高齢者が利用できる施設です。
介護が必要な場合、介護保険サービスを利用することは可能ですが、あくまで自立生活を維持できる事が前提にあり、維持できない場合には退所を求められることもあります。
介護が必要な人向けの介護型
軽度から重度の要介護度の方を対象としています。一般型と違い、要介護度の方を対象としている為、状態が悪化して住み続けることができます。
提供サービス内容
安心して安全な、日常生活を送れるサービスが軽費老人ホームでは提供されます。
入浴などの準備
レクリエーション
家族との連絡
健康管理
外出
日常生活上の相談
日常生活の援助
社会生活を営む上での手助け など
利用者の生活に必要な手助けを行います。C型(介護型)を除き、基本的に提供されるサービスは生活支援サービスであり、入浴介助や排泄介助といった身体介護は基本的には提供されていないことがほとんどです。
必要な場合は介護保険サービスを利用します。
居室はプライバシー等に配慮した個室になっており、自宅での生活スタイルを変えることなく過ごせる、自宅の住み替え先としてあります。
自立した日常生活を送るための支援と介護を必要としない期間を延ばす手段として利用する、それが「軽費老人ホーム」です。
提供されるサービスは上記以外にも、施設の規模や職員の人数などにより異なります。サービスだけではなく、設備や地域とのかかわり、周囲の環境など施設それぞれが個性を発揮しています。
介護保険サービスが必要な場合は、外部の居宅サービス(訪問介護や通所介護等)利用します。施設により併設した事業所を運営しているところもあります。
どのような時に退所となるのか
軽費老人ホームは、自立した日常生活を送るための支援をする施設です。
利用後、加齢に伴い、精神的・身体的な衰えにより、施設で提供するサービス、介護保険の居宅サービス(訪問介護や通所介護等)、医療サービスを利用し、それでも施設での日常生活を維持することが困難になった場合、退所を余儀なくされます。
といっても、急に退所しなければならなくなることはめったになく、退所後の生活をどう維持していくか決定してからの退所となります。

利用料金
利用料金の内訳は以下の通りです。
軽費老人ホーム(A型・B型)基本料金
サービスの提供に要する費用
従来「事務費」として扱われていたもの。都道府県知事が設定した金額を上限とし、各施設が設定します。
生活費
食費および共用部分いかかる光熱水費のほか、施設の共用部分の維持管理費用など、入所者個人専用でないものにかかる費用です。B型に関しては食事の提供はないため、食費はかかりません。
居住に関する費用
従来「管理費」として扱われていたもの。所得の低い入所者や、夫婦で利用する入所者などには、入所者の実態に応じて、一定の範囲内で減額されることがあります。
その他
居室でかかる光熱費
趣味・娯楽・レクリエーションなどで必要な費用
介護保険サービス利用時の自己負担分(1割もしくは2割)
おおよその月額費用はA型で6万~17万円、B型で3~4万円となります。
初期費用
軽費老人ホームでは、敷金や礼金を支払うことはありません。
又保証金も原則支払うことはありませんが、施設により、退所時に居室を入所時と同じ状態に戻すための費用(原状回復費用)と、月々の利用料金の支払いが滞った場合の保証金として、30万円以下の金額を保証金として支払いを求める施設もあります。
残金は基本的には返却されます。
まとめ
軽費老人ホームは、自立生活を維持するための重要な受け皿となっています。
まだ介護は必要ない、でも独居生活は不安があり、家庭環境により協力者が得ることが困難な方、所得が低い方にとっては、一つの選択肢として検討してみるとよいでしょう。(執筆者:佐々木 政子)