「信頼できる老人ホームを選びたい」と誰もが願ってたくさんの情報の中から、自分に合いそうな老人ホームを探しますが、それぞれのホームの特色などは分かりにくいものです。
まずは…
家族が訪問しやすい街
自分の財布に見合う入居金
上記の老人ホームから探されていることだと思います。
何軒か気になる老人ホームが候補に上がったら、実際に見学に行きましょう。
ここまでは皆さんが心がけていらっしゃるようです。
今回はさらに一歩進んだ選び方「その1」として、見学の際に「重要事項説明書」を見せてもらうことをおすすめしたいと思います。
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目次
重要事項説明書とは
重要事項説明書には、事業主、サービス内容、利用料金など、できれば最初に確認しておきたい項目が、もれることなく記載されていて、契約を結ぶ際に契約書と一緒に必ず説明される書類のひとつです。
老人ホームでは、契約書と合わせてこの重要事項説明書を入居前に説明する義務があります。また、入居希望者から要望があればこの重要事項説明書を提示しなければなりません。
重要事項説明書の内容
1. 母体となる事業主
・ 法人等の種類や、同事業主が展開している他の介護サービスなどがあれば確認ができます。
2. 有料老人ホームの形体
・介護付き、介護付き外部サービス型、住宅型、健康型が明確に記載されています。
3. 建物、設備について
・ 建物の構造(鉄筋コンクリート、鉄骨、木造)が記載されています。
・ 消防用設備としてのスプリンクラーや消化器の有無、耐火建築物であるか否かの表示もあります。
・ 建物の大きさ、タイプ別に居室の広さなどが記載されています。
・ 共有スペースとしての食堂、浴室、介護浴槽、エレベーターの有無なども記載されています。
4. サービス内容
・ 運営に関する方針、サービスの特色が明記されています。
・ 入浴、排泄、食事などの介助や健康管理などのサービスが行われているかの記載もあります。
5. 医療機関との連携
どの病院と連携をとっているのか、又は施設として入退院の付き添いや通院の介助などを行っているかが記載されています。
6. 入居に関する要件
入居対象となる要件と、解約の対象となる場合の内容が記載されています。
体験入居の受け付けているかなども確認できます。
7. 利用料金について
・利用料金の支払い形態や利用料金の内訳が細かく記載されています。
※但し、明確な利用料金は身体状況や居室のタイプでお一人おひとり違うため、契約前では金額の記載が無いでしょう。その場には、重要事項説明書をご覧になりながら、暫定で利用料金を説明してもらいましょう。
8. 職員の人数について
職員の人数や社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員などの有資格者の人数も記載されています。
9. 入居者の状況について
実際に入居されている方の年齢や要介護度、人数が記載されています。
例えばですがこの数字から、自立や要支援の方が多ければ活動的な雰囲気がイメージできますし、要介護度の重い方が多いようであれば静養的で介護要素が大きいと想像できます。
また入居期間の長い方が多いということは、健康管理などが行き届いているともいえます。
施設の基礎部分を理解するための「重要事項説明書」
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有料老人ホーム側は、この重要事項説明書に記載の無い内容は原則提供できません。
従って、新たに改正された項目が発生すればその都度、入居者に内容の変更を説明しなければならないという規定があります。
重要事項説明書が確認できれば、その施設の基礎部分を理解することができます。
私たちが住まいを選ぶ時に、建物の土台から隣人の様子も知りたいのと同じ様に、これからの人生を過ごしていく住まいとして、選ぶ段階で是非確認していただきたいと思います。
ホームの職員にとっても重要事項説明書にお目通しいただけたら説明が漏れることなく、ホームの概要を伝えられます。
是非気になる老人ホームを見つけたら、パンフレットや見学の依頼と一緒に一声かけてみてください。
次回は、一歩進んだ老人ホーム選び「その2」をお届けしたいと思います。(執筆者:佐々木 政子)