Bybit(バイビット)には、「資金調達料」という手数料が設定されており、これは資金調達率を基に計算されます。
資金調達料はトレーダーによって受け取ることも可能な一方で、タイミングを誤ると高額な手数料を支払わなければならないリスクもあります。
この記事では、Bybitの資金調達率に関する基本的な知識を解説し、資金調達料の確認方法についても詳しく説明します。さらに、資金調達率を有効活用して収益を増やす方法についても詳細に取り上げます。
また、Bybitのアカウントをまだお持ちでない方は「Bybit (バイビット)の口座開設・登録方法!手順を画像付きで詳しく紹介」を参考に、登録してみて下さい。
Bybit (バイビット) の資金調達率とは?
資金調達率とは?
資金調達率は、ポジションを持続するための手数料です。その名の通り、取引所における資金の調達コストを示す指標となります。これは、通常の取引でのメイカー・テイカー手数料とは異なるコストで、ポジションを開いている期間全体にわたって適用されるものです。
資金調達率に関する概念は、「スワップ金利」「スワップポイント」「スワップ手数料」など、取引所や業界によって様々な名称で呼ばれることがあります。
ただし、資金調達率は必ずしも支払うだけのコストではありません。場合によっては受け取ることができる場面もあります。
具体的には、以下のような関係性が存在します。
資金調達率 | ロング (買い) | ショート (売り) |
---|---|---|
資金調達率がプラス | 手数料を支払う | 手数料を受け取る |
資金調達率がマイナス | 手数料を受け取る | 手数料を支払う |
このように、ポジションや資金調達率の状況によって、受け取りと支払いの関係が逆転することを理解しておくことが重要です。
資金調達率の計算方法
資金調達率は、ポジションを持続するための金利や調整を表す指標として、仮想通貨先物取引において重要な要素となっています。Bybitなどの取引所での資金調達率は、以下の公式で表されます。
資金調達率=プレミアム指数+(金利−プレミアム指数)±0.05%
この式にはいくつかの要素が含まれています。
- プレミアム指数:マークプライスとスポット価格の差を表すもので、これによりレバレッジの影響を受けない価格が得られます。
- 金利:通常の金利を指します。これは、取引をする際のコストやリスクを補完するためのものです。
しかし、実際の取引を行う際、この式を毎回計算する必要はありません。
Bybitでは、システムが自動的に資金調達率を計算して、それに基づいて手数料を徴収または支給します。したがって、一般的なユーザーにとっては、公式を覚えておくよりも、資金調達率がどのように動くのかの動向をチェックすることがより重要となります。
資金調達料が発生する時間帯
Bybitでの取引では、定期的に資金調達料が発生します。具体的には日本時間で午前1時、午前9時、そして午後17時の3回、8時間おきに行われます。
トレーダーがこの時間帯に資金調達料を支払う必要があるポジションを保有している場合、料金が発生する直前にそのポジションをクローズすることで、資金調達料の支払いを回避することも可能です。
Bybitでは、この資金調達料はトレーダーの利用可能残高から自動的に引き落とされます。資金調達料の計算は以下の方法で行われます。
- 資金調達料 = ポジション価額 x 資金調達率
- ポジション価額 = 契約数量 / マーク価格
この計算方法を使用することで、任意の時点での資金調達料の額をかんたんに求めることができます。
ただし、資金調達率は取引所の状況によって変動するため、常に最新の資金調達率を確認して計算を行うことが重要です。
Bybit (バイビット) の資金調達料を確認する場所
PCから資金調達率を確認する手順
PCからBybitの資金調達率を確認する手順は以下の通りです。
Bybitにログインする
まずはBybitの公式サイトにログインしましょう。
まだ、口座開設を行っていない方は以下のボタンから登録してください。
確認したい通貨ペアを選択する
デリバティブ取引メニューから、資金調達率を確認したい通貨ペアを選択します。
資金調達率を確認する
チャートが表示され、上部に資金調達率が表示されています。
次回までの残り時間も表示されているため、自分が支払いう側のポジションなのか受け取る側のポジションなのかによって、戦略を変更することも可能です。
スマホから資金調達率を確認する方法
スマホからBybitの資金調達率を確認する手順は以下の通りです。
Bybitにログインする
まずはBybitの公式アプリにログインしましょう。
確認したい通貨ペアを開く
アプリ下部のメニューから「チャート」を選択し、上部の取引種別が「契約」になっていることを確認します。
その後、資金調達率を確認したい通貨ペアを選択してください。
資金調達率を確認する
通貨ペア詳細画面では「チャート」と「取引」を選択可能です。
「取引」画面を開くと、右上に資金調達率が表示されています。
Bybit (バイビット) の資金調達率履歴・推移の確認手順
資金調達率の履歴を確認する
Bybitのホームページでは、資金調達率の履歴と推移を確認するための便利な機能が提供されています。資金調達履歴一覧ページにアクセスすれば、過去のデータを取得することが可能です。
まず、資金調達履歴一覧を開いたら、上部にある「契約を選択」から興味のある通貨ペアを選択します。ここで、特定の通貨ペアに焦点を絞ることで、より詳細な情報を得ることができます。
さらに、特定の期間に絞って資金調達率の履歴と推移を調査することもできます。過去の変動をチャートやグラフとして視覚的に確認することで、より深い分析が可能です。
また「エクスポート」ボタンをクリックすると、CSV形式のファイルとしてデータをダウンロードすることが可能ですので、ぜひ一度ダウンロードしてみて下さい。
資金調達料の支払い・受け取り履歴を確認する
資金調達料を受け取ったのか、支払ったのかについての履歴を確認する手順は以下の通りです。
Bybitにログインする
まずは、Bybitにログインしてください。
デリバティブ注文に進む
ログイン後、上部メニューの「注文」から「デリバティブ注文」へとアクセスします。
取引履歴を確認する
Bybitの取引履歴画面では、過去の取引情報を確認することができます。まず、画面に移動したら、「インバース無期限」や「USDT無期限」といった取引方法を選択し、特定の期間を指定して「検索」ボタンをクリックします。
表示される取引履歴の中で、「ファンディング」という項目が資金調達料を指しています。このファンディングは、ポジションを持つトレーダー間での資金のやり取りを表しています。ロングとショートポジションを持つトレーダーとの間で、資金調達料の支払いと受け取りが行われます。
具体的には、「支払い済み手数料」の項目で、マイナス(ー)がついている場合は、そのトレーダーが資金調達料を受け取っていることを意味します。一方、マイナスがついていない場合は、そのトレーダーが資金調達料を支払っていることを示します。
Bybit (バイビット) の資金調達率を活用して利益を上げる方法
Bybitではデルタニュートラル戦略という手法をとることで、相場変動にかかわらず、ほとんどリスクのない状態で金利を受け取ることができます。
デルタニュートラル戦略とは
デルタニュートラル戦略は、金融市場における古典的なリスク管理手法の一つで、特にオプション取引の世界でよく用いられる戦略です。この戦略の目的は、市場の動きに対してポジションの価値が変動しないようにすること、すなわち「デルタ」という指標を中立、つまりゼロに保つことです。
具体的には、レバレッジ1倍のショートポジションを持ちつつ、そのショートポジションと同額の現物を保有することで、市場の上下動に対する影響を中和させることを目指します。これにより、市場の変動によるリスクを最小限に抑えることができます。
「低リスク」という言葉に対して疑念を抱くのは自然な反応かもしれませんが、デルタニュートラル戦略は確かにその名の通り、リスクを中和する戦略です。ただし、全てのリスクをゼロにするわけではありません。例えば、大きな市場の変動や、特定の銘柄に関するニュースなど、予期しない出来事によるリスクは依然として存在します。
この戦略を実践する際には、特定のツールやプログラムを購入する必要はありません。ただし、デルタニュートラル戦略を正しく理解し、適切に実践するための知識や経験が求められます。
Bybitで行うデルタニュートラル戦略のやり方・稼ぎ方
Bybitでデルタニュートラル戦略を実践する際の具体的な手順は以下の通りです。
ビットコイン (BTC) の現物保有
まず、Bybitまたは他の取引所でビットコインを現物として購入します。このビットコインは、価格変動のリスクをヘッジするためのものです。
まだ手元にビットコイン (BTC) がない方は、以下のいずれかの方法を使ってBybitに入金してください。
- 国内の仮想通貨取引所で購入し、Bybitへ送金
- Bybitでクレジットカード決済を行って購入
ビットコイン (BTC) 無期限先物でショートポジションを取る
次に、Bybitのインバース無期限契約で、先ほど現物として購入したビットコインと同量のショートポジションを取ります。
これにより、ビットコインの価格が上昇した場合の現物の利益と、価格が下落した場合のショートポジションからの利益が相殺されることになります。
資金調達料を受け取る
Bybitでは、日本時間で1時、9時、17時の3回、8時間ごとに資金調達料が計算されます。この計算が行われると、自動的にトレーダーのウォレットに資金調達料が加算(または減算)されます。このプロセスは自動的に行われるため、トレーダーが特別に何かをする必要はありません。
この資金調達料を受け取ることで、デルタニュートラル戦略を採用しているトレーダーは、ビットコインの価格変動リスクを低減させつつ、定期的な収益を得ることができます。
以下、資金調達率が0.1%の時の資金別の金利受け取りシミュレーションです。送金時の参考にしてください。この時、ビットコイン (BTC) の価格は1BTC=500万円とします。
ポジション金額 | 1日に受け取れる資金調達料 |
---|---|
10万円 | 100円 |
100万円(約0.2BTC) | 1000円 |
500万円(約1BTC) | 5000円 |
1000万円 | 1万円 |
1億円 | 10万円 |
以上の手順のように デルタニュートラルなポジションを構築し、資金調達料を活用して利益を出すというのがBybitにおけるデルタニュートラル戦略となります。
Bybit (バイビット) の資金調達率を他取引所と比較
Bybitの資金調達率を他取引所と比較することも重要となります。
特にデルタニュートラル戦略で金利の受け取りを行いたい方は、取引所によって金利の高さが異なるため、常に変動をチェックしておくことが利益を上げるためには重要です。
リアルタイムの資金調達率を比較したい場合はCoinglassというサイトで確認できます。
Bybit (バイビット) の資金調達率に関する注意点
資金調達率は常に変動する
資金調達率は常にリアルタイムで変動しているため、トレーダーはタイミングによって異なる資金調達料を支払うことがあります。これは、市場の需給状況やポジションのバランスによって影響されるものであり、特に高いボラティリティを持つ市場では、資金調達率が大きく変動することがあります。
ポジションを持つ前だけでなく、既にポジションを持っている間も資金調達率を定期的に確認することは非常に重要です。なぜなら、資金調達率が高い場合は、トレーダーが他のトレーダーに対して多くの資金調達料を支払わなければならないため、コストが増える可能性があるからです。
一方、資金調達率が低い場合は、トレーダーが他のトレーダーから資金調達料を受け取ることができるため、利益を得るチャンスが増えるかもしれません。
資金調達率の変動を把握することは、トレーダーにとってリスク管理と収益最大化の両方に関わる重要な要素です。市場環境によって資金調達率がどのように変動するかを理解し、適切なタイミングでポジションを調整することで、効果的なトレード戦略を構築することができるでしょう。
通貨によって資金調達率は異なる
確な数値に基づく具体的な例として、BTCの資金調達率は一般的に-0.375%から-0.001%の範囲で変動します。同様に、0.001%から0.375%の範囲でも変動することがあります。ただし、これはBTCの場合であり、他の仮想通貨によって資金調達率の変動幅は異なります。特にアルトコインでは、資金調達率が±0.375%を超えることもあることに注意が必要です。
マイナーな仮想通貨を長期で保有する場合、資金調達率を十分に考慮することが重要です。資金調達率がマイナスの場合、トレーダーは他のポジションを持つトレーダーに資金調達料を支払うことになります。一方で、資金調達率がプラスの場合、トレーダーは他のトレーダーから資金調達料を受け取ることができます。
長期で保有する場合には、これらの資金調達料の支払いや受け取りがポジションの収益に影響を及ぼす可能性があるため、トレーダーは資金調達率の変動を常に把握し、適切な戦略を立てる必要があります。
資金調達率は両建てだとどちらのポジションにも発生する
両建て取引は、同じ通貨の買いポジションと売りポジションを同時に保有する取引方法です。Bybitでは、「USDT無期限」でのみ両建て取引が認められています。
両建て取引には、特有のメリットがあります。最も注目すべきメリットは、損益が固定されるという点です。つまり、特に含み損を抱えている場合でも、それ以上の損失が増えなくなるため、リスクを制御しやすくなります。
ただし、両建て取引には考慮すべきデメリットもあります。通貨によっては、両建て取引を行う際に2倍の資金調達料を支払う必要がある場合があります。資金調達料はポジションを持つトレーダー間の資金のやり取りを反映しているため、取引する通貨によって資金調達率が異なります。
したがって、両建て取引を検討する際には、事前に資金調達率を確認することが重要です。
資金調達料はレバレッジの高さに比例する
Bybitの取引プラットフォームでは、異なるレバレッジ倍率を用いたポジション取引により資金調達料が変動する点が重要です。
例えば、レバレッジ1倍で売りポジションを取った場合、資金調達率が-0.001%であれば、手数料はそのまま0.001%となります。レバレッジ1倍の場合は、資金調達料はレバレッジ倍率に影響されません。
しかしながら、レバレッジ3倍で売りポジションを取った場合は、資金調達料がレバレッジ倍率と掛け合わされます。
例えば、資金調達率が0.001%の場合、レバレッジ3倍ならば手数料は0.003%となります。このように、レバレッジの増加に伴って資金調達料も増加するため、取引を行う際には慎重な資金管理が求められます。
Bybitでは最大100倍のレバレッジを利用することができますが、高いレバレッジを選択する際には資金調達率の増加に注意が必要です。高いレバレッジを用いると、取引によるコストやリスクが増加する可能性があるため、トレーダーはリスク許容度を考慮し、適切なレバレッジ倍率を選択することが重要です。
Bybit (バイビット) の資金調達率に関するQ&A
Bybit (バイビット) の資金調達率まとめ
Bybitの資金調達率についての解説してきました。
資金調達率は、トレーダーがBybitの取引プラットフォーム上で保有するポジションに対して支払う手数料の一種です。
取引の際には、ロング(買い)ポジションとショート(売り)ポジションのトレーダー間で資金のやり取りが行われます。この取引プロセスによって発生する資金調達料は、ポジションの保有状況や市場の需給に応じてリアルタイムに変動します。
一方、デルタ・ニュートラル戦略を用いることで、資金調達率の変動を活用し、年利10%を超えるような金利収入を得ることが可能です。これにより、トレーダーは単なるポジションの保有だけでなく、資金調達率を有効活用することで、収益を増加させることができます。
資金調達率の仕組みについてしっかりと理解し、これからの取引に役立ててくださいね。