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つみたてNISAの継続に必要な心構えは「見ざる・聞かざる・言わざる」

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つみたてNISAの継続に必要な心構えは「見ざる・聞かざる・言わざる」

ここ最近は米国の株価の下落を伝えるニュースを、よく見かけるようになりました。

その主な理由は米国の中央銀行にあたるFRBが、インフレを抑えるために政策金利(中央銀行が誘導目標にする金利)を、ハイペースで引き上げしているからだと思います。

年間で40万円(毎月の積立金額の上限は3万3,333円)までの、積立投資によって得た利益が、最長で20年に渡って非課税になる、つみたてNISAという制度があります。

この制度を始める時は、金融庁が定めた厳しい基準をクリアしている、長期・積立・分散投資に適した投資信託の中から、積立を継続する投資信託を選びます。

人気があるのは全世界の株式、先進国の株式、米国の株式を投資対象にした投資信託になりますが、この3種類の中のどれを選んでも現在は、同じような結果になっていると推測されるのです。

その理由としては全世界の株式や、先進国の株式を投資対象にした投資信託であっても、資産の大部分は米国の株式で運用されているため、米国の株価が下落すると、その影響を強く受けてしまうからです。

つみたてNISAを始めたばかりの初心者の方は特に、米国の株価の下落を受けて、自分が選んだ投資信託の基準価格(投資信託の価格)が下落している状況に、不安を感じているかもしれません。

また不安な気持ちの高まりを抑えられず、つみたてNISAを止めてしまう方がいるかもしれないのですが、止めないで継続した方が良いのです。

その理由としては株価の下落によって、基準価格が低くなるほど、購入できる口数が多くなるため、株価が下落する局面は、投資信託の保有口数を増やせるチャンスだからです。

こういった話を聞いても、つみたてNISAを止めたいと思う方は、「見ざる・聞かざる・言わざる」という、いわゆる三猿の教えを守ると、止めたい気持ちを抑えられる可能性があります。

三猿の教え

見ざる(経済や金融のニュースを見ない)

つみたてNISAを始めた方の中には、今まで興味がなかった経済や金融のニュースを、よく見るようになった方がいると思います。

これによって経済や金融の知識を身に付けると、仕事や家計管理などにも役立つため、投資をすることのメリットは、資産が増えるだけではないのです。

ただ現在のように株価が下落している局面では、悲観的なニュースが多くなるため、こういったものを見ていると、不安な気持ちが高まってしまう可能性があります。

そのため株価が下落している局面では、経済や金融のニュースを、あまり見ない方が良いと思うのです。

一方で株価の下落によって、不安な気持ちが高まっている時に、積極的に見た方が良いものがあります

それは「NYダウ」や「S&P500」などの、米国を代表する株価指数の長期チャートです。

これらを見てみると、ITバブルの崩壊(2001年)、リーマンショック(2008年)、コロナショック(2020年)の時などに、株価が大幅に下落していることがわかります。

ただいずれは下落前の水準を更新して、株価は右肩上がりに上昇しているのです。

そのため株価の下落によって、不安な気持ちが高まっている時に、「NYダウ」や「S&P500」の長期チャートを見ると、不安な気持ちを抑えられると思うのです。

聞かざる(専門家の予想は聞かない)

つみたてNISAを始めるために、ネット証券の口座を開設すると、将来の株価や為替レートなどを予想する、専門家の方が書いたレポートを、無料で見られる場合があります。

また将来の株価や為替レートなどの予想を、専門家の方が解説する動画を、無料で見られる場合もあります。

こういったものを発表から数か月後に見直してみると、専門家の株価や為替レートなどの予想が、あまり当たっていないとわかるのです。

しかも専門家の予想は楽観的なものより、悲観的なものが多いという印象があるため、株価の下落によって不安な気持ちが高まっている時には、専門家の予想を聞かない方が良いと思うのです。

そもそもつみたてNISAは毎月(毎日)、自分が選んだ投資信託を、一定額ずつ自動的に購入します。

また楽天証券やSBI証券などが提供している、投資信託の定期売却サービスを利用すれば、売却も自動的に実施されます。

そのため専門家の予想を参考にして、売買のタイミングを判断する必要はないため、つみたてNISAは他の投資より、専門家の予想を聞く必要性が低いのです。

言わざる(投資の話はしない)

29行の都市銀行や地方銀行で投資信託を購入した顧客の、2018年3月末時点の評価損益を、金融庁が調査したところ、46%がマイナスだったそうです。

これだけ儲かっていない方が多いのですから、友人や知人と投資の話をすると、失敗談を聞かされる場合の方が多いと思います。

そうなると不安な気持ちが高まるため、株価が下落している時は友人や知人と、投資の話をしない方が良いのです。

なおつみたてNISAが開始した2018年1月から、積立投資を継続した場合の、2021年7月末時点の評価損益を、QUICK資産運用研究所が調査したところ、すべての投資信託(ETFは除く)でプラスだったそうです。

両者の間に大きな差が生じた理由について考えてみると、つみたてNISAの対象になっている投資信託は、保有中にかかる信託報酬が低いため、手数料によって利益が減るのを、最小限にできるからだと推測されます。

また株価が高値の時に投資信託を一括購入すると、利益を出しにくくなりますが、つみたてNISAは購入時期を分散するため、このような状態になりにくいというのも、理由のひとつだと推測されます。

いずれにしろ2018年1月以降は何度かの株価の下落、特にコロナショックがあったのに、つみたてNISAの対象になっている投資信託は、2021年7月末時点で、すべてがプラスだったのですから、ここ最近の株価の下落に慌てない方が良いのです。(執筆者:社会保険労務士 木村 公司)

《木村 公司》
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執筆者:社会保険労務士 木村 公司 木村 公司

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。 【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種 寄稿者にメッセージを送る

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